漢文句形学習法【読解にむけて】

安田です。
最近はYouTubeで動画を流しながら仕事をすることが多いです。
単純な娯楽からお役立ち動画まで(特に私は育児系や料理系、DIY系のチャンネルをよく見ます)、飽きないものですね。
これは勉強に向かわないといけない高校生にとっては扱いが難しいものだな、と実感します(苦笑)。

さて、今回は句形学習のポイントをお伝えします。

漢文の学習において、「句形を覚えよ」とはよく言われると思います。
しかし、どうやって覚えたらいいのか、いわゆる「覚え方」を教わることはあまり機会がないのではないでしょうか?

覚え方自体は個人の好みや適不適もありますし、一つだけで完璧、というものはありません。
今回は鉄板の方法をお伝えするので、この内容をベースに、いろいろ工夫を凝らしてみてください。

句形を覚えるのは文章を読めるようにするための第一歩


漢文の句形、というのは、英文法や古典文法と同じと考えてもらえればOKです。
「文におけるお決まりルール」です。

英語で「be+過去分詞」が受動態になるというのは知らなければ内容が取れないのと同じように、漢文で「莫如A」「Aにくはし」と読む比較形であるというのは知らなければ内容は把握できません。

文法ルールですから、理解して覚えるのが必須になります。

ただし、覚えるべき量は他の科目に比べて圧倒的に少ないこと、現代の日本語の知識から応用できる部分は新たに覚える必要がないこと、覚え方さえ押さえれば比較的容易に覚えられること、を考えると、意識して取り組めばさほど苦労せずに必要十分な知識は得られるはずです。

一番重要なことは、「句形を覚えるのは文章を読めるようにするための第一歩」という自覚を持つことです。

学校の授業で扱う文章、読解の問題演習、模試の復習等を通して、学習した句形を丁寧に確認し、塗り固めるように定着させていきましょう。

 

句形学習の前準備


句形学習の前準備として、まずは次の2つのことに取り組みましょう。

(1)返り点・送り仮名のルールを身につける
(2)古典文法の学習

 

句形学習の前準備

具体的に句形の学習に入る前に、「返り点・送りがなのルール」だけは身につけましょう。

これが分からないと漢文学習はスタートできません。

レ点、一・二点、上・下点、一レ・上レ点、甲乙点くらいまでは使い方を身につけ、書き下し文を間違えずに書ける

というのが最低限の土台になります。
市販の問題集、学校で渡される問題集などはこの練習からスタートするはずなので、完璧にできるよう練習しましょう。

 

古典文法の学習

もう1点大切な準備として、古典文法の学習があります。

漢文は、昔の中国語を日本語の読み方に変換して読んでいます。
したがって、昔の日本語、つまり古文における文法ルールがある程度身についていないと読むのが困難になります。

動詞はもちろん、「ず」「べし」「る・らる」「しむ」といった代表的な助動詞をあらかじめ学習して理解するとともに、活用を覚えておきましょう。

 

漢文学習で優先してマスターすべき4つの句形

特に重要度の高い句形は「使役」「受身」「疑問」「反語」です。

それぞれ知らないと読むことも意味を掴むことも難しく、主語の確定や文章の核となる部分を示すことの多い句形になります。
読解に不可欠な句形なので、最優先で身につけましょう。

 

句形の覚え方

 

句形の覚え方①――音読する

漢文訓読では、現代語では使わない特有な読み方をすることがしばしばあります。

例を挙げましょう。
出典は『礼記』檀弓下、教科書などでは「苛政猛於虎也」のタイトルで掲載されている文章中の孔子のセリフです。

何 為 不 去 也 。
読)
なんすれぞさらざるや。
訳)どうして(この地を)立ち去らないのですか。

疑問形の代表的な「何為(なんすれぞ)」という形です。

現代の日本語で使うことはほぼないでしょう。
少なくとも、高校生の日常生活で使うことはないですね。

慣れない読み方をする表現は声に出して何度も読む

このように慣れていない特殊な読み方をする表現は、声に出して何度も読むのが鉄則です。

合唱課題曲の覚え方と要領は同じで、「なんすれぞ」と何度も、歌うようにブツブツ声に出すのが効果的です。
そして、書かれている文字と音を照合させていきましょう。

特に、疑問形・反語形で使われるフレーズは、奈何いかん」「いずくにか」など、知っていないと読むことすら困難なものがありますので、音でのインプットは必須です。

 

