[数学Ⅲ]受験生のための学習ロードマップ[中級編]

どうも、みなさんこんにちは。高橋佳佑です。
今回は数学ⅠAⅡBの基本的なことはある程度定着している人に向けて、数学Ⅲの学習進度の目安についてお話します。

受験生になる前に数学ⅠAⅡBの基本事項を網羅する

数学ⅠAⅡBの基本事項を網羅しましょう。

数Ⅰと数Ⅱの最初の計算分野や三角関数、指数関数、対数関数の計算、数Bの数列は数Ⅲに入る前に復習しておきたいです。

もちろん他の分野も必要ですが。

 

「論理が説明できる」ようになることを意識する

また、数学Ⅲの学習をしている途中でもあやふやな部分は適宜復習することをおすすめします。

分野によらず意識してほしいのは、「ただ解ける」ということよりきちんと「論理が説明できる」ようになるということです。
公式や定理をきちんと説明、導出できるようにするのがベストです。

きちんと理解しましょう。

 

基本計算では速度を意識する

さらに基本計算では、速度を意識しましょう。

入試には時間制限がありますから、時間をかけてゆっくり計算する練習ばかりでは得点は伸びません。
内容を理解したあとは計算速度を上げる練習もしましょう。

数学Ⅲの計算はⅠAⅡBの知識を使います。
そのための準備をきちんとしましょう。

 

数学Ⅲの「関数」の単元の学習をする

それと並行して数学Ⅲの「関数」の単元を学習しましょう。

ここでは分数関数、無理関数について学習します。
グラフの概形がどのようになるか考察し、方程式や不等式を解けるようにしましょう。

さらに逆関数、合成関数というものもでてきます。
初めての人はなかなか馴染みにくいかもしれませんが、ゆっくり説明を読み理解しましょう。

もちろん学校によっては高校2年生のうちから数学Ⅲを学習するところもありますから、それに合わせて「極限」の計算なども2年生のうちに学習してもよいと思います。

 

受験生の1学期は「極限の計算」「微分の計算」「積分の計算」を最優先


さて、受験生になりました。

数学Ⅲにおいて、極限の計算、微分の計算、積分の計算は入試頻出テーマのため最優先で仕上げてもらいたいです。
数Ⅱで扱うものより難易度が上がり、テクニックを要するものもあります。
まずは計算力を強化しましょう。

 

「数列の極限」「無限級数」の計算

いろいろな数列がどのような値に近づいていくか、あるいは特定の値には近づかないかを調べる「数列の極限」から始まり、無限に続く数列の和について考える「無限級数」の計算を教科書や参考書で見ながら解いてみましょう。

数学Bでやっていた数列と同じような話がたくさん出てくるので親しみやすいと思います。
数学Ⅲらしい部分は、解けない漸化式で定められる数列の一般項がある特定の値に近づくことの証明です。
是非チャレンジしてみましょう。

 

∞の概念に慣れてきたら「関数の極限」に

数列の極限で∞の概念に慣れてきたら、次はいよいよ「関数の極限」です。

いろいろな公式が出てくるので、証明を考えながら計算できるようにしましょう。
これは導関数を定義に従って求めるときに必要であり、またグラフを書くときにも必要になります。

 

極限計算が一通りできるようになったら「微分計算」へ

極限計算が一通りできるようになったらいよいよ「微分計算」です。

数Ⅱまでは多項式で表される関数しか扱いませんでしたが、数Ⅲでは様々な関数を微分することができるようになります。
さらに、合成関数の微分など数Ⅱに比べると考えることが増えます。
とにかく計算に慣れましょう。

微分計算がスラスラとできないようであれば、数Ⅲの積分は手が出せません。
積分の準備にもなりますから、ここはしっかりと計算の精度と速度を上げましょう。

 

微分計算がある程度できるようになったら「微分法の応用」へ

微分計算がある程度できるようになったら、「微分法の応用」に進みます。

ここでは数学Ⅱのときと同じように接線の方程式を求めたり極値を求めたり、グラフが描けるようになります。
いろいろなグラフを描けるようになると、最大値や最小値が求められるようになり解ける問題が大幅に増えます。

是非チャレンジしてみましょう。

 

