【新課程】数学ⅢCを独学で勉強する人のためのタイプ別学習法

どうも, みなさんこんにちは。
高橋佳佑です。

今回は新課程の数学ⅢCの単元とそれらの関係性についてお話しします。
勉強するときの目標設定の例として参考にしていただけたら幸いです。

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数学ⅢCの単元とそれぞれの関係性

新課程の数学ⅢCの単元とそれらの関係性を図にしてみました。

【新課程】数学ⅢCの単元と関係性

極限→微分法、積分法のような一方的な矢印は学習の順序を表しています。ベクトル↔複素数平面のような両向きの矢印は一部内容が関連しているところがあることを表しています。

次に, 各単元の内容を具体的に見てみましょう。

数学ⅢCの各単元の内容

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【数学Ⅲ】「関数」の学習内容

この単元ではまず分数関数\(y=\frac{a}{x}\)や無理関数\(y=\sqrt{x}\)について学習します。

基本となる\(y=\frac{1}{x}\), \(y=\sqrt{x}\)のグラフの概形とそれらの定義域や平行移動を式とともにとらえられるようにしましょう。さらにグラフを利用して方程式や不等式にもアプローチできるようになります。

これらの関数のあと, 逆関数, 合成関数というものを学習します。

普段\(x\)の値を決めると\(y\)の値がただ1つ対応する規則を関数と呼んでいますが, 逆に\(y\)の値からもとの\(x\)の値を対応させる規則を逆関数といいます。合成関数についてはこのあと微積分で頻出ですが, 微積の計算の中で見極める練習を積めばよいと思います。

ここでは新しく出てくる記号の意味を覚えておきましょう。

【数学Ⅲ】「極限」の学習内容

ここでは数学Ⅱの微分係数の定義や導関数の定義で登場した極限\(\lim\)について学習します。

目標は大きく分けると次の2つです。

極限の学習の目標
  1. 数列の極限計算ができるようになること
  2. 関数の極限計算ができるようになること

①数列の極限

ある数列\(\{a_n\}\)は番号\(n\)を大きくしていくとき, どうなるのかを調べることから始まり, 初項から第\(n\)項までの和\(S_n\)が\(n\)の値を大きくしていくときにどうなるのかを調べることがメインの話になります。したがって,

数Bで学習する数列の知識をきちんと固めてからの学習を推奨します。

とても大きい数を表す記号として無限\(\infty\)が登場しますが, 極限計算ではイメージも大事です。

例えば, 一般項が\(a_n=\frac{1}{n}\)である数列は\(n\)が大きくなっていくと,
$$\frac{1}{1}, \frac{1}{2}, \cdots\cdots, \frac{1}{100}, \cdots\cdots, \frac{1}{100000000}, \cdots\cdots$$
と0に近づいていきます。これを
$$\displaystyle\lim_{n\to\infty}\frac{1}{n}=0$$
と表します。

直観的に納得できるでしょう。

② 関数の極限

二次関数\(y=x^2\)において, \(x\)の値を大きくしていくと\(y\)の値も大きくなりますよね。\(x\)の値を小さくしていっても\(y\)の値は大きくなります。

また, 対数関数\(y=\log_2x\)は\(x\)の値を正の値を保ちながら0に近づけてみましょう。

例えば, 計算しやすいように, \(x\)=\(1, 2^{-1}, 2^{-2}, \cdots\cdots, 2^{-100}, \cdots\cdots, \)としていくと, \(y\)=\(0, -1, -2, \cdots\cdots, -100, \cdots\cdots\)と小さくなっていきます。

このことを
$$\displaystyle\lim_{x_\to\infty}x^2=\infty$$
$$\displaystyle\lim_{x_\to{-\infty}}x^2=\infty$$
$$\displaystyle\lim_{x_\to+0}\log_2x=-\infty$$
と表します。

ここで学習することの一部は上で考えたような極限の計算です。極限が計算できるとグラフをかくときに役に立ちます。

今まではこれらを認めてグラフを書いていましたが, これからは\(x\to\infty\)や\(x\to-\infty\)などの極限を調べてグラフを書くことになります。さらに三角関数などの極限計算も学習するため, 定義に従って微分することが可能になり, 次のお話へとつながっていくます。

ここではいろいろな関数の極限計算ができるようになることが目標です。
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【数学Ⅲ】「微分法とその応用」の学習内容

