2023年度 共通テスト[世界史]から見る高1・高2の学習指針

皆さんこんにちは。
今年も受験シーズンがやってきました。

高校1~2年の皆さんは、自分の受験計画を見つめる絶好のタイミングです。
ぼんやりとした受験勉強のイメージをより鮮明で具体的なものにするためにも、共通テストに関しては、その問題にざっと目を通しておくことをオススメします。

今回は、最新の共通テスト世界史問題を概観した上で、高1・高2の皆さんがどういう学習を積み重ねていったら良いのかについて述べていきます。

なお、問題を解き、答え合わせをした上で読んでもらうとなお効果的です。
問題はこちらからダウンロードできるので、ぜひ実際に取り組んでみてください。

2023年共通テスト世界史B(本試)全体概観

全体の構成は大問5題・マーク数34個で、2022年の本試験と変化はありませんでした。

出題内容としては、世界史知識をストレートに問うだけでなく、史料・図表・図版・地図・グラフなどの資料を読み取った上で、習得済みの知識と結びつけて解答に至る設問が中心となります。

また会話文を活用した問題が目立ち、その出題数は2022年の5題に対して今年は10題と、大幅に増加しています。問題のページ数も昨年と比べ4ページほど増加する結果となっています。

 

対策が手薄となりやすい分野が集中的に狙われた

出題範囲としては、概ね全時代・全地域を視野に入れた出題がなされていますが、戦後史に関する直接的な知識を問う出題はやや少ない傾向が続いているといえるでしょう。

また今年は文化史、とりわけ中国文化に関わる出題が増加しました。
さらに大問5に見られるような社会経済に関する設問も多く、受験生にとって対策が手薄となりやすい分野が集中的に狙われた形といえます。

こうした傾向に「大量の資料の読み取り」が重なり、思うような点が取れなかった受験生も多そうですね。実際、平均点は昨年と比べ大幅に下がりました。

 

世界史共通テスト対策の高校1・2年生向け学習指針

共通テスト対策は、以下の①②が王道です。

  1. 質の高い通史知識をムラなくインプットする
  2. インプットした知識を使って実際の問題を解く訓練を積む

2023年の問題を見ると①の完成度が大切なことは変わりませんが、②の重要性はより増したといえます。

制限時間60分間で、膨大な量の資料を処理する技術は、一定期間以上の継続的な訓練を要します。

これがいわゆる「慣れ」と呼ばれるものですが、例えば長文の資料を前にしたときに、どんな箇所に注意を払いながら読み進めるのか、どんな書き込みをしながら読解すると効率が良いのかといった方法論は、実際に自分で問題に取り組む経験を抜きに習得することはできません。

以上を念頭に置いた上で、①と②について解説します。

 

質の高い通史知識をムラなくインプットする

共通テストが会話文・史料・図版・グラフなど様々な資料を文字通り「読解」しなければならない、「処理能力」が問われる問題なのは確かですが、それは世界史の知識定着を疎かにしてはいいということではありません。

教科書の隅々までを幅広く学習することが求められる点は、センター試験時代とほぼ変わりません。

例えば先述の中国文化に関する設問は、問われている事項は平易ですが、「中国文化史」という比較的マイナーな単元であることから学習が手薄だった受験生も多かったのではないでしょうか。

いわゆる「地域史」や「文化史」や「戦後史」といった単元は、受験生が直前期まで手が回りにくい分野の筆頭格です。

 

世界史は2年計画でムラなく学習する

このような分野までを完璧に仕上げるためには、最低でも「2年計画」で世界史の受験勉強計画を立てるのが現実的です。

高1・高2の段階から少しでも多くの世界史通史知識の貯金をしておきましょう。
学校の定期試験で出題された内容を完璧にしておくだけでも、高3になってからの負担が大きく減ります。

学校で習った単元に関しては、歴史的事象の背景・原因・経過・結果・影響を意識しながら教科書を読み直してみましょう。

 

世界史図説を使いこなす

また時間に余裕のある今のうちから、ぜひ図説を使いこなしておきたいですね。

図説に収録された写真などを見て、それが何の資料なのか言えるようにしておくだけでもかなりの効果が期待できます。

文化史のページも絵画などの解説を読みながらじっくり鑑賞してみましょう。

 

基本的な用語の概念を理解する

そして基本的な用語の概念をしっかりと理解しておきたいところです。

「主権国家体制」「冊封体制」「帝国主義」「国民国家」など、教科書に繰り返し出てくる概念については自分の言葉で説明できるかどうかチェックしてみましょう。

このような学習の積み重ねにより、単なる知識の寄せ集めのような「死んだ知識」ではなく、共通テストの攻略に役立つ「生きた知識」が蓄積されていきます。

 

インプットした知識を使って実際の問題を解く訓練を積む

そうした下準備と並行して、できれば高校1・2年のうちから共通テストの過去問に触れておきたいですね。

高度な情報処理能力は一朝一夕では身につきません。
習った知識で解けそうな問題だけでも良いので、資料を読んで答えを出すという経験を積んでおきたいところです。

これが受験学年になってからの②の対策に直結します。

ぜひ今から有益な学習を積み重ねて、余裕を持って受験を迎えてください。

【動画】「すずゆうチャンネル)

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