こんにちは、羽場です。
この記事では、2023年3月にZ会から刊行される拙著『スマートステップ 現代文』を通して、僕が受験生のみなさんに伝えたかったことを紹介します。
なお、『スマートステップ現代文』が発売された後は、「補講」と題して各章・各節ごとの補足記事を公開します。
補足記事を通して本書の内容をより深めていくので、本書に取り組みながら読んでいただくとより効果的です。
ぜひ併せてご覧ください。
目次
変化の激しい社会の中で現代文とどう向き合うか
「新しい日常」として定義された昨今の生活様式はもちろん、予測不能とすら称される激動の社会の中で、受験生を取り巻く環境も変化を続けてきました。
そしてそれは、変化を続ける共通テストをはじめとした試験制度の変化だけでなく、受験生の日常生活自体に及んでいます。
現代は目移りするものに溢れている
たとえば、携帯電話。
私が高3生だった頃は、iPhoneですら日本国内ではまだ今ほど浸透しておらず、いわゆる「ガラケー」が中心でした。
当時からメールやSNSは存在していましたが、今ほど欠かせないものにはなっていなかったように思います。
時は流れて10数年。
そして数多くの動画サービスが次から次へと魅力的な動画を再生し続け、我々の目を画面へ釘付けにしていきます。
現代は、私が高校生だった頃とは比べ物にならないほど目移りするものに溢れている時代です。
現代の受験生は限られた時間の中で最大限の効果を出す必要がある
現代人は忙しい。
それは受験生も変わりません。
本書の制作は、そんな忙しい日々を送る受験生が、効果的な現代文学習の第一歩を踏み出す助けとなることを目指して出発しました。
大学入試の現代文と向き合う価値を知ってほしい
『スマートステップ 現代文』の「はしがき」にも記しましたが、現代文という科目はどうにも捉えどころのないように感じられるところがあります。
「文章は論理的に書かれているから、その『論理』を追えば良い」とも言われますが、必ずしも全ての文章がきれいな「論理」に従って書かれているとも限らないわけです。
「書かれていないこと」に目を向ける
この点については、我々も「コノテーション」や「行間を読む」という表現を通して「書かれていないこと」に目を向ける営みを説明することがあります。
そもそも、書かれていることを正確に理解するということですら危うい。
先ほどの引用にもとづくなら、受験生は現代文の学習を通して
- 書かれていることを正確に読む
- 書かれていないことを正確に読む
という段階を経て、「何が書かれていて、何が書かれていないか」が正確に把握できるようになる必要があるわけです。
文章が必然的に背負う「多様性」
「全ての文章は論理的に書かれているから、その論理をただ辿っていけば良い」とは言えないはずです。
ある程度の筋道があるとしても、結局は「目の前の文章とどう向き合うか」が鍵を握るでしょう。
現代文の学習が開く世界
意識的にであろうとそうでなかろうと、我々は日々多くの「文章」に触れています。
この記事ももちろんですし、SNSや街中で、数多くの「文章」と出会っているはずです。
我々はそれらの一つひとつを通して、知の世界や他者の生きる世界の深淵を垣間見、それをもとに時として新たな自分を手に入れることさえできます。
これは書物に限った話ではありません。
インターネット上に溢れる多くの情報やSNSで流れ続ける言説の数々を通して何かを知る場合も同様です。
現代文の学習は、そこにアプローチする基礎を養うきっかけの一つになるはずです。
『スマートステップ現代文』の学習が受験生にとってその入り口となることを願っています。
『スマートステップ 現代文』書籍情報
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『スマートステップ 現代文』予講 | |