大学入試英語の「速読」を身につけるために取り組むべき学習【速読と精読】

大学入試に向けた英語学習では、単語と文法の学習が終わると本格的に「読解」に取り組むことになります。

模試を受けて、「時間が足りない……」と思っている人はいませんか?
また、「スピードを上げて読むと内容把握ができない……」と思っていませんか?

速く読むと内容理解が疎かになり、ゆっくり読むと時間が足りない。
今回は、そんな人に向けて「英文をどう読んでいくか」お話ししていこうと思います。

英語の「速読」で目指すスピードは「250wpm」


英文を速く読むという場合、一般的にどのくらいを目指すことになっているか知っていますか?

いわゆる速読メソッドでは、「250wpm(words per minute:1分あたりに読める単語数)」です。

次の英文が約250 wordsです。

         Vending machines are so common in Japan that you can find one almost anywhere you go. Some of these machines sell train or meal tickets, and others sell snacks or drinks. They are especially useful for people who want to get something quickly and conveniently.
While vending machines are found throughout the country today, they were not originally developed in Japan. It is generally believed that the first one was constructed by a Greek mathematics teacher about 2,200 years ago. This machine sold special water used in prayers at temples. People who wanted to purchase the water put in a coin, which hit a metal lever attached to a string. Then, the weight of the coin let a specific amount of water pour out until the coin fell off. This ensured that people received an equal portion of the special water.
About 1,000 years ago, a vending machine that sold pencils was developed in China. Later, in the 1700s, coin-operated Tabaco boxes appeared in English bars. When people wanted the product sold by one of these boxes, they inserted a coin and turned a lever. The product then dropped down for the customer to pick up. However, it was not until the 1880s that vending machines spread around the world. In 1883, an English inventor created one that sold postcards and paper. This became popular, and soon vending machines selling paper, tramps, and other goods appeared in many countries. In 1904, vending machines came into service in Japan.
(248 words)

2020年度 大学入試センター試験 本試験 第6問

「これを1分で読むというのは、すごく速い……」と感じた人もいるかもしれませんね。

大学入試英語の「速読」で目指すべきスピードは「120wpm」

大学入試で実際に必要なのは、最高でも120wpmだと言われています。
先ほどの文章では、

         Vending machines are so common in Japan that you can find one almost anywhere you go. Some of these machines sell train or meal tickets, and others sell snacks or drinks. They are especially useful for people who want to get something quickly and conveniently.
While vending machines are found throughout the country today, they were not originally developed in Japan. It is generally believed that the first one was constructed by a Greek mathematics teacher about 2,200 years ago. This machine sold special water used in prayers at temples. People who wanted to purchase the water put in a coin, which hit a metal lever attached to a string. Then, the weight of the coin let a specific amount ……

2020年度 大学入試センター試験 本試験 第6問(抜粋)

までです。

実際に1分測って読んでみてください。

意外と分量はそこまで多くないと感じるのでは無いでしょうか?
しかも、これは「最高値」なので、徐々にこのペースに近づくことを目指せば良いのです。


(例)早稲田大学の2022年度入試で求められた速度

早稲田大学を例にとってみましょう。2022年の入試は、

  • 文化構想学部:約2112 語
  • 法学部:約1959 語

という単語数でした(両学部とも解答時間は90分)。
60分を「読む」にかけると仮定すると、

  • 文化構想学部:2112 ÷ 60 = 35.2 wpm
  • 法学部:1969 ÷ 60 = 32.8 wpm

となります。

実際は、マークしたり、解答を記述したりする時間もあるので、もう少し速くなる必要はありますが、250wpmは必要なさそうですし、120wpmもかなり速く読んでいることがわかります。

英語を「速読」することができるようになるためには「精読」が重要


先ほどの英文を読んでいて「意外とスムーズにいかない……」と思った箇所はありませんか?

たとえば、

という1文目、

      1. ① so … …that 〜構文
      →「とても……なので〜」
      ② 関係副詞の省略

といった文構造は取れていますか?

また、

であることや

ということは取れていますか?

「文構造が取れていない」から速く読めない

こうしたことの把握に時間がかかるという場合、「文構造の把握に時間がかかっているから遅い」可能性があります。

この場合いくら文章を速く読もうとしても、なかなか効果が上がりません。
それは「速読」ではなくただ大雑把に英文を読んでいるだけに過ぎません。

「精読」は、英文を速く読むために必要な「文構造の把握」をするために必要なものなのです。

「精読」を鍛えることのメリット

精読を鍛えると、どのようないいことがあるのでしょうか。

文構造の把握にかかる時間が減ることで、読解が速くなることが1つです。
また、文章構造(英文の論理展開)の把握ができるようになることにもつながってきます。

文構造が把握できないと、文章構造(論理展開:対比/言い換え/因果関係)などに気づけなくなってしまいかねません。

したがって、1文の構造が取れるようになることは、英文読解力そのものの向上に欠かせないものなのです。

「精読」を鍛えるためにおすすめの参考書

これから精読を鍛えるという場合、読解系の参考書で文構造の解説がついているものを使用すると良いでしょう。

『得点力を高める 標準問題 特訓リーディング』(旺文社)がオススメです。

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また、じっくり腰を据えて英文の精読に取り組みたいという人は、「英語の『文の意味』を正確に把握するための英文精読/構文学習【SVOC】」の記事を参考にしてみてください。

惰性でゆっくり読まないよう、「精読」→「速読」に移行する

惰性でゆっくり読む癖がついてしまい、英文を読むスピードが上がってこないという場合もあります。

「精読」から「速読」への移行におすすめの問題集

この癖を直すのに最適な参考書が、『大学入試 英語長文プラス 速読トレーニング問題集』です。

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この参考書は、「普段から文構造は意識しているものの、読むスピードが上がらない」という人におすすめの1冊です。

読むスピードを上げるために「具体的に」何が必要なのかが解説されています。
また、構文的につまずきやすい箇所については、文構造が詳細に解説されているので、文構造の学習もしやすくなっています。

読むスピードを上げるためにおすすめのトレーニング方法

また、読むスピードを上げるには次のトレーニングの仕方も有効です。

読むスピードを上げるトレーニング
まず、長い定規を用意してください。
その定規を英文の行にあてて、自分が理解できるギリギリのスピードよりほんの少し速く動かすようにして英文を読んでみてください。

 

これは、同じ行を何回も読むことを避けることもできますし、自分の読解スピードも少しずつ上がっていきます。

おわりに


「速読」と「精読」は互いに支え合っています。

「速読(速く読む)」と「精読(じっくり読む)」は対比関係ではなく、「時間内に正確に読む」ためには両方必要なのです。

徹底的に構文解析と多読を両立することで、英語力は格段に向上していきます。

1文1文の文構造や表現を気にしながら読み進める。
このプロセスが徐々に速くなっていき、やがて無意識のうちに、どんどん読めるようになっていきます。

「精読」「速読」を共存させることで、英語力は飛躍的に向上します。
「速読」とは、このような正しい学習の成果として、身につくものなのです。

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