句形の覚え方②――例文暗記

是 何 楚 人 之 多 也 。
読)これなんぞそひとのおおきや。
訳)なんと(敵の中に)楚の人〔=兵士〕が多いことだろう。

詠嘆形の例文です。

出典は『史記』項羽本紀。
教科書にも「四面楚歌」というタイトルで文章が掲載されていることが多いので、見たことがあるのではないでしょうか。

読み方だけでなく、使われ方や意味も含めて文まるごと頭に入れる

「なんぞ~や」という読みの形だけ覚えていても、実際に文章の中で出てこられると気づきにくいのが現実です。
また、この読みの形だけでは疑問形と区別がつかないため、混乱する原因にもなります。

したがって、読みの形だけでなく、使われ方や意味も含めて文まるごと頭に入れる覚え方が有効になります。

英単語を覚えるとき、お決まりのフレーズや例文ごと覚えるようにというアドバイスをもらうことがよくあると思います。
漢文の句形を覚える際も簡単な文ごと覚えるのが賢い覚え方です。
きわめて実践的な文が頭に残るので、①とあわせて、漢文訓読の独特なリズムも身につきます。

『漢文必携』などの句形をまとめた学校購入の参考書は、史書などから実際の文を引用していますし、例文暗記用に一覧にしてまとめてくれていることもあります。活用してみましょう。

句形の覚え方③――文章活用編

句形を覚えるのは文章を読めるようにするためです。
したがって、声に出して例文を覚えたからといっても、実際に文章中で活用できるようにしなければなりません。

また、疑問形・反語形のように、文脈によって識別しなければならないようなものは、「文章の中でどう使われているか」というのを都度判断する練習が不可欠になります。

 

句形を学んだ後すぐに読解形式で演習ができる問題集を選ぶ

学校の教科書に掲載されている文章には句形のまとめが付いていることが多いため、それだけでも練習は可能ですが、問題集を使って学習する場合、「特定の句形の基礎を学んだあとすぐに読解形式で演習ができる」ものをチョイスすると、スムーズに勉強できるかと思います。

『基礎からのジャンプアップノート』(旺文社)
『ステップアップノート10 漢文 句形ドリルと演習』(河合出版)
『古典文法10題ドリル漢文編』(駿台文庫)
『基礎からわかる漢文』(代々木ライブラリー)

このあたりの問題集は手に入りやすく、練習には手頃です。




必ず自分なりに口語訳を作る

さらにもう一つ、問題集を骨の髄まで活用する勉強法をお伝えします。

「書き下し文にせよ」という問題を解く際、書き下し文を書いて終わりにしていませんか?

それだけでは非常にもったいないです。
必ず自分なりに口語訳を作りましょう。

解答解説には必ず口語訳の模範例が載っているはずです。
自分が作成したものと常に照らし合わせていくようにすると、意味内容を把握する力もついてきます。

問題集というのは、その問題を通じて「知識を身につける」「類題を解けるようにする」という目的のために使うものです。
設問で指示されたことだけをするのではもったいない。
自分の力を伸ばすために、あらゆる方法で活用しましょう。

 

おわりに

句形の学習は大切です。
代表的なものを覚える、というのは漢文訓読の上で必須です。

しかし、句形をただ覚えただけでは、まだ「入試問題が解ける」という段階には至りません。
「覚えて、活かす」というのを念頭に置いて、学習に取り組んでください。

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