2026年度共通テスト国語(第1問)から見る、高1・高2生の学習指針

こんにちは、羽場です。

今回は、2026年1月17日に行われた大学入学共通テスト(本試験・第1問)の分析を通して、高1・高2生がどのようなことを意識して現代文を学習していくべきなのか考えていきたいと思います。

なお、90分で問題を解き、答え合わせをした上で読むことをおすすめします。
問題はこちらからダウンロードできるので、ぜひ実際に取り組んでみてください。

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第1問 櫻井あすみ「『贈与』としての美術・ABR」

第1問は櫻井あすみ「『贈与』としての美術・ABR」(『美術教育の可能性』所収)からの出題でした。

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共通テスト国語(第1問)の出典一覧

参考までに、これまでの第1問の出典を挙げておきます。

年度本・追出典(初版発行年)
2026本試験櫻井あすみ「『贈与』としての美術・ABR」(2018年)
2025本試験高岡文章「観光は『見る』ことである/ない――『観光のまなざし』をめぐって」(2021年)
追試験田中大介「待ち合わせの変容」(2010年)
2024本試験渡辺裕『サウンドとメディアの文化資源学――境界線上の音楽』(2013年)
追試験大塚英志『江藤淳と少女フェミニズム的戦後』(2001年)
2023本試験【文章Ⅰ】柏木博『視覚の生命力――イメージの復権』(2017年)
【文章Ⅱ】呉谷充利『ル・コルビュジエと近代絵画――二〇世紀モダニズムの道程』(2019年)
追試験北川東子「歴史の必然性について――私たちは歴史の一部である」(2009年)
2022本試験【文章Ⅰ】檜垣立哉『食べることの哲学』(2018年)
【文章Ⅱ】藤原辰史『食べるとはどういうことか』(2019年)
追試験若林幹夫「メディアの中の声」(1992年)
2021第一日程香川雅信『江戸の妖怪革命』(2005年)
問5(資料)芥川龍之介「歯車」(1927年)
第二日程多木浩二『「もの」の詩学』(1984年)

なお、本年も複数テクストの形式ではありませんでした。

第1問の全体外観

字数は約4,300字であり、昨年度よりも500字程度増加しています。

随想的な文体で展開される文章だったこともあり、苦手意識を持っている受験生にとっては、少し「取っ付きづらさ」や「掴みどころのなさ」を感じる側面があったかもしれません。

とはいえ、筆者の経験の回想と美・芸術(制作・造形)についての考察の共通点(「わからなさ」)に気づくことができれば、一本の筋で理解することができる文章でした。文章読解時には安易なパターン化・記号化に走るよりも、具体と抽象の関係を軸にした丁寧な文章読解を心がけることが鍵を握っていたと言えます。

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第1問の設問形式

2024年度共通テスト本試験(第1問)の設問は以下の通りでした。

設問内容形式配点
問1漢字[かして・料・根度]各4択10(各2)点
問2内容説明問題4択7点
問3内容説明問題4択7点
問4理由説明問題4択7点
問5理由説明問題4択7点
問6内容説明問題4択7点

昨年に続いて選択肢は4択で、解答のイメージを掴んだ状態で確認すると比較的判断しやすいものが中心でした。問6も含めて全て傍線部に関連する設問ではあるものの、文章全体を通して一貫している筆者の主張を丁寧に繋ぎながら読んでいくことで、最終段落でまとめられている筆者の考えを掴み、解答に繋げることが可能です。

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第1問で注目したい設問――問2・問4

2026年度共通テスト(第1問)で注目しておきたい問題をピックアップして簡単に解説します。

問2:まずは傍線部を含む一文の分析から

まずは問2です。
先ほども述べた通り、本年の問題も「解答のイメージを掴んでから選択肢吟味をする」ことで比較的クリアに正解を選べる問題でした。

解答のプロセス
  1. 傍線部を含む一文(傍線文)の分析
    →文構造を掴む
  2. 「それ(=A)」の指示対象・「日々の〜わからなさ(=B)」に対応する内容の把握
    「不思議な〜くれるものだった」については「それ」の特徴であると考えてOKです
  3. 解答のポイント
    ・A=私には理解しきれない他者
    ・B=第1・第2段落を参照

