皆さんこんにちは。世界史の学習は順調でしょうか。
世界史という科目の全体を眺めてみると、その内容をさまざまな基準で切り分けることができますね。
また入試問題においても、このような切り口でリード文が作成されることは多く、実戦的な学力養成にも役立つ視点といえます。
今回はこうした切り口のうちから「経済史」をピックアップして、その重点的な強化方法を紹介します。
目次
「添え物」ではない! 世界史における経済史
ところで世界史における「経済史」というテーマの立て方は、日本史と比べるとややマイナーな感があるかもしれません。
世界の全時代・全地域が範囲となる世界史では、純粋な経済史の記述はそこまで多くなく、経済史対策に特化した参考書や問題集も存在しません。
そのため、どうしても受験生は「添え物」のような印象を持ちやすいのが実際のところだと思います。
この二つの単元は仮に飛ばしたとしても、とりあえずの歴史の「流れ」は理解できてしまうため、理解や暗記を後回しにする受験生がいます。
そういった意味では文化史とやや似ているかもしれません。
世界史学習の完成のためには、経済史の学習から逃げることはできない
しかし、世界史学習とは「塗り絵」と同じです。
最終的な世界史学習の完成のためには、経済史の学習から逃げることはできません。
その際に政治史との関連性・結びつきを意識しながら学習できると理想的です。
経済史の学習でおすすめの書籍
経済史に特化した参考書・問題集は存在しないと言いましたが、一般書ではいくつかお薦めがあります。
最もお薦めなのは、『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【経済編】』(SBクリエイティブ)です。
著者は公立高校の先生(ムンディ先生)です。
高校世界史の全体から、「経済史」だけをすくいあげて解説を加えているため、世界史教科書の単元・記述のうち、どこが「経済史」なのかがわからないという人にも読んでもらいたい一冊です。
経済史の理解をさらに深めたいならこの2冊
さらに経済史に関して理解を深めたい人には、以下の2冊がお薦めです。
宇山卓栄『世界史は99%、経済でつくられる』
カバーされる時代・地域が前述の『一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書【経済編】』に近いため、2冊目の本としてちょうど良いです。
ただし内容はハイレベルなので、「難しいな」と感じたら無理せず、まずは拾い読みでも構いません。
蔭山克秀『やりなおす経済史』(ダイヤモンド社)
近現代世界史における経済史を、政治経済を教える著者が明快に解説しています。
文体もやわらかく、とても読みやすく書かれています。
以上2冊は、予備校講師の著作です。
どちらも「本質をわかりやすく伝えるプロ」の面目躍如たる傑作です。
ぜひ受験生にも少しだけ背伸びをして読んでもらいたいですね。