第2章第4節 加藤重広『言語学講義』本文解説

こんにちは、羽場です。
今回は第2章の第4節の短文演習、加藤重広『言語学講義――その起源と未来』の本文を読む際に押さえておきたいポイントを解説します。

『スマートステップ現代文』

現代文学習の第一歩を踏み出そうとしている皆さんに宛てて、2023年3月にZ会から拙著『スマートステップ現代文』が刊行されました。

現代文の学習に悩んでいる受験生、これから現代文学習を始めようと思っている受験生はぜひ手に取ってみてください。

今回の記事は問題を解いた上で、本書の解説と合わせてご覧いただくとより効果的です。

段落ごとの話題を捉える

今回の節テーマは「段落の考え方」でした。

「絶対にそうなる」というわけではないですが、一つの段落につき、話題は一つであることが多いものです。
各段落の中心となる話題を掴むことを目標にしてください。

早速、第①段落を見てみましょう。

第一文(「旧約聖書に〜」)で「バベルの塔」の話題が登場し、第三文(「人間が〜」)でその「バベルの塔」について具体的に解説しています。

つまり、第①段落は旧約聖書中の「バベルの塔」について紹介している段落だと考えることができるでしょう。

第2の意味段落(②・③段落)

第②段落に目を移しましょう。

まずは一文目(「つまり〜」)に注目すると、冒頭に「つまり」とあることに気づきます。

「つまり」のはたらきは要約・換言と呼ばれ、前で述べたことを要約してまとめたり言い換えたりするときに用いる接続表現です。

ここでは第①段落で紹介した内容を掘り下げ、「言語が多様化した」という形でまとめています。

同じことを別の見方から説明する「逆に言えば」

続く第2文は「逆に言えば」と始まっています。

逆に言えば
前で述べたことを別の角度から述べる際に用いる。

第①段落の「バベルの塔」の話を通して「言語が多様化した」と述べた前の文を別の角度から見て、(バベルの塔以前の)人間は「一つの言語を話してい(た)」と述べているわけです。
そして、これを続く文で「単一言語幻想」と言い換えていきます。

第③段落でもこの「単一言語思想」についての話題が続いていることから、この第②段落・第③段落の話題の中心は「単一言語幻想」だと判断することができるでしょう。

第②段落の話題をもとに展開する第③段落

さて、第③段落に目を移します。

この段落では、前の段落で述べられた「単一言語幻想」を背景にして生まれたものを紹介しています。

「普遍言語の設計」「エスペラント」「人類が共有できる言語という理想」といったものが「単一言語幻想」を背景にして生まれていったものであることをつかめればOKです。

というわけで、これを踏まえて問題を解いていきます。

『スマートステップ 現代文』書籍情報

  • 書名:『スマートステップ現代文』
  • 出版社:Z会
  • 著者:羽場雅希[著]・Z会編集部[編]
  • 発売日:2023年3月10日
  • 定価:1,100円(税込:1,210円)

第2章「読解スキル編」補講
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※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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