この「解答のポイント」を押さえた選択肢が正解です。

この問題をピックアップした理由はシンプルです。
今回の問題に限らず、現代文の傍線部問題の基本はやはり一文の理解。

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受験生と接していると「周辺にある『参照箇所』を捉える」ことに全力を尽くしがちな印象を受けることが多々あるのですが、その前にまずは傍線部を含む一文をきちんと分析することが重要です。

分析する中で、「この部分は具体化しないといけないなぁ」と感じる箇所を、いわゆる「参照箇所」に基づいて具体化していく。理由説明であれば、きちんと把握した一文の内容につながる理由を捉えていく。

傍線部を含む一文の分析を通して、まずは「何を考えなければならないのか」明確にするところから始めましょう。

問4:読解時・解答時で2つのアプローチ

問4に苦戦した受験生も比較的多かったのではないかと思います。
この問題に解凍するためのアプローチは大きく2つ。「読解時に意識しておくポイント」と「設問解答時に注目すべきポイント」です。

【読解時】文章を読みながら論の展開を掴む

この問に対する一番シンプルな解答の方法は、文章を読みながら論の展開を掴むことでしょう。傍線部を挟んで前後の展開をまとめると以下の通りです。

解答のポイント

筆者の幼少期の体験・個人的な解釈→傍線部→「多くの人にとって」「あらゆる……根源に関わるのではないか」→芸術一般

この流れを押さえられれば素直に正解が選べました。

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【解答時】傍線部の文末表現・直後の指示表現に注目する

とはいえ、必ずしも文章を読解している段階でこの展開を押さえられるとは限りません。また、読んでいる時には自然と理解できていたとしても、設問に答える際には忘れているということも考えられます。

やはり傍線部分析からスタートしていきましょう。ここでは、「〜にすぎない」という文末表現に注目できます。

「〜にすぎない」という表現は「〜以上のものではない」「ただ〜だけだ」ということを表します。この表現から譲歩(「〜にすぎないが、……」)の可能性が考えられれば理想です。

実際、直後の一文は「にもかかわらず」という逆接から始まっていますね。やはり「個人的なものにすぎないが、にもかかわらず、個人的なものだけではない」という構図になっていることが確認できます。

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さらに、もう一つ重要なポイントがあります。それは傍線部直後の一文に含まれる指示表現。「こうした」が受けているのは傍線部自体の内容です。

基本的に、傍線部の内容を指し示す指示表現があった場合、傍線部と繋げて考える必要があります。文章読解時に「傍線部を受ける指示表現」があったらチェックしておくと、設問を解く際に見落としにくくなるはずです。

解答のポイント
  • 傍線部分析時には文末表現にも意識を向ける
  • 傍線部を受ける指示表現には注意する

傍線部を受ける指示表現だけでなく、設問を解く際に活用しそうだと感じる箇所や「自分が頭を使った箇所(気になった箇所)」にはチェックをしておくと、解答作成がスムーズに進む部分があります。

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個人的に、いわゆる「本文チェック」の最大の価値はこの「解答作成がスムーズに進む」点です。大学入試では制限時間内に文章を読み、設問に解答しなければなりません。「きちんと理解しながら文章を読む」ための時間を短くするのはなかなか難しいところですが、設問を解く時間は短くすることが可能です。その一助として、自分が注目した箇所にチェックをしておくことをおすすめします。

第1問対策で意識しておくべきポイント

2025年度の共通テスト国語から第3問が追加されたことに伴って、時間配分も含めて様々な不安が増えたことと思います。

とはいえ、文章読解において求められていることが大きく変化したわけではありません。普段の学習から丁寧に文章を追いかけ、解答のイメージを掴んで設問を解くということを意識した学習を心がけてください。

第1問対策のポイント
  • 「速く読む」よりも「きちんと読んで、速く解く」
  • 解答のイメージを掴んだ上で正解を選びにいく
  • 読解時であっても、設問を解く際に活用するであろう箇所はチェックしておく

これらのポイントを踏まえて、基本的な文章読解の手法を学び、問題演習を重ねていくことをお勧めします。

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※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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