いよいよ微分法に入ります。

数Ⅱで学習する定義や接線の方程式, グラフの書き方など, そのまま使えるところも多いので, きちんと数Ⅱの微分を復習しましょう。

数Ⅲでは様々な関数の導関数を考えることができる

数Ⅲでは, 前の単元でいろいろな関数の極限計算が可能になったことから, さまざまな関数の導関数を考えることが出来ます。微分計算の演習は不可欠になります。

ここできちんと計算演習しないと数Ⅲで扱う積分計算を効率的に学習することが困難になります。しっかりと計算できるように練習しましょう。

計算ができるようになれば, 接線の方程式やグラフ, 最大値, 最小値, 方程式や不等式への応用も解けるようになります。一部, 数学Cの「式と曲線」に登場する二次曲線に関する話題が出てきます。

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【数学Ⅲ】「積分法とその応用」の学習内容

数Ⅱの積分で, 微分と積分は逆演算になるという性質を学習しました。

数Ⅲになってもそれは同じで, とにかく微分してもとの関数に戻るということを意識して計算演習をしましょう。

数Ⅲの積分計算ではテクニックを要するものも含まれるので, とにかく演習です。毎回微分してもとの関数になることを確かめながら計算演習しましょう。

公式の成り立ちを考えながら問題に取り組む

積分計算の精度や速度は微分計算の習熟度が影響します。
さらに数Ⅲの積分法を学習すれば, 面積や体積を積分計算で求めることができるようになります。

是非公式の成り立ちを考えながら問題に取り組んでください。

なお, 微積分の公式などについてはこちらも参考にしてください。

【数学C】「平面ベクトルと空間ベクトル」の学習内容

ここで学習するベクトルとは幾何ベクトルと呼ばれ, 図形の性質と関係があります。

数Ⅱの「図形と方程式」ではいろいろな図形を\(xy\)平面内で考えるということを学習しましたが, 新しくベクトルというものを導入することで図形の問題をベクトルの計算で処理することが可能になります。

そのため, 数Ⅱの「図形と方程式」で学習する内分点の公式や重心の公式などと似た式が出てきます。

特に, 図示しにくいような空間内の図形をベクトルを利用して計算で処理できるようになるので非常に便利です。

まずはベクトルの計算法則を完璧にして, 図形的な考察もできるようになることが目標になります。

【数学C】「複素数平面」の学習内容

数Ⅱで登場した虚数\(i\)を再び考えることになります。

\(xy\)平面内の点\(a, b\)と複素数\(a+bi\)を同一視して考えようというところから複素数平面は始まります。そのためここでは, 複素数の計算と図形的な性質との関連を学習することになります。これはベクトルとリンクする部分もありますね。

目標は大きく分けて次の2つです。

極限の学習の目標
  1. 複素数の計算ができるようになること
  2. 図形に関することを, 複素数を用いて表現ができるようになること

この単元では共役複素数, 絶対値, 極形式などという新しい記号や表現方法を学習するので, まずはこれらの計算が正しくできることを目指しましょう。さらにこの計算が図形的にどういう性質をもつのかを理解し, 使いこなせるようにならないといけません。

もう少し具体的なお話はこちらを参考にしてください。

【数学C】「式と曲線」の学習内容

この単元の序盤は\(x, y\)の二次式で表される放物線, 楕円, 双曲線について学習します。

それぞれの図形の定義を, 焦点や準線などの新しい言葉とともに抑えましょう。

実際の入試問題では微積分と総合して出題されることもあるので, ここでは定義や基本的な式の形, 直線との関係, 接線の方程式を理解しておきたいです。

次にこれまで学習した曲線や座標の表現方法とは別の表現方法を学習します。媒介変数表示や極座標, 極方程式と呼ばれるものです。これらも微積分と絡めて出題されることがあるので, ここでは教科書レベルの問題をきちんと理解しましょう。

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【数学C】「数学的な表現の工夫」の学習内容

この単元は入試範囲に含まれていないため学習する人は少ないと思います。

ここではデータの整理の仕方や大学の線形代数という科目で学習する行列について学びます。また, 離散グラフの一例として一筆書きの問題などの考察をします。

おわりに


今回は新課程の数学ⅢCの単元とそれらの関係性についてお話ししました。
それぞれの単元の目標や他の単元との関係性などを意識して学習を進めてください。
それでは,今回はこの辺で!

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