こんにちは。日本史の河原です。
今回は2023年度の大学入試共通テストを踏まえて、新高3生や新高2生がどのような対策を行っていくべきか考えていきたいと思います。
なお、問題を解き、答え合わせをした上で読んでもらうと効果的です。
問題はこちらからダウンロードできるので、ぜひ実際に取り組んでみてください。
目次
2023年度 共通テストを踏まえた学習指針
初めに、今年度の共通テストを踏まえた学習指針を紹介します。
- 基本的な日本史の実力をつける
- 常に時期を意識した学習をする
- 基本史料の学習から史料読解を意識する
- 初見史料の学習を増やす
- 近現代の世界史の動向と日本の動向の関連付けを意識する
- 共通テスト特有の複数の情報から解答を導く問題への対応力をつける
2023年度 共通テスト[日本史B]大問ごとのポイント解説
昨年度同様、史資料を用いた処理能力が問われる問題が多数を占めました。
大問ごとにトピックとなる問題を中心に振り返ってみましょう。
第1問 地図から考える日本の歴史
問3は地図と先生の説明、問6は会話文・地図だけでなく問3の先生の説明がヒントとなる問題でした。
問題文や別の小問を参照することがあることを頭に入れておきましょう。
第2問 古代の陰陽道の歴史
問3の年代順並べ替え問題は文章から人名や事件名を自分で導き出さなければならない、共通テストの特徴とも言える問題でした。
用語だけを覚えるのではなく、説明から用語を想定できるように訓練しないといけません。
第3問 中世の京都
問3の撰銭令の史料を比較する初見史料問題は、選択肢と史料をじっくり比較して、史料に書かれていることに基づいて正解を導き出す必要がある問題でした。
しっかり史料にかかれている情報で判断する能力が求められます。
第4問 江戸時代の人々の結びつき
問5は第1問問6同様、会話文や問3をヒントする必要がある正誤判定問題でした。
知らない情報が選択肢で出てきたら、大問のどこかにヒントがあると思っておくと良いでしょう。
第5問 幕末から明治にかけての日本
問4は3人の発言の正誤を判定する新傾向の問題でした。
基本的な年代の知識のほか、会話文の内容を慎重に吟味する必要があります。
第6問 近現代の旅
問7の正誤判定問題はXでは北大西洋条約機構、Yではアジア・アフリカ会議の理解が前提となっており、近現代の世界史の動向と日本の動向の関連付けを意識する必要がある問題でした。
共通テストに向けた日本史学習法
最新年度の共通テストの傾向を踏まえて、新高3生や新高2生がどのような学習をするべきか考えていきましょう。
- 基本的な日本史の実力をつける
- 常に時期を意識した学習をする
- 基本史料の学習から史料読解を意識する
- 初見史料の演習を増やす
- 近現代の世界史の動向と日本の動向の関連付けを意識する
- 共通テスト特有の複数の情報から解答を導く問題への対応力をつける
用語の意味や時期を意識した学習を心がける
①②
は昨年度の共通テストの対策記事でも言及しましたが、用語の丸暗記で太刀打ちできないのが共通テストの特徴です。
用語の意味や時期を意識した学習を常に心がけましょう。
▼参考:「2022年度共通テスト日本史から見る、新高2・3生が意識すべきポイント」
日常学習から史料に慣れる
今後も共通テストでは初見史料問題を中心とした史料読解が必要な問題が出題されるでしょう。
そのため、日常学習から史料に慣れる必要があります。
史料集などに掲載されている基本史料を註などを参照してどのようなことが書かれているか確認すると良いでしょう。
そのうえで、④初見史料の演習を増やしていきましょう。
以下の記事が参考になると思います。
▼参考:「大学受験日本史の史料問題を攻略するためにおすすめしたい学習法」
近現代の世界史の動向と日本の動向の関連付けを意識する
また、大問ごとのポイント解説でも見てきたように、⑤近現代の世界史の動向と日本の動向の関連付けを意識する必要があるでしょう。
複数の情報から解答を導く問題への対応力をつける
最後に、共通テストは他の問題の選択肢や前に出てきた会話文などが問題のヒントになることがあります。
おわりに
共通テストの問題をみると、最初は困惑するかもしれません。
目先の試験のための丸暗記ではなく、確固たる実力をつける勉強を積み重ねましょう。