漢文を"背景知識"で攻略!? 漢文世界の知識を習得・活用する方法

こんにちは。安田です。

今回は、現代文や英語でもよく語られる「背景知識」について、その必要性や身につけ方をお伝えします。

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漢文における背景知識=「漢文世界」の知識

漢文で描かれる世界の人物、時代、思想など、皆さんが学習している「漢文世界」の知識のことです。

諸子百家、唐宋期の有名な詩人といった教科書で学ぶような知識から、『三国志』や『キングダム』といった我々の日常に根付いている作品など、多岐にわたります。

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漢文の世界観が分かると頭の中でイメージが描きやすくなる

漢文の学習をしていて苦しいのは、「話のイメージが沸かない」「何を言いたいのか分からない」というところが大きいでしょう。世界観が分かると、頭の中でイメージが描きやすくなり、読み進められるようになります。

また、大学入試、特に大学入学共通テストにおいては、国語は時間との勝負になりやすく、いかに漢文を効率よく捌くか、という点が大切になりますが、高校生が無理なく得られる背景知識を多く持っていることで、選択肢の吟味にかける時間を短縮できる可能性があります。

文章の解像度を上げるためにも背景知識は有効

入試では、本文をしっかり読み、余計な先入観を入れずに、本文内容に沿って考えて問題を解く必要がありますが、背景知識を持っていると、文章の解像度を上げることが可能です。

唐末期の世情であったり、老荘思想であったり、そういった知識がうまく本文と噛み合うと、より正確に近いイメージを頭の中でスムーズに描くことができ、正答により早くたどり着くことができるようになります。
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マンガ、ゲーム……身近な漢文世界

高校生にも身近なものとして、大人気マンガ『キングダム』、ビジネスマンに大人気の『孫子』、ソーシャルゲームなどでも多数キャラクター化されている『三国志』、皆さんの道徳観を形作っている『論語』など、実に様々な作品から漢文世界に触れることができます。

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マンガやゲームは世界観をビジュアルで得ることができ、昔の中国のイメージを描く際に、非常に役立ちます。
こういった身近な作品に触れていると、いざ漢文を読んだ時に、「あ、知ってる!」と感じられ、問題に取り組みやすくなり、緊張する試験本番でも肩の力を抜いて挑むことができるようになるでしょう。

漢文学習の中で取り組むべき「背景知識の増やし方」

身近な作品に触れる、というのは世界観の理解・構築に一役買いますが、興味関心を持てるかどうか、またそれだけの時間が取れるかどうかという課題はあります。

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学校の授業や定期考査に向けての勉強を通じて背景知識を増やす方法

そこで、学校の授業や定期考査に向けての勉強を通じて、ほんのちょっとの工夫を挟むことで背景知識を増やしていける方法を紹介します。

背景知識の増やし方
  • 授業で触れた作品や人物について、ワンポイントメモを残しておく
    【例】老子──無為自然(人為的な働きかけをせず、ありのままであること)
  • 自分の持っている知識や他教科から得た知識と関連付けてメモしておく
    【例】
    ・白居易の長恨歌……玄宗と楊貴妃・安史の乱 ※世界史知識
    ・『源氏物語』「桐壺」のベースとなっている ※古文知識
  • これらのメモを写真に残しておいて、すきま時間にスマホでさっと確認する

普段の授業時、ほんのわずかな時間で+αをメモし、スマホを活用して通学時間や休み時間のほんの数分で繰り返し触れる。これだけでも背景知識を増やすことができます。

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入試問題における背景知識の活用例

2014年のセンター試験、陸樹声の『陸文定公集』からの出題でしたが、この最後の設問(問7)においては、ほんの1~2分ではありますが、背景知識の有無で選択肢を吟味する時間を短縮できます。

本文で述べてきた内容のまとめを選べばいい問題だったのですが、傍線部中で言及されている『荘子』の考え方(無用の用)の知識があれば、そもそも『荘子』の思想としてありえない選択肢は読んだ瞬間に切ることができます。

それを知っているだけで瞬間的に2択に絞れる好例でした。

1分単位の短縮が全体得点の底上げに繋がる

『荘子』の思想、いわゆる老荘思想については、漢文の授業を受けていればどこかでは触れることがあるでしょう。世界史探究を選択している人であれば、文化史としては必須知識です。

知っていれば2分ほどは短縮できる。それによって現代文や古文にかける時間が増やせる。国語は「あと5分あれば……!」と感じることが多い科目ですから、こういった1分単位の短縮が全体得点の底上げに繋がるのです。

授業中の先生の話を少しメモしておいたり、便覧をちらっと眺めたりするだけで「正しく読む」ための手助けをしてくれる知識を得ることができます。

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日常の娯楽や他教科の学習から得られるものすべてが背景知識として活用できる

背景知識は、それ単独で勉強して覚えるというものではありません。

普段の学校での授業、教科書や便覧から得られる知識はもちろんのこと、日常の娯楽や他教科の学習から得られるものすべてが背景知識として活用できるのです。

ほんの少しそういう意識を持つだけで、漢文の力は着実に伸びていきます。
ぜひ今日から実践してみてください。

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