
皆さんこんにちは。
突然ですが、世界史の入試問題には実にさまざまな出題形式がありますよね。
パッと思い浮かぶだけでも、空所補充・正誤問題・年代整序・地図問題・論述問題などバリーション豊かです。もちろん出題形式が多様であっても、本質的な世界史学力が身についていれば問題なく攻略できるわけですが、とはいっても形式ごとに効果的な勉強のコツというものがあるのも事実です。
そこで今回は、多くの受験生が解かなければならず、それでいて苦手としやすい正誤問題に焦点を当ててみたいと思います。
目次
単発の知識や浅い理解では対応できない
そもそも正誤問題はなぜ難しいと感じるのでしょうか?
それは各単元を一問一答的な単発の知識の集合としてしか習得できていなかったり、単元について浅い理解しかしていない受験生が振るい落とされる出題形式だからです。
基本用語の周辺知識が必要
ひとつ例題を見てみましょう。2025年の早稲田大学商学部入試で出題された問題です。
フスについて正しい記述はどれか。
- イギリスのウィクリフの思想を厳しく批判した。
- ドイツ人聖職者と協調的な立場をとった。
- 大学などのアカデミズムに拠らず, 民間の聖職者の立場を貫いた。
- 聖書のチェコ語訳を行ったことなどにより, 後年チェコ民族運動において高く評価された。
いかがでしょうか。正解は4です。
基本的な用語に関して、どれだけの周辺情報を知っているか
この例題を解く際、一般的な受験生の立場に立つと以下のような判断になるでしょう。
- イギリスのウィクリフの思想を厳しく批判した。
ウィクリフやフスは宗教改革先駆者としてまとめて紹介されることが多く、これは×と判断できそう - ドイツ人聖職者と協調的な立場をとった。
よくわからない - 大学などのアカデミズムに拠らず, 民間の聖職者の立場を貫いた。
フスといえばプラハ大学の学長を務めたことで有名! - 聖書のチェコ語訳を行ったことなどにより, 後年チェコ民族運動において高く評価された。
ウィクリフと同じく聖書主義に立ち、チェコ語訳をしたのは知ってる。後年の評価についても高かったような……。
この問題では「フス」という基本的な用語に関して、どれだけの周辺情報を知っているかが問われていますね。「ドイツ人聖職者と協調的な立場をとった」かどうかなどは、なかなか判断が難しかったのではないでしょうか。
ある一方向からしか用語を解説できないレベルだと、少し角度を変えた焦点の当て方をされると途端に分からなくなってしまいます。
正誤問題に強くなりたかったら、「用語の解像度を上げる」
正誤問題に強くなりたかったら、「用語の解像度を上げる」ことを意識しましょう。
実際、例題の選択肢2「ドイツ人聖職者と協調的な立場をとった。」に関しては、用語集の「フス」の項目にある「ドイツ人司教の追放」という記述が判断(×)の根拠になります。
用語集を読み込んで、「用語について語れる受験生」に進化する
用語集の説明文に書かれていることを覚えていくと、やがて「用語について語れる受験生」に進化することができます。
この状態こそ、正誤問題や、もっというと論述問題にめっぽう強い状態なのです。
このような学習姿勢を継続することで、用語と用語の関連性が網の目のように繋がっていき、より安定感のある世界史理解が得られることでしょう。
用語の解像度を上げるためにオススメの参考書
「用語集の説明文を覚えていくなんて自分にはとても出来そうにない」という声も聞こえてきそうです。そんなあなたにオススメな参考書がありますので、最後に紹介します。
『世界史単語の10 秒暗記 ENGRAM2250』(Gakken)です。
用語集の文章を暗記するのはキツいと感じる人は活用してみることをオススメします。










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