

大手予備校・高校等に出講。
日本古典文学研究と予備校や高校での古典講義を中心に精力的に活動。日本古典文学、中でも中古・中世、歌論、美術史をはじめ、興味関心は多岐にわたる。講義を通して古典に親しみ、その世界観に魅了される生徒は後を絶たない。
目次
はじめに
本記事では、古文の過去問の取り組み方を説明していきたいと思います。過去問について、どう取り組むべきか悩んでいるすべての受験生にとってヒントになれば幸いです。
こうするのが正解ということはなく、様々な意見を総合して、自分なりの過去問活用を開発されることを祈っています。
過去問の意義
過去問をいつから解けばよいか、過去問は第何志望までやるべきか…過去問に関する質問は毎年たくさんいただきます。
まず、過去問の意義を整理しておきたいと思います。
- 敵を知る(傾向分析のために過去問を解き、出題傾向を知る)
- 自分の実力を知る(自分が過去問がどれだけできるか/できないか)
このうち、時期が早ければ早いほど1の意義が重要で、試験が近づけば近づくほど、2が重要になってくるでしょう。
では、具体的にどんなことをしていくべきかをお話します。
敵の知り方
過去問を分析する1の意義の場合には、以下のことに注意してください。
- 国語全体の中で、古文の占める割合。時間をどれくらいかけられるのか。
- 知識問題の有無。文学史や読みが毎年出ているかなど。
- 文法問題の有無。
- 設問の種類(主語把握、空欄補充、傍線説明、傍線訳…etc)
これらを分析することで、今後の学習の指針を立てることができます。基本的な単語を含む傍線が多いから単語帳をやり込もうとか、文学史が毎年出ているからやっておこうとか。もっと細かく言えば、出題ジャンルや、文章の年代などの偏りのある大学もあり、過去問の分析によって知ることができます。
己の知り方
できなかった問題があったときには、ただ×だっただけではなく、なぜできなかったのかを追求するようにしましょう。
単語が分からなかった、この文法事項がわからなかったと原因が特定できれば、その穴を埋め、次は間違わないように心がけます。できた問題についても、どいう知識を問おうとしているのか、どういう部分を読み取れているかを確かめるための問題だったのか、などを分析しましょう。
この時には、現代語訳と本文を突き合わせて、考えてみるとよいでしょう。
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