2026年度共通テスト国語(古文)から見る、高1・高2生の学習指針

こんにちは、古文科担当の加藤です。
今回は2026年度共通テスト古文の分析を通じて、今後どのような分野や項目に力を入れて学習すれば、得点向上につながるかをお伝えします。

共通テストの得点率は受験における実力の目安にもなりますので、是非参考にしてみてください。問題を手元に置いて読んでいただけるとよりイメージもしやすいと思います。

2026年度共通テスト古文の全体概観と読解のポイント

今年度の出典は平安時代中期の作り物語である『うつほ物語』で、文字数や総マーク数などには大きな変化が見られませんでした。

2026年度共通テスト古文について、出典や設問形式などの変化を、2026年度との比較を通じて概観してみましょう。

2026年度2025年度
出典『うつほ物語』
※問5で同じ出展の別場面を引用
文章Ⅰ『在明の別
文章Ⅱ『源氏物語』若菜下
文字数引用文などを含めて合計字数に大きな変化はなし
問・総マーク数問数 5
総マーク数 7
問数 3
総マーク数 7
選択肢数問1~3 4択
問4・5 5択
4択(問2のみ5択)

2026年度は比較的有名な作品からの出題ではあるものの、簡単にすらすらと全ての現代語訳が出来るようなものではないと思います。

しっかりと主語を把握し読み進めるスキルと、古文単語や古典文法などの正確な知識が求められました。特に敬語法を正しく理解していないと対応が難しかったのではないでしょうか。

人物関係処理に時間を取られかねない

古文読解の演習量が不足していた場合、今回の人物関係処理はてこずったかもしれません。
人物系図が提示されてはいましたが、登場人物の別称確認などの作業を日常から意識していないと時間を取られかねない文章です。

和歌に関する出題は今回ありませんでしたが、問4・5は5択であることや選択肢の文が長くなっていることなどから、全体としてやや難化したと言えるでしょう。

設問の分析から見る対策しておくべき学習項目

設問ごとの分析を行いつつ、今後身につけておくべき分野を紹介します。

2025年度から新課程となった共通テスト古文に関する全般的な内容については以前の記事でお伝えしましたので、そちらも参考にしてみてください。

単語力の底上げと文法理解の徹底する

単語と文法は学習時間に比例して得点アップが見込めます。隙間時間を使っての学習も行いやすいので、積極的に取り組んでほしいです。

以前の記事で古文単語と古典文法の学習法について紹介していますので、参考にしてみてください。

問1 語句解釈問題

比較的短い語句の解釈が要求される問題で、例年出題されています。
この問題で確実に得点するためには重要古文単語の理解、しっかりとした古典文法知識が必要です。

今回は単語力と呼応の副詞の理解、係り結びの結びの省略、撥音便無表記、接続助詞「ば」、助動詞の正確な意味理解など、古典文法の知識が十分に備わっていれば対応可能だったと思います。

この問題では前後の文脈と照合する必要もあるので、単語の意味だけで答えを決める前に再度文意が通るかどうかの確認をしてください。

問2 語句と内容に関する説明問題

昨年は形式が異なりましたが、こちらも定番となっている問題です。
今回は古典文法、特に助動詞と敬語の知識が身についていれば得点できたかと思います。

今回選択肢①は「なり」は「聞こゆ」の連体形である「聞こゆる」に接続しているので断定の助動詞。伝聞ではありません。②の「む」の意味は意志で正しく、③の「はべら」はラ行変格活用動詞「はべり(侍り)」の未然形で謙譲語ではなく丁寧語、④は「聞こし召せ」は「聞こし召す」の命令形で尊敬の意味であり、敬意の方向が誤りであることから②が正解となります。

敬語の知識は本文を読解するためにも必須項目となるので、確実に習得することが求められます。
簡単に学習のポイントを示しておきますので参考にしてみてください。

敬語の学習ポイント
  1. 文中に敬語動詞が存在するかどうかをまずは見抜く
    (単語の暗記)
  2. その単語が尊敬・謙譲・丁寧のどの用法で用いられているのかを判別
    (尊敬と謙譲など複数の用法を持つ動詞あり)
  3. その敬語動詞が本動詞か補助動詞かを判別し、現代語訳に反映
  4. その敬語が誰から誰への敬意を表しているのか
    (敬意の方向)

内容一致問題対応のための精読と情報処理の練習をする

内容一致の問題を正解するためには、本文の正しい解釈と主語や動作の対象などの把握が求められます。また限られた時間内で現代語訳を行いながら、正確に情報処理を行うことが重要です。

こうした問題で点数を取りこぼしてしまう原因としては

  • 本文そのものの誤読(主語・文意の取り違えなど)
  • 解答根拠が見つからない、または時間の不足によるミス

などが挙げられると思います。

選択肢吟味の練習を徹底して行う

これらをなくしていくためには、練習時に「本文のどこと照合すれば正誤が分かるのか見極めるスピードの向上」が重要です。そのためにも、「選択肢のどの箇所が誤答である根拠かを明らかにすること」を意識しましょう。

正解である選択肢をすぐに選ぶことが難しい問題も確かに存在しますので、普段から消去法を併用して解答精度を上げることをお勧めします。

誤答の根拠だと自分が考えた部分にマークや記号を付けるなどしてから解説と読み、誤答とした根拠が一致するような練習を積むと得点が上がっていきます。

是非過去問や実戦問題集などで取り組んでみてください。

複数テクスト読解問題への対応

2025年度は二つの異なる本文を読解する形式でしたが、2026年度は本文の同作品別箇所が設問中に引用される形で出題されました。

複数の文章を比較検討して解く問題は、共通テストで特徴的なものであると言えるでしょう。
これまでは教師と生徒など複数の人物による会話中の空欄補充や、本文に関する解説文を用いての設問などが見られましたが、今回は比較的シンプルな内容一致問題でした。

内容の比較検討をする際にチェックを入れる

異なった文章が提示される形式では、相違点の把握がポイントとなるケースがあります。
そこで、内容の比較検討をする際にチェックを入れると効果的です。

今回の問5でも、正確な情報処理が求められました。
具体的には

人物の行動や出来事の因果関係の把握、動作の主体・対象の確認、本文記述内容と選択肢内容との照合作業

などが挙げられます。

こうした読解の正確さとスピードを鍛えるためには、単語や文法理解の徹底と共に、文章読解トレーニングをしっかり積むことが必要です。センター試験時代の過去問なども良質な演習教材になるので、取り組んでみてください。

2026年度共通テスト受験生が意識しておきたいポイントまとめ

2026年度共通テスト古文の分析から、今後どのような学習を行うべきかをまとめて示すと以下のようになります。

改めてポイントをまとめておきます。

共通テスト対策のポイント
  • 古文単語と古典文法の理解
  • 精読のための読解テクニックの獲得
    (敬語法の利用などによる正確な主語判定、省略内容補充など)
  • 十分な演習量の確保
    (出題形式に慣れ、本文と選択肢の情報処理能力を向上させるため)

分量としては決して少なくはないですが、共通テストで高得点を取るためにおろそかには出来ない項目です。この中では単語と文法は比較的早く実力アップが感じられるため、まずはそこから取り組んでみるとよいでしょう。

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