[古文]古文文法学習の第一歩

はじめに

受験科目に古文が必要とわかる。しかし、古文は学校のテスト勉強を、付け焼き刃でしてきただけだ。あるいは、古文なんて大嫌いだし全然わからない……さあ、どうするか。という生徒からの「古文ってなにをやったらいいですか?」という非常に漠然とした質問は毎年少なくありません。

それに対する一般的な答えは、
まずは古文単語と古文文法の習得からということになるでしょうし、このことについて疑いの余地はありません。
もちろんアプローチの仕方やプロセス、読解をどう絡めていくかという問題はあるにはあるのですが。

本項では、この古文のはじめの一歩とも言える古文単語学習と古文文法学習のうち、特に後者について、何からはじめるべきかということへの一つの考えを示したいと思います。

古文文法はなぜ重要か

まず、文法の重要性を、単語と比べて説明したいと思います。

「女御・更衣、あまたさぶらひ給ひける中に」
(訳 女御や更衣が大勢お仕えしていらっしゃった中に)

この『源氏物語』の一節を現代語訳するためには、多くの知識が必要となります。

「女御・更衣」ってなんだろう、「あまた」「さぶらひ」「給ひ」ってどういう意味だろう。

これらは前者は古文常識、後者三つは古文単語という中に括られる知識になります。この例文中の「ける」が過去の助動詞であるという知識が文法の知識に該当し、このことでこれが過去のことであるとか、訳すと「〜た」となるということがわかります。

さて、ここで質問です。

次に新たな古文を読もうと思ったときに、「あまた」という単語に再び出会う確率と、「ける(けり)」という助動詞に再び出会う確率とではどちらの確率が高いと思うでしょうか。

正解は、当然後者です。
単語一語一語に比べると、助動詞一つを理解し、覚えることで、増えていく読める部分というのは格段に多いのです。「あまた」を覚えても、それが次の文章に出てくるかは、わかりませんが、過去をあらわす「けり」、打消(否定)をあらわす「ず」などの助動詞は、含まれない文章を探す方が難しいほどに、よく使われるものだというのは、想像に難くありませんよね。

もちろん、文法学習の重要性を語るとなると、他にも様々な視点があるのですが、ひとまず上記のことだけでも、古文を読むには文法が大切だということを実感できたのではないでしょうか。

 

はじめにやるべきこと

では、何からはじめるべきなのか。

助動詞を覚える?活用を暗記する?
たしかに、これらは最終的には、覚えなければならないことでしょう。しかし、まずはじめにやっておくべきことは、たった2つの文法用語についてきちんと理解をしておくことだと私は考えています。その2つの文法用語とは、「活用」「接続」という言葉です。

 

活用とは

「書く」という動詞があります。
これに「ない」をつけますと、「書くない」ではおかしいので、「書かない」となります。「書く」を「書か」に変化させているわけです。なんとなく形が変わったのではなくて、下についた「ない」によって形が変わっています。
このように、下の語の影響(※それ以外の理由もありますが)によって語の形が変わることを活用と呼びます。また、他の例では、「書く」に「ます」がつくと、「書きます」となります。「書か」と「書き」は、形が違いますので、それぞれ未然形とか連用形と名前をつけて区別しており、これを活用形と呼んでいます。中学校で習ったことがありますねよね。

活用とは…主にすぐ下の語の影響によって語の形が変わること
接続とは

「ない」に該当する古文の助動詞は「ず」という言葉です。「情けは人のためならず」など現代でも時たま見かけることがあります。
「書く」にこの「ず」がつくと、「書くず」ではおかしいですから、「書かず」となります。これを活用と呼びました。なんとなく形が変わったのではなく、「ず」の影響によって形が変わっているのです。

この「ず」に備わっている、上の形を変える力のことを接続と呼んでいると思ってください。毎回毎回、「ず」の上の形と呼ぶのは面倒なので、「ず」の上の形を未然形と呼ぼうという決まりになっています。「ず」以外にも、上が未然形になる語はいくつも存在していて、それらを未然形接続の語と言います。

接続とは…上の語の活用形が何形になるのかの決まり
おわりに

いかがでしたか。理解できましたでしょうか。

実は、この活用と接続をきちんと理解しているかどうかで、古文文法学習の効果とはかどり具合には、大きな差がうまれるのです。動詞の活用やら、助動詞の活用やら、これから覚えることは少なくありませんが、まずそれらを暗記する前に、活用と接続という文法用語をきちんと理解してください。

次の機会では、活用についてより詳しいお話をしたいと考えています。

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  1. 2018年 12月 05日
  2. 2019年 3月 29日
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