英語だけではない! 漢文学習でも取り組みたい「音読」学習法

こんにちは。安田です。

今回は、ずばり「音読」学習法を紹介します。
英語では音読の有効性を理解して学習に取り入れている人も多いことでしょう。漢文でも、みなさんが思っている以上に音読学習は効果を発揮します。

ぜひとも日常の学習に取り入れて、実力アップを狙いましょう。

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漢文の「音読」学習に取り組む意義

江戸時代には、漢文を「素読する」教育法が一般的でした。素読とは、細かな意味などは考えず、ひたすら声に出して訓読することです。大量の漢文を素読していると、そのうちに内容が身体化し、素養が身につくというわけです。現代においても、一例として、特に幼児期に『論語』の素読をする教育が行われていたり、私学の中高一貫校で取り入れているところもあります。

現代の高校生には時間がありませんから、ひたすら大量に素読するのは難しい。ですが、その有用な部分を少し日々の学習に取り入れることで、短時間で学習効果を高めることは可能です。

漢文の音読にある3つの効用

音読は目・口・耳の3つの器官をフル活用します。それによって、黙読よりも記憶に残りやすくなります。

主に、漢文の音読には3つの効用があります。

漢文音読の効用
  • 記憶の長期保持
    声に出して読むことで、語彙や句形が記憶に残りやすくなります。
  • 読解スピード向上
    音のリズムによって漢文独特の語順が自然と身につきます。そうすると、みんなが苦戦する白文部分の読解がスムーズになり、特に大学入学共通テストでは悩む時間が減って時間短縮にもつながります。
  • 集中力強化
    「声を出して読む」ことは脳に刺激を与えて覚醒させます。眠気対策にはもちろんのこと、脳を覚醒させることで、他科目の学習においても集中力が増し、学習の好循環を生み出します。
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音読学習法

漢文の音読学習法
  1. 指なぞり音読
  2. 白文音読
  3. 即訳音読

【音読学習の前に~】 「訓点」をマスターする

白文に返り点と送りがな、いわゆる「訓点」が施された状態(教科書に掲載されている状態)で音読するためには、まずは返り点を理解している必要があります。教科書や問題集を使って確認し、理解しておきましょう。

文章を指でなぞりながら読み下していく「指なぞり音読」

文章を指でなぞりながら読み下していきます。自分がどこを読んでいるかを意識しつつ、読みでつまづく箇所がすぐに分かります。

現代文のように素直に上から下に読めない分、迷子になりやすいのが漢文です。慣れないうちは指でなぞって常に順番やカタマリを考えながらゆっくり読みましょう。

繰り返し繰り返し、なかば暗唱するくらいまで読み込むのがコツです。

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頭の中で返り点を当てながら声に出して読む「白文音読」

指なぞり音読でスラスラ読めるようになったら、同じ文章を白文で読んでみましょう。頭の中で返り点を当てながら声に出して読みます。
少し詰まるところはあるかもしれませんが、思っている以上に読めるはずです。

純粋に文字に向き合う分、一字一字の意味や働きにも自然と意識が向きます。

切れ目ごとに口語訳も口ずさむ「即訳音読」

白文状態で音読しながら、切れ目ごとに口語訳も口ずさみます。

読みながら意味を取るのは難易度が高いですが、ここまでできると相当読む力がつきます。

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漢文の音読学習を継続する、たった2つのコツ

音読学習は「短時間で効果が高い」のが特徴ですが、それでも継続するのはなかなか難しいものです。コツは「無理なく取り組む」こと。そのためには、素材文の選定やスキマ時間を有効活用できるように工夫することです。

授業で学習した文章を使う

一度学習して書き下し文や口語訳が手元に揃っている文章を利用して音読練習を行うとよいでしょう。

1日5分からのルーティン化

朝登校してから授業が始まる前、昼食後の午後授業が始まる前、放課後といった、眠気を感じやすいタイミングで5分だけ時間を取って音読してみましょう。脳が覚醒して、多少眠気も飛びます。他教科の学習でも集中力が増す副次的効果が期待できます。

最初から長時間やろうとしても続きません。まずは短い時間でルーティン化しましょう。毎日、決まったタイミングで行うと決めて、まず1週間は頑張って続けましょう。そうすることで自然と取り組めるようになってきます。

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漢文音読学習でのスマホ活用術

こうした音読学習では、スマホも便利に使えます。以下、有用な使い方の例を挙げてみます。

漢文音読の効用
  • スキマ時間活用
    文章を写真に撮っておいていつでも見ることができるようにする。
  • エラーリスト作成
    読み間違えた箇所を撮影し『ノーション(Notion)』などに貼り付けて自分だけの「間違いリスト」を作る。
  • 振り返り学習
    自分の音読を録音して聞き返すことで粗を見つけて改善につなげる。
  • 習慣づけ
    リマインダーを設定して音読学習を行うタイミングを忘れないようにする。

また、読み方が分からない部分をChatGPT やGeminiなどの生成AIに確認する人も多いと思いますが、読み方や口語訳は「正確とは限らない」ので注意が必要です。私も相当使っていますが、高校生の単独学習で実用に耐えるにはもう一歩という印象です。

わからないところは身近な先生に質問して確認するのが、現時点ではベストでしょう。

一日5分の音読を習慣にすることで高い学習効果が期待できる

音読に対して「古くさい」と感じる人もいるかもしれません。なにせ明治の前から続いている学習法ですし、小学校の授業や宿題で経験したことがある人も多いでしょう。

ですが、特に最近は英語において音読学習がより盛んになってきていますし、間違いなく漢文でも高い学習効果が期待できます。ぜひ、今日から一日5分の音読を習慣にしてみてください。

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