「積分計算」は微分の計算に慣れていることが前提

最後に「積分計算」です。微分の計算に慣れていることが前提になります。

積分をする際、微分して元の関数に戻ることを必ず確かめながら丁寧に積分していきましょう。

数学Ⅱで扱った積分よりもテクニカルなものもありますから時間をかけてまずはしっかり計算できるようになることが目標です。

微分と積分計算の演習をしながら、積分と不等式、積分と漸化式さらには面積、体積などの「積分法の応用」に進みましょう。

面積を求めるのは数学Ⅱと被る部分もありますが、y軸方向での積分など新しいものもあるので原理をしっかり考えながら学習しましょう。

 

1学期の間に最重要単元の基本的な問題を完璧に理解し、解けるように練習する

1学期の間に最重要単元の教科書例題レベルの基本的な問題を完璧に理解し、解けるように練習しましょう。

参考書や問題集の発展的な内容には触れなくてもよいでしょう。

まずは、数学Ⅲではどんな計算をするのか、どんなことが出来るようになるのかを把握し反復して演習しましょう。
計算力をつけるのには時間がかかりますから、なるべく早くからその演習時間を確保したほうがいいです。

 

受験生の夏は復習・計算演習と同時に、飛ばした数学Ⅲの単元の学習


夏がやってきました。

1学期に学習したⅠAⅡBの復習、数学Ⅲの計算演習もしつつ数学Ⅲの飛ばしていた単元に戻ります。
「複素数平面」と「式と曲線」です。

 

「複素数平面」はベクトルを復習した上で取り組む

「複素数平面」はベクトルと似た部分もあるので、そちらを復習してから進めます。

複素数の計算法則に慣れ、図形への応用を考えます。

 

「式と曲線」の定義を理解し問題を解く

「式を曲線」はいわゆる二次曲線といわれる放物線、楕円、双曲線です。
これらの定義を理解し問題を解きましょう。

この単元は、入試では微積と融合されることも多いです。
ここでもまずは教科書基本レベルをきちんと仕上げ、発展問題はあとまわしでもよいでしょう。

 

微積分の発展問題にも取り組む

さらに1学期に飛ばしていた、微積分の発展問題にもチャレンジしてみましょう。

1題1題しっかり考え、解けなかった問題について分析します。
知識が足りなかったのか、考え方が分からなかったのか、自分に足りないものを把握し次回からはそれを意識したうえで問題を解くようにしましょう。

「複素数平面」、「式と曲線」は初めて学習する段階では極限や微積分とは独立しているので1学期中に並行してもよいと思います。

 

夏までに数学Ⅲの内容を一通り触れ終えていることを目指す

夏までに数学Ⅲの内容を一通り触れ終わっていることが望ましいです。

2学期以降、実践的な問題を通して知識の使い方等を学習できます。
また、自分の不得意分野が明らかであれば夏から単元別に勉強しましょう。

 

受験生の2学期からは実践的な問題演習を


いよいよ2学期です。

夏までに得た知識や考え方を使って、標準的な問題集を1冊完璧に仕上げることを目標に実践的な問題演習をしましょう。

一つ一つ丁寧に考え、答案を作り現在どこまで解けるかチェックします。
穴があれば分野ごとに必ず復習しましょう。

そのとき、どういう論理で問題が解けているかに注意し、なぜ問題が解けなかったのか分析しましょう。
そして、自分で答案が書けるようになるまで何度も繰り返して解きましょう。

ただ解法を覚えるというだけの勉強ではなく、解法を理解するということを心掛けてください。

 

おわりに


数学ⅠAⅡBの復習と並行して数学Ⅲの学習をしなければならないので、やることはとても多いと思います。

入試の数学では数学Ⅲの微積分がとても重要になります。
演習量を確保するためにも、なるべく早い段階から触れることをお勧めします。

ここまでお話したことは理想のペースです。

1つ1つ理論を確認し、証明などを考えてほしいですが、実際には内容が複雑であったりして思うようにいかないかもしれません。

そういった場合、思い切ってとばしてしまいましょう。
解けない問題ばかりを考えていても、モチベーションも上がらず大変でしょうから、まずは計算できるように、問題が解けるようにします。

勉強が進んでいくと、納得できることもあると思います。
特に1学期のうちは、基本的な問題に焦点を絞りましょう。

夏や2学期になって必ず復習し、とばしてきた内容を確認してください。
それでは、今回はこの辺で!

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