[連載小説]像に溺れる #92 座標――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 教団の本山へと向かう車中、ダッシュボードのところでヨネザワのスマホが震えた。 エアコンの吹き出し口に粗悪なアームで固定しているので、振動が増幅されて不快な音を立... 2022年6月25日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #91 教祖の子――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 ――本当のこと、知りたい? コーウが引き取られていった日の夜、カイドリからメッセージが送られてきた。 それはカイドリがはじめて私に向けた、意味のある言葉だった。... 2022年6月18日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #90 光の螺旋――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 「おぉ、いい子、いい子。こんなにかわいいのに……あの女」 途端に変わったトーンに、今度は私の体がこわばる。 「あの女、タカユキの稼いだお金を変な宗教に遣いこんで... 2022年6月11日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #89 引渡――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 見知らぬ人間に囲まれた環境に、コーウはあまり不安な表情を見せなかった。 親を求めて泣き叫ぶものかと思っていたが、はじめからそうだったみたいに、コーウはすんなりこ... 2022年6月4日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #88 光有――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 もう何十分も、車内には子どもの泣き声が響き続けている。 隣から鼓膜をビリビリ突き刺してくる声を、けれども私は現実のものと思いたくなくて、未だにそっちを見ることが... 2022年5月28日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #87 解放区――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 その日は朝から、ヨネザワの機嫌が悪かった。 新聞を掴む手はいつもの三割増しで力が入っているように見え、コメカミには邪悪な寄生虫めいた血管が浮かび、今にも破壊衝動... 2022年5月21日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #86 罪悪感――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 次の日の朝、私は仕事に出向かず、家でマツシマと待機しているように言われた。 たぶん前日に、私が運んだものの中身を覗き見たことがバレたのだろう。 ヨネザワとカイド... 2022年5月14日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #85 グローブボックス――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 移動中、私はずっとスマホで火事のニュースについて調べていた。 現場状況についての続報はなかったが、どこからの噂か、彼女が新興宗教にのめり込んでいたという話が出回... 2022年5月7日 鹿間 羊市
京都の歩き方 東寺~新幹線から見えるアノ五重塔~【佐京由悠の京都の歩き方】 その地を深く知ることで京都旅行を充実したものにするというコンセプトから始まった「佐京由悠の京都の歩き方」。最終回の今回は、新幹線から見える、あの五重塔。金光明四... 2022年5月5日 佐京由悠
[連載小説]像に溺れる #84 不穏な予兆――像に溺れる【ANOTHER STORY —ヤナガワ—2】 「ルールとか常識とか、そういうものに疲れたか? 家族は信じられないか? 他人が押しつけてくるキマリゴトを、ぶっ壊したくならないか? 俺たちは、そういうものの『外... 2022年4月30日 鹿間 羊市