こんにちは。安田です。

今回は、次年度以降の受験生に向けて、今年度の共通テストを踏まえての漢文の学習についてお話ししていきます。

2026年度共通テスト漢文の出題について

本文出典

長野豊山『松陰快談』

今回は、江戸時代の儒学者、長野豊山が著した『松陰快談』からの出題で、日本人の書いた漢文が2年連続の出題となりました。

受験生の皆さんは、誰が書いたかなどは特段意識せず、基本に忠実に読めば大丈夫でしょう。

本文は複数テクストではありませんでしたが、問7で同書の別の箇所から引用資料があり、結果としては複数テクストを読むような形でした。

問われていることは例年と同様

昨年同様、ほとんどの設問で選択肢が4つです。漢文は問3のみ5択問題でした。

語句の意味、内容説明、解釈、返り点など、問われていることは例年同様です。
句形や語彙の知識を身につけておくと対処しやすい設問が主である一方、本文を漫然と読んでいると細部が把握しづらい上、時間のない中だと紛らわしく感じる選択肢があります。

国語全体ではやや難化しているものの、漢文については2025年度とほぼ同程度の難易度かなと思います。

設問分析

問1 語句の意味

「宗旨」「知言」

知識として分かるか、というよりも、本文中でどういう意味がもっとも最適か、を考えて答える問題です。

漢字を見て、「だいたいこういうニュアンスかな」というのを、熟語単位で思い浮かべられるように鍛錬しておきたいですね(「宗旨」であれば、「宗家」「趣旨」を思い浮かべると、掴みやすくなるでしょう)。

問2 傍線部の説明

否定の句形をきっちり覚えて、さらに使い方まで理解しておくと答えやすい設問です。

本文の最初に出てくる傍線部ですが、本文を最後まで読み切って内容を理解した上で取り組めば比較的選びやすいのではないかと思います。

問3 訓読

超頻出である「雖」の使い方と、使役形を理解しているか、というのが問われています。

ただ、これも本文中で前後を把握しないと選びにくいです。5択問題なのもあって、ちょっと苦戦する人が多そうな印象があります。

「然」は古文でも頻出ですから、古語辞典・漢和辞典どちらも引いてよく理解して覚えておくといいでしょう。

問4 傍線部の解釈

詠嘆形の知識が必須です。典型的な形なので、句形学習の差が出やすいでしょう。

問5 傍線部の解釈

これは漢文に限りませんが、傍線部の後を読まないと解釈違いを起こすパターンです。

傍線部を見てすぐに設問に飛ぶ解き方をしてしまう人はこういう設問で詰まってしまうので、「読む」をしっかりやった上で「解く」という、王道な取り組みを心がけていきましょう。

問6 内容説明

選択肢の吟味が少し大変かなと思いますが、まず傍線部の手前までの内容で、筆者が実際に何を感じているかを把握し、傍線部の後のセリフで、それをどう表現しているのか、その主旨を汲み取ります。

古文や漢文においては、ダメな場合に「お前はダメだ」と直接言うことはないので(現代の日本でもありますよね)、そういう感覚を磨いておくのも大事かなと思います。

問7 複数資料の内容説明

2行ほどの資料と、本文を照らし合わせた上で筆者の考えを汲み取る問題です。

「表面上の漢字だけ拾い読みする」「本文より資料に目が行き過ぎる」というレベルだと、かなり誤選択しやすいのではないかと思います。

こういう設問中に別資料が出てきた時に、その資料だけを見ればいいのか、本文も見ないといけないのか、しっかり問題文でチェックの上で、目先の資料ばかりに囚われないようにするのも大切です。

2027年度共通テスト受験生が第5問対策で取り組むべきこと

漢文だけを見れば大きな変更はありませんでした。

以下の漢文学習の基本姿勢を身につけておけば十分対応できる問題だったと思います。

漢文学習の基本姿勢
  1. 文章をきちんと読むこと
  2. 基本知識を習得しておくこと
  3. 文字から意味を考える習慣をつけておくこと

むしろ、現代文や古文で苦戦しそうな問題が複数あり、そちらに時間を取られる人が多いでしょう。そうなると、いかに標準的な難易度とはいえども漢文に回せる時間は限られます。

短時間でしっかり取り切るためには、正確に読むスピードを上げることと、知識のアウトプットを素早く行えることを意識して取り組みたいですね。今回2026年度の問題だと、「これ詠嘆形でいいんだっけ?あれ?「不」って否定……?」みたいになったら厳しいです。

そこで、来年度以降の受験生が取り組むべきポイントを紹介します。

文構造・語彙・句形など、ベース知識を習得する

文構造、語彙、句形の知識はひと通り習得しましょう。

日常の学校での授業に加えて、問題集も1冊は取り組んでおくといいと思います。ここ2年出題はないものの、漢詩も頻出ですから、やはり知識を身につけておいてください。

学校の授業で扱われる文章の精読、問題集や過去問を用いた読解演習

基礎知識を身につけるのは当然として、読解の実戦演習は欠かせません。

学校の授業で取り組む文章の精読はもちろん、問題集や過去問を用いて、時間制限ありの実戦型演習も重ねていきましょう。

複数テクスト形式への対策

複数テクスト形式の出題はやはり共通テストでは続く可能性は高いです。考え方や対応策も身につけておくとより高得点を狙えます。

2027年度共通テストに向けて、漢文学習のポイントまとめ

大学入学共通テストの最大の対策は「早いうちからしっかり勉強する」ことです。
みなさんの先輩の中には「直前にちょっと過去問やっただけ」で満点を取ったという人もいるかと思いますが、そういう人はもともとの基礎がしっかりしていた人がほとんどです。

学校の定期テストや模試などでの出来具合を確認し、自分が得意か苦手かの感覚をしっかり踏まえた上で、早期から対策することをお勧めします。

漢文学習のポイント5選

共通テスト対策も含めた、漢文学習の要点をまとめます。

漢文学習のポイント
  • 文構造、語彙、句形、漢詩の知識を身につける
  • 模試や過去問を活用して演習を積む(センター試験時代の過去問も有効)
  • 現代文での漢字・語彙学習をしっかりやる
  • 日々の授業や定期考査学習を通して背景知識にも触れていく
  • 他科目で学んだ知識と関連付けていく

特殊な勉強法はありません。日々の授業を通してコツコツと知識を広げつつ、演習を通して実戦力を養うことが大切です。

漢文は対策に回す時間が不足しがちな科目です。他の科目が本格的に忙しくなる前に、しっかり基礎を作っておきましょう。

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