こんにちは、安田です。
今回は、「国公立大学の2次試験で漢文が必要だ!」という人が何をどう勉強して入試に備えていくかをお伝えできればと思います。
大学入学共通テストの選択式とは違う部分も多くありますから、早くから意識を持った取り組みをしていきましょう。
目次
まずは基礎固め~共通テスト対策
まず、高校で学習する範囲の句形や語彙などの知識を詰め、共通テストが読み解けるようになるところまで演習を積みましょう。基礎学習から共通テスト対策までは以下の記事など参照してください。
2次試験の出題形式は大きく4パターン
選択形式の共通テストとは違い、国公立大学の2次試験はほとんどが記述・論述形式です。
おおむね、以下の4パターンに分けられます。
- フレーズの読みをひらがなで答える
- 一文を書き下す
- (適語を補いながら)現代語訳する
- 内容や解釈についての説明をする
(他にも、単に詩の形式を問うものや、指示語が示す内容を問うているものなど、大学によって様々ですので志望大学の問題は要チェックです)
基本的には日常学習・共通テストと大きく変わらない
①~③については、日常の漢文学習や共通テスト対策とやること自体は大きく変わりません。
普段、学校で扱う教科書の文章を音読・精読し、白文状態から返り点と送りがなを振って書き下せるようにし、全文現代語訳するのを地道に続けていきましょう。
学校で漢文の授業が設定されていない人は、模試や問題集で取り組んだ文章で構いませんので、同じように丁寧に練習を重ねていくのが効果的です。
論述形式「説明せよ」対策
国公立大学の2次試験では④の「(傍線部について)説明せよ」という形式の問題がよく出題されます。難関大ほど主流な形式ですから、これがどれだけできるかが合否を分けると言って差し支えありません。
ただ選んだり訳したりではなく、「不足なく指示に沿って(わかりやすく)説明できているか」がポイントです。解答に必要な要素を漏れなくまとめること、日本語の一字一句を意識した読みやすい文で指定の枠内に解答を収めていくことが必要です。
①問題集を使って解答作成の技術を習得する
これらの力は、漫然と勉強するだけではなかなか磨かれにくいものです。「解答を作る技術」を習得する必要がありますから、まずはそれ専用の問題集に取り組むのがよいでしょう。
②解答作成の技術を学んだ後は実戦形式で練習→過去問演習
解答作成の技術を学んだら、実戦形式で練習してから過去問演習に進むと効果が高いです。
実戦形式での問題演習の後は過去問演習に取り組む
問題集で取り組む現代語訳問題や説明問題は、解答要素や採点基準が事細かく説明されていることが多いので自学自習しやすいと思います。
ですが、各大学の過去問は解説の充実度がそれぞれ異なりますから、そういった取り組み方が難しいこともあります。
まずは解答例や解説をもとに確認する
まずは、解答例や解説をもとにして、自分の作った解答と照合させて必要な要素や文章表現を確認していきましょう。
さらに、国語の先生に添削がお願いできる環境であれば、ぜひとも頼んでみましょう。自力では見落としがちな部分(読み手にしっかりと”伝わる”文章で書けているかなど)を見てもらえると、得点力を高めることができます。
おわりに
2次試験において、特別難しい問題はごくわずかです。ほとんどは「きちんと読めて訳せる」状態であれば、合格点に近づけます。
「きちんと読めて訳せる」状態になるために、文構造が分かるようにし、句形を理解する。語彙力をつける。全部音読する、全部現代語訳する。そういった練習を積み重ねることで底力がつきます。
入試では初見の文章と取っ組み合うのですから、どういう文章が出題されても対応できるだけの力をつけることが肝要です。特別な対策はそれからで十分。コツコツと学習していきましょう。