
こんにちは、羽場です。
今回は、2026年1月17日に行われた大学入学共通テスト(本試験・第2問)の分析を通して、高1・高2生がどのようなことを意識して現代文を学習していくべきなのか考えていきたいと思います。
なお、90分で問題を解き、答え合わせをした上で読むことをおすすめします。
問題はこちらからダウンロードできるので、ぜひ実際に取り組んでみてください。
目次
第2問 遠藤周作「影に対して」
第2問は遠藤周作「影に対して」からの出題でした。本作は完成しながらも未発表のまま手元に残されていた(2020年に発見された)小説として注目を集めた作品でもあります。
なお、遠藤周作は2005年度センター試験(本試験)国語Ⅰ・Ⅱで「肉親再会」が出題されています。
共通テスト国語(第2問)の出典一覧
これまでの第2問の出典を挙げておきます。
| 年度 | 本・追 | 出典(初版発行年) |
| 2026 | 本試験 | 遠藤周作「影に対して」(2020年) |
| 2025 | 本試験 | 蜂飼耳「繭の遊戯」(2005年) |
| 追試験 | 野々井透「棕櫚を燃やす」(2023年) | |
| 2024 | 本試験 | 牧田真有子「桟橋」(2017年) |
| 追試験 | 野呂邦暢「鳥たちの河口」(1973年) | |
| 2023 | 本試験 | 梅崎春生「飢えの季節」(1948年) |
| 追試験 | 太宰治「パンドラの匣」(1946年) | |
| 2022 | 本試験 | 黒井千次「庭の男」(1991年) |
| 追試験 | 室生犀星「陶古の女人」(1956年) | |
| 2021 | 第一日程 | 加能作次郎「羽織と時計」(1918年) |
| 第二日程 | 津村記久子「サキの忘れ物」(2020年) |
今回は問6で同作品の別箇所から引用された2つの引用文(計・約500字)を含むノートの問題が出題されています。
第1問の全体外観
字数は約3,700字であり、問6の引用部を含めた全体では昨年度よりも100字程度減少しています。
リード文において示されている現在の「勝呂」の設定(小説家を志望しながらも翻訳で生計を立てている)、母への追憶が現在の自分の生き方を見つめ直す契機となっている点をきちんと押さえておくことも読解の上で鍵を握ります。
第2問の設問形式
2026年度共通テスト本試験(第2問)の設問は以下の通りでした。
| 設問 | 内容 | 形式 | 配点 | |
| 問1 | 心情説明問題 | 4択 | 6点 | |
| 問2 | 心情説明問題 | 4択 | 6点 | |
| 問3 | 心情説明問題 | 4択 | 6点 | |
| 問4 | 心情説明問題 | 4択 | 6点 | |
| 問5 | 表現説明問題 | 4択 | 7点 | |
| 問6 | (ⅰ)内容理解問題(対話文形) | 4択 | 7点 | |
| (ⅱ)【複数テクスト】内容理解問題(対話文形) | 4択 | 7点 | ||
昨年に続いて語句の意味を問う問題は出題されず、選択肢は4択。一方で、昨年度は出題されなかった複数テクストを用いた問題が問6で復活しています。
今回のように、複数テクスト(資料)が出題された場合、大きく分けて次の3つのパターンを意識し、瞬時に判別して解答したいところです。
- 文章(本文)のみで解答する問題
- 資料のみで解答する問題
- 文章(本文)+資料を横断して解答する問題
今回の問題では、(ⅰ)が資料のみで解答する問題、(ⅱ)が文章(本文)+資料を横断して解答する問題です。
第2問で注目したい設問――問3・問4
2026年度共通テスト(第2問)で注目しておきたい問題をピックアップして簡単に解説します。
全体的に言えば、心情説明が中心であり、選択肢は明快なものが多かったことから、正解を選ぶこと自体は容易にできたという人もいるとは思います。しかしながら、やはり重要なのは「この問題を通して何を学ぶ(確認する)か」です。正解できていたという人も、ポイントを確認していきましょう。
問3:表現に注目する
まずは問3です。
小説に限らず、文章には書き手の意図が反映されているという意識を持ってください。「筆者は『あえて』その言葉を選択した」という意識で、特徴的な表現に注目することが重要です。
ここから、母がある程度の時間をかけて変化していった様子を読み取ることで解答に辿り着くことが可能です。
評論文であれ、小説であれ、詩や短歌などの韻文であれ、時間制約のある大学入試では特に、受験生は文章を「表面的に」読んでしまいがちです。また、「本文に印をつける」作業にばかり意識を向けてしまう受験生も少なくありません。
「気になった表現には注目する」という意識を普段から持っておくことをお勧めします。
問4:傍線部理解と時間軸の把握
小説においても、傍線部を含む一文の分析は欠かせません。傍線部を含む一文の分析を通して「何を考えなければならないのか」をしっかりと掴む意識を持ちましょう。
の中でも触れましたが、第2問においても「解答のイメージを掴んでから選択肢吟味をする」ことが重要です。
第2問対策で意識しておくべきポイント
小説をはじめとした文学的文章には共通テスト対策以外で触れる機会がほとんどないという受験生も少なくありません。
加えて、今後も「表現の特徴・叙述の効果」に関する設問は出題されることが予想されます。この対策も抜かりなく行っていきましょう。
- リード文に示されている情報は全て確認する
リード文の情報は全て「必要だから書かれている」と考える - 時間軸をはじめとして、場面の展開をきちんと押さえる
- 文章には書き手の意図が反映されているという意識を持ち、気になった表現には注目する
- 小説でも解答のイメージを掴んだ上で正解を選びにいく
- 表現の特徴・叙述の効果に関する設問の対策を怠らない
これらのポイントを踏まえて、基本的な文章読解の手法を学び、問題演習を重ねていくことをお勧めします。













