みなさんこんにちは!
今回の記事では高校1年生を対象に、5月に頑張ってもらいたいことについて書いていきたいと思います。
前回の記事でもしかしたら高校数学はとんでもなく難しいものなのではないかという印象を受けてしまった人がいるかもしれませんが、決してそんなことはありません。正しい順序で正しく学んでいけば何も怖いことはありません。(一つだけ注意。ここでいう「正しい」というのは、「明らかに間違っているものではない」という意味です。当然個人差はあります。)
5月に頑張りたいこと――計算力の強化
5月というか、夏休み前までの大きな課題が「計算力の強化」です。
数学Ⅰは式の展開や因数分解から始まると思いますが、ここでサボっていると後々ロクなことがありません。計算練習をガンガン積んでいきましょう。
「数学の勉強法」というと、前回の記事で書いたような高級な題材を期待していた人もいるかもしれませんが、これらの題材に触れるためにはやはりそれなりの準備が必要です。そしてその準備はだいたい大変で面倒です。高1の最初の段階はその準備に当てると思ってください。この準備をしっかりと行えばだんだんと面白い内容に入っていきます。
ここを面倒に感じてしまったり、練習すれば誰でもできるようになるのに諦めてしまったりする人が毎年必ず出てきますが、今は準備の時です。
ひたすら耐えてください笑。
計算力強化の題材
ただ、ひたすら計算していろと言われるのも苦痛でしょう。
そこで、だいたいの目安を示しておきたいと思います。
こちらのプリントを印刷してみてください。
展開・因数分解計算練習プリント
展開・因数分解計算練習プリント解答
注:誤植がありましたので修正版に差し替えました。〔5月27日〕
全部で50問あります。
20分以内に満点を取れるようになったら合格です。
これは僕が高校1年の頃学校で実施した朝テストと同じ形式です。ちなみに当時は45問正解で合格でしたが、一発目の合格者は学年で一人だけで、残りの239人が追試を受けるという大事件がありました笑。僕も一発目は不合格でしたが、2回目の試験で合格したのを覚えています。
ある意味スパルタのようなこの計算特訓がやはり後々効いていたなあと今でも思います。
とりあえず時間を計ってやってみて、今自分が何点取れる状態なのか点数を出してみてください。
合格ラインに持っていく方法①――計算ミスをなくす
では具体的に、どうすれば合格ラインに持っていけるかについて書いていきます。
不合格になってしまう人の大半は、
● そもそも時間が足りず最後までたどり着かない
のどちらかではないでしょうか。
まず、計算ミスについて。
少し厳しいことを言うことになりますが、受験生の皆さんは計算ミスについて少し認識が甘いと感じることが多いので、ここではっきりさせておきたいと思います。たった50問の中で起こる間違いはケアレスミスではありません。ケアレスミス、うっかりミスというのは、1000問や2000問(例えです。これでも少ないかもしれません)と膨大な計算量の中でひとつあるかないかのような計算間違いのことで、この程度の計算量の中でのミスをケアレスミスとは言いません。
単純に計算力がないのです。
これを克服するためには、「時間をかけてでも100%正解する」練習を積んでいくのが大切です。「時間内にゴールする」ことよりも、「時間をかけても満点」を目指して頑張りましょう。満点を取ることに価値があります。
合格ラインに持っていく方法②――スピードの向上
次に、時間が足りなくなることについて。
これについてはどんどん計算量をこなしていくのが重要ですが、一つだけ確認しておきたいのは、そもそも文字を書くスピードが遅くありませんか?
1文字1文字を書くスピードがのんびりだと当然かかる時間も増えます。ガリガリ書いていきましょう。途中計算の文字が多少雑になっても気にしてはいけません(笑)。単純な計算問題では最終的な答えのみを求められているので、途中計算など自分が読めればそれで良いのです。最終的な答えだけきれいに書いていれば十分です。
これでも時間が足りないとなると、もう原因は計算の仕方にあるのではないでしょうか。
展開も因数分解も、無理矢理公式に代入しようとしていませんか?
また因数分解では、無理にタスキガケを使っていませんか?
計算はルールを守っていれば基本的に自由なので、自分にとってやりやすい、速い方法があるかもしれません。
*因数分解の具体的な方法についてはまた別の記事で触れたいと思います。
以上を意識してガンガン練習を積みましょう。
学校の教科書・授業を大切にする
最後に、忘れてはいけないのは普段の授業です。
誰がなんと言おうとも一番重要なのは学校の教科書です。普段の授業を大切にしてください。
必ず予習をしていくこと。教科書の例題、問題は必ず解いて授業に参加し、できるものとできなかったものを明確にしていってください。
授業では、「できなかったものをできるものに変える」ことと、「できていたものでも、より良いものにすることはできないか」を意識して先生の話を聞きましょう。
授業中に寝るなんて選択肢はありえません。寝るなら夜にお家で寝ましょう。そっちの方がよっぽど疲れも取れますよ。せっかく起きて学校まで来ているのですから、その時間と機会を大切にしてください。
では今回はこんな感じで。また次の記事でお会いしましょう。
首都圏、西日本の大手予備校に出講。
単なる解法の暗記→再現に留まらず、なぜそう解くのか、どうしてそう解こうと思えるのかまでを徹底講義。「数学をやらされている」ではなく「自分たちが数学をやっているんだ」という授業を展開。