初見史料でも慌てない! 世界史の史料問題に強くなる方法

皆さんこんにちは。

今回は共通テストなどの対策を進める皆さんから質問を受けることもある、「史料問題対策」について紹介します。

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「史料」と「資料」は別物?

「史料」とは、一般的な意味で用いられる「資料」と区別して使いたい言葉です。

「資料」はグラフ・統計表・年表・地図・系図など、学習用・教育用に整理・編集された二次的なものですが、「史料」は特に歴史研究において用いられる一次的な材料を指します。

これは過去の出来事を直接伝える手がかりとなるもので、当時の公文書・法令文・日記・手紙・当時の新聞記事・碑文などさまざまです。

史料問題は世界史でも出題される

こうした史料の読み解きを必要とする問題は、日本史ほどではないとはいえ、世界史でも出題が見られます。

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共通テストでは初見史料の読解も出題される

2025年度の共通テスト世界史(本試験)を確認してみましょう。
以下のような史料が設問で取り上げられています。

世界史での史料問題出題例
  • ムッソリーニが設立した「モード公社」に関する記事
  • 14世紀半ばのカイロについて書かれた年代記
  • アクティウムの海戦に関する記述
  • 『礼記』の注釈書『礼記注疏』
  • イギリス人カニンガムがインドにおける考古学調査の必要性を述べた文章

史料と聞くと、有名な権利の章典や独立宣言、人権宣言などを思い浮かべる人も多いと思いますが、共通テストでは上記のような初見史料を読み解くことも求められます。

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教科書レベルの知識を活用して内容を大掴みする

ただし、与えられる史料の内容は難しくなく、長さもせいぜい半ページといったところなので、身構える必要はありません。

これは私立大学で初見の史料が出題された時も同じですが、高校生にとって初見ということは、少なくとも教科書に書かれていないような知識を求められているわけではないのです。

いかに教科書レベルの知識を活用して史料からヒントをかき集め、内容を大掴みできるかが問われていると考えましょう。

超重要史料・主要作品は事前に目を通しておく必要がある

一方で、前述の権利の章典や独立宣言、人権宣言といった超重要史料に関しては、事前に目を通しておき、仮に文言の一部が空所になっていても対応できるようにしておきたいですね。

また、主に文化史で学習する社会契約説や啓蒙思想などの思想家の主要作品は、原典が引用されていたとしても、思想的なキーワードを拾って特定できるのが理想です。

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具体的な史料対策の勉強プラン

さて、世界史における史料対策の全容が見えてきたでしょうか。
では次に、具体的な史料対策の勉強プランを紹介したいと思います。

世界史の史料対策
  1. 普段の通史学習での心構え
  2. 図説の活用法
  3. 参考書の活用法

の順に解説します。

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普段の通史学習での心構え:歴史を構造的・立体的に理解する

史料に強くなるためには、用語の丸暗記から脱却し、歴史を構造的・立体的に理解しておくことが肝要です。

すなわち用語の概念理解にとどまらず、歴史事象の背景や結果・影響を掴んだ上で、きちんとその単元を「語れる」ようになることです。

そのような「生きた知識」を持っていれば、史料がたとえ初見であっても柔軟に対応できるものです。たとえば毎時間の授業を受けた後に、自分で授業を再現してみると良いでしょう。これを「セルフレクチャー」と呼んでいますが、かなり実力がつきます。

図説の有効活用:図説に掲載された資料を読み込む

図説も有効活用しましょう。

たいていの図説には、有名史料の重要箇所が掲載されています。入試問題として出題される際も、その箇所から出ることが多いですから、事前に読み込んでおきたいですね。

また巻末に有名史料の重要箇所が全時代分まとめて掲載されているものもあるので、あわせて活用することをおすすめします。

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参考書の活用法:『山川世界史史料集』を活用する

世界史の「史料」対策に特化した参考書は少ないのですが、2025年9月に発売された『山川世界史史料集』(山川出版社)はおすすめです。

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教科書や図説に収録されていない史料も豊富に収録されており、全部に目を通すことで大きな自信が得られることでしょう。また本書は史料ごとに問いが設定されているため、史料の読み解きの練習にもうってつけといえます。

いかがだったでしょうか?
世界史の史料対策は、多くの受験生にとって手の回らない分野です。ここを強化することで、世界史の実力を大きくアップさせましょう。

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※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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