漢文の骨組みを押さえる文構造・句形集中対策法

こんにちは。安田です。

今回は、漢文の骨組み部分である、「文構造」「句形」の学習を通して、漢文学習の基本を固める方法をお伝えします。

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文構造・句形学習の意義

大学入学共通テストはもちろんのこと、難関私立大学や国公立二次試験における漢文は、「なんとなく」で読み解けるものではありません。1文1文を明確に読み取り、正確に意味・内容をキャッチする必要があります。それを成し遂げるための知識・技術として、「文構造の把握」と「句形知識の正確な運用」が鍵になるのです。

漢文を「正しく」読めれば、共通テストで満点が狙える

正しく読めれば、共通テストは満点を狙えます。1000点中のわずか45点ですが、共通テストは5点10点の差で泣くことも珍しくありません。漢文は、正しく読めるようになるだけで5点10点の追加が期待でき、結果として志望校に近づくことができます。しっかり勉強して習得しましょう。

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文構造を把握する

文の基本的な形式は、「主語+述語」です。ここに、「目的語」や「補語」が様々な形で続きます。
英語の文を思い浮かべてもらうとわかりやすいでしょう。

さらに、日本語と同じく、「主語がない」パターンの文もあります。

割鶏焉用牛刀。
にはとりくにいづくんぞぎうたうもちゐんや]

(論語・陽貨)

この文だと、主語がなく、いきなり述語動詞の「く」から始まりますね。そこに「鶏を」と目的語が続いています。

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文構造を掴むために、まず「述語(動詞・形容詞)」を正確にキャッチする

したがって、確実に文構造を掴むためには、まず「述語(動詞・形容詞)」を正確にキャッチすることです。そこから「目的語/補語」に繋げていく読み方が定着すれば、正確な読み取りに近づくことができます。

ポイントは「置き字」と「接続の助字」です。「於・于・乎」などは補語のサイン。「而」や「乃」などは前後の節を接続しますから、「(主語)+述語」のカタマリがあるはず。

問題集で新しい例文を見た時に、読み方を考えながら、自分で英文解釈のようにSVOCのように振ってみるのが効果的な練習になるでしょう。

そうやって、文構造の基礎基本をしっかり身につけていきたいですね。

句形知識の習得と実践演習

まずは頻出の句形を整理して覚えてしまいましょう(使役、受身、否定、疑問・反語、抑揚など)。
覚える際は、闇雲に問題を解くだけでなく、「例文音読」が最適な暗記法です。

たとえば、再読文字の「当」を「まさ二~ベシ」と覚えるだけでなく、

例1

吾 当 王 関 中。
われまさかんちゅうおうたるべし]

(史記・高祖本紀)

という文ごと、何度も声に出していくのが、暗記がしやすくなるコツです。

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例2

相 煎 何 太 急
あひることなんはなはきゅうなる]

(曹植「七歩詩」)

私がよく口ずさんでいる詩の一節です。疑問の「何ゾ」(どうして~か)の例の一つとして、これもこのフレーズの意味ごと覚えてしまうと、とても覚えやすくなります。

常に例文音読をする。2~3回口ずさむだけで構いません。それをやりながら問題演習を繰り返すことで、頭に刻み込まれていきます。

おすすめの学習教材と使い方

いずれも、大学入学共通テストに向けた対策をする上で有用な教材です。

漢文道場基礎編(Z会)

文構造の学習から句形学習まで、合間に挟まれる読解演習も含めて、バランスのよい教材です。この1冊を、例文音読と組み合わせて取り組むことで、大学入学共通テスト対策にも十分になりますし、難関私立大学や国公立大学2次試験に向けての下地も作ることが可能です。

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漢文早覚え速答法(学研)、漢文ヤマのヤマ(学研)

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定番の参考書です。独習に使いやすいですが、これもただ流し読みするだけでは効果が上がりません。ぜひ、音読を取り入れていきましょう。リズムで体に刻み込むことを意識すると、非常に効果的に習得できるでしょう。

ステップアップノート10(河合出版)、古典文法10題ドリル(駿台文庫)


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ドリル形式で文構造、句形を身につけていくように構成されています。これも大切なのは音読です。例文を読み、書き下し文を書く。1問1問、丁寧に意識して取り組むのが大切です。

1冊をやり切って頭に叩き込む

基本的にはどれか1冊やり切るのが効果的です。

ですが、ドリル形式だと少々物足りなさを感じるかもしれません。

『漢文早覚え速答法』で概略を掴んで『ステップアップノート』で基礎から復習がてら漏れをなくす学習方法が手堅いですし、『漢文道場基礎編』を用いて1冊で共通テスト対策までカバーしようとする学習も可能です。

大事なのはしっかりやり切って頭に叩き込むことです。

おわりに

漢文はどうしても勉強が後回しになりがちです。「なんとなく」で模試に臨んでいる人も多いと思います。ですが、「なんとなく」で読み解けるほど甘くはないです。

文構造を正確に把握し、句形知識を活用することで、自信を持って正解を選べる問題も多いのが現実です。皆さんの先輩方でも、共通テストで漢文満点を取ったという人はいると思いますが、そういう人たちは覚えるものをしっかり覚え、効果的に学習してそういった結果を出しているのです。あなたも今から十分に狙うことができます。

この機会にしっかりと身につけて、「なんとなく」読みから脱しましょう。

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