模試を受けたり、過去問演習を本格的に始めると、「記述」が書けない…。
「記述対策」はどうすればいいの?という声が多く挙がります。
今日はそんな悩みにこたえるべく、英語の「記述対策」についてお話ししていこうと思います。
目次
記述問題を書くときの手順
記述問題をうまく解けない人の多くは、「解く際に何から手をつけたらいいのかわからない」と考えがちです。
当然のことながら、記述問題には選択肢がありません。
だから何をしていいのかわからなくなってしまうのでしょう。
以下では、記述解答をしていく上での具体的な行動手順を示していきます。
まずは設問をきちんと把握する
まず、設問が何を問うているののかを把握します。
当たり前のように感じるかもしれませんが、問われていることに答えられていない答案は多いもの。
こういったズレをなくすには、5W1Hの観点から設問を分類することが大切です。
下線部を含む1文の内容を捉える
次に、下線部を含む1文の内容を捉えます。
つまらないミスを減らすためにも、一手間を惜しまず、丁寧に処理する癖をつけましょう。
実際に記述解答を作成する
記述問題には多くの型の問題がありますが、ここではWhat型の典型的な答え方について見ていきたいと思います。
ちなみに、「典型的な」設問と解答のタイプは、
Why型「…なのはなぜか」→「…だから。」
です。
What型の設問——例題と解説
What型の設問は、
② 指示語・冠詞などに注目し、参照箇所の特定をする。
③ 解答の仕方に注意しながら作答する。
というのが一般的な解き方になります。次の英文を見てみましょう。
In this theory, he claims that the establishment of rules of right conduct on a scientific basis is a pressing need.
(この理論の中で、彼は科学的な基礎に基づいた正しい行動の規則を打ち立てることがさしせまって必要とされていると主張している)
問 下線部とはどのような理論か。具体的に説明しなさい。
まず下線部の内容を把握したのち、thisの指示対象をこの下線部より前から探し、「○が△だという理論」と考え、○と△に当てはまるものを考えます。
問いのタイプによって特定の仕方は変わってきますが、まずは解答する際の基本的な頭の使い方を確認しておきましょう。
ここで注意しなければならないのは、具体的に説明せよという言葉です。
→(×)具体例を挙げて説明せよ
→(○)わかりやすく説明せよ
「具体的に説明せよ」とは具体例を挙げて説明しろということではありません。
記述力向上のために普段から気をつけること
以上の内容で、記述問題に対する解答の手順はイメージしてもらえたと思います。
ここからは、これらの解答の手順を正確にこなすために普段から気をつけたいポイントをご紹介します。
② 普段から精読の姿勢を忘れない
③ 日本語の文構造を意識する
④ 何も書けないときは、5W1Hを考えてみる
⑤ なるべく直接的なものを書く / 核を捉える感覚を持つ
指示語を把握する
普段から指示語の把握に気を配っていないと、いざ下線部の内容をとろうとしても指示語が取れず、下線部の内容を間違えたり、指示対象を間違えたりするので解答がブレてしまいます。
普段から精読の姿勢を忘れない
下線部の意味をとろうとしたときに、英文の構造がわからないと内容がうまく取れません。
これでは記述解答が思うように書けません。
日本語の文構造を意識する
意外に多いのが日本語の文構造が不自然な答案です。
何も書けないときは、5W1Hを考えてみる
問題の条件から不要な部分を取り除くと、何について書かなければいけないのかが少しずつ明確になってきます。
なるべく直接的なものを書く
そのためには文章や段落の核を意識することが重要です。
おわりに
今回は記述対策についてお話してきました。
最後に自分で記述対策を進めていく場合の参考書を紹介して終わりたいと思います。
自分で記述対策をする場合は、『英文読解の着眼点―言い換えと対比で解く』がオススメです。
また短文→長文へとステップアップが踏めるので、記述が苦手な人にもオススメです。
自分の言葉で記述する練習をするのにはもってこいの参考書です。
首都圏の塾・予備校で英語科講師として活躍。大学院時代の専門は19世紀イギリスの倫理学。好きな思想家はJ.Sミル。読解の精密さを追求する授業は上位生を中心に熱い支持を受けている。