【年号暗記は誤り?】日本史学習で西暦年を覚えるときのポイント

今回は西暦年の暗記法についてお話していこうと思います。
西暦年が覚えられなくて辛い思いをしている受験生も多いのではないでしょうか。
そこで、西暦年暗記について以下の3点について解説をします。

①【前提】「年号暗記」と言ってはいけない理由
②「西暦年暗記」より大切なこと
③西暦年はどこまで覚えれば良いか?方法も含めパターン別に解説

今回の話を理解することで、入試に対峙するためのより実践的な整理の方法がわかるかと思います。
ぜひご自身の通史学習に生かしてくださいね。

【前提】「年号暗記」と言ってはいけない理由

本題に入る前に少し前提のお話をしたいと思います。

僕は冒頭から「年号暗記」という言葉を用いず、「西暦年暗記」という言葉を用いてきました。
「年号暗記」という言葉は多くの方が誤用しています。

おそらく「年号暗記」というと、1192年のような西暦年を指しているのではないでしょうか。
これは受験生だけでなく、指導者の方も含め、この両者を使い分けていないように感じます。

 

日本史を学習するにあたり、年号と西暦年は使い分ける必要があります。以下にまとめましょう。

年号
「元号」ともいいます。日本では西暦645年の「大化」から始まり、現在は「令和」ですね。
西暦年
イエス=キリストが生まれたとされる年を元年とした表記。現在は「2020年」ですね。

 

さて、「そんな細かい区別なんてしてないで、早く暗記法を教えてよ〜!」という声が聞こえてきそうですが、これらを区別していないと例えば、

以下の空欄に当てはまる年号を答えよ。

 

という問題で、誤って西暦年を書いてしまう可能性があります(実際にそのような誤答を何度も見ています)。

なお、「年代」も一般的には「西暦年」と同義で使用されていますが、「1900年代」という時期を表す使い方もできるので、「西暦年暗記」という言葉がより正確ではないかと思いますので、ここでは「西暦年暗記」で表記を統一したいと思います。

 

「西暦年暗記」より大切なこと


さて、「年号」「年代」「西暦年」の区別をしていただいたところで本題に入ります。

日本史受験生の悩みの種である西暦年暗記ですが、そもそもなぜ西暦年を暗記する必要があるのでしょうか。

一部大学を除き、直接西暦年を問う問題はそれほど多く出題されません。
おそらく、並べ替え問題や時期を問う正誤判定問題に対応できるようにしたいから、西暦年を暗記したいと思うのではないでしょうか。

 

しかし、これらの問題に対応したいのであれば、西暦年暗記をする前にやるべきことがあります。

それは

①時代区分や世紀を明確にし、イメージを持っておくこと。
②権力者(天皇・将軍・内閣など)ごとに歴史用語や歴史事項を整理する

 

ことです。

多くの受験生を見てきて、歴史用語や歴史事項などがいつの出来事か整理できていない受験生が多いように感じます。
実際の入試問題を見ればわかりますが、西暦年を暗記するよりも、これら①②を使って整理して覚えた方が、圧倒的に正答率が上がります。

 

整理の仕方を意識した学習

もし、これらを整理せずに通史学習をしていた場合は、復習の際に上記の2点を意識した学習をするようにしてください。
具体的な方法は以下の通りです。

 

①時代区分や世紀を明確にし、イメージを持つ

 

年表(日本史の図説などに掲載されています)を見ながら、教科書を読んでみると良いでしょう。その際に、自分なりにどういう時代か?どういう世紀なのか?を説明できると良いと思います。

 

②権力者ごとに出来事を整理する

①が終わったら、次は権力者ごとに歴史用語や歴史事項を整理していきましょう。この際も年表が役に立つと思います。

この①②を日本史学習のインプットに取り入れることで、日本史の得点率が飛躍的に向上するはずです。

 

日本史の学習で西暦年はどこまで覚えるか——パターン別に学習方法を解説


さて、西暦年暗記よりもまずは「いつの出来事か」具体的に言える必要があるというお話をしました。
では、西暦年暗記は全く必要ないでしょうか。

答えはノーです。

 

時代のターニングポイントになる西暦年は暗記する

まず、どの大学を受験するにしても、時代のターニングポイントになるような重要事項の西暦年は暗記しておくべきです。

 

具体的には、例えば多くの受験生が使用している山川出版社の『詳説日本史』にはそれぞれの部の冒頭に簡易年表があり、時代のターニングポイントになるような重要事項が太字で表記されています。
これらの西暦年は覚えておくべきでしょう。

全て覚えても60個もありません。
覚える量もそれほど多くないですから、普段のインプットの学習の際に、ターニングポイントの歴史事項が出てきたら、その都度覚えるのが、一番効率が良いと思います。

 

西暦年を覚えていないと正解できない問題が出題される場合

一方、一部難関私大では、確かに西暦年を覚えていないと取れない問題を出す大学もあります。

しかし、これら大学を受験する場合も、まずは②「西暦年暗記より大事なこと」で言及した勉強を進めてください。これでかなりの問題が取れるはずです。
それでも、取れない問題に遭遇したら、過去問で出題されたものから順に西暦年暗記をしてみましょう。

 

どうしても西暦年暗記ができない場合

なお、どうしても西暦年暗記ができないという場合は、「掛け算九九」方式で覚えることをおすすめします。

 

掛け算九九は非常に効率の良い暗記法です。目で見て、声に出し、耳で聞くことで多くの感覚を使って覚えることができるからです。これを西暦年暗記に応用してみましょう。以下のポイントに気をつけてやってみてください。

①1週間毎日50個同じ西暦年を覚える
②15分間「日清戦争 1894年 日清戦争 1894年」「日露戦争 1904年 日露戦争 1904年」といった形で声に出して音読する
③5日目でテストをしてみて、言えなかったものだけピックアップして残り2日で覚える

 

ただ音読するだけですから、勉強の息抜き代わりにも使えると思います。

 

最後に

大学受験日本史は西暦年を覚えることが重要視されがちですが、それ以上に時代のイメージや権力者ごとに歴史事項を整理することが重要です。

 

普段の学習に今回お話した視点を取り入れて、周りの受験生に差をつけていきましょう。

新型コロナウイルスの感染者も再び増加しています。
健康に気をつけて勉強を進めてくださいね。

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