[ブックレビュー] 後藤 武士『読むだけですっきりわかる世界史』

今回は、世界史の受験勉強や大人の学び直しにも使える文庫シリーズ『読むだけですっきりわかる世界史』を紹介したいと思います。

読むだけですっきりわかる世界史

本シリーズは2010年〜2012年にかけて宝島社から刊行されました。
著者は日本全国授業ライヴ「GTP」主宰の後藤武士先生です。
後藤先生の『読むだけですっきりわかる日本史』がベストセラーになり、その世界史版として満を辞して発売されました。

この本のおすすめポイントはこちらです。

①高校世界史の内容をまんべんなく学習できる
②受験勉強や大人の教養にも効く
③文庫だから安い&携帯に便利

 

高校世界史の内容をまんべんなく学習できる

学習参考書のジャンルではない通常の文庫本というと、通常は内容的に「深すぎたり、浅すぎたり」することが多いですよね。

しかしこのシリーズは実にその塩梅が「ちょうどいい」

目次を見ても、ほぼ山川の世界史教科書と同様の章立てです。
さらに取り扱う用語も高校世界史レベルで抑えてあります。全時代・全地域について、偏ることなく学習できる本といえるでしょう。

一点注意すべき点は、戦後史に関して扱った5冊目は書名が『読むだけですっきりわかる現代史』だということです。

全5冊の構成は以下のようになっています。

『読むだけですっきりわかる世界史 古代編』・・・ピラミッドから「三国志」まで
『読むだけですっきりわかる世界史 中世編』・・・イスラーム教の誕生からジャンヌ=ダルクまで
『読むだけですっきりわかる世界史 近代編』・・・コロンブスから南北戦争まで
『読むだけですっきりわかる世界史 現代編』・・・オスマン帝国の終焉からポツダム宣言まで
『読むだけですっきりわかる現代史』・・・国連成立から冷戦の終わりまで

 

なお5冊目の『現代史』ですが、「世界史」という単語は消えたものの、内容は完全に戦後世界史です。

 

受験勉強や大人の教養にも効く

もちろん受験生にもおすすめできます。

役割としては、『ナビゲーター世界史』『実況中継』といった、いわゆる「通史講義系」参考書の代わりです。
通史のインプット用として、大きな力を発揮してくれることでしょう。

そして一般書に分類される文庫本ながら、重要語句はゴシック体になっており、歴史地図も充分な点数が掲載されています。
さらに文化史単元の解説もしっかりと抜け落ちることなく付いています。

 

また分冊のメリットを生かして、自分に必要な時代だけ読むことができるのも良いですね。特に多くの受験生が苦手とする戦後史をわかりやすく解説した5冊目『読むだけですっきりわかる現代史』はおすすめです。

なお、大人の学び直しにも最適なのは言うまでもありません。
高校世界史の内容解説が過不足なく展開される本書ですが、随所に興味を引く歴史エピソードや著者の見解などが散りばめられており、読者を飽きさせません。

 

文庫だから安い&携帯に便利

世界史の全時代を丁寧に解説した本シリーズですが、全部で5冊に分けられています。
必然的に一冊あたりの価格も抑えられることとなり、ほぼワンコインでの購入が可能です。
全部を揃えても、2500円ちょっと。

 

『ナビゲーター世界史』が全部揃えると4000円することを考えると、かなり割安となっています。内容の充実度を考えても、これはかなりお得な値段です。

そして何より、文庫サイズなので非常に持ち運びに便利なのが良いですよね。
まさに「小粒でもぴりりと辛い」を地で行く本といえるでしょう。

ちなみに、5冊揃えるのが面倒だという方に朗報です。

実は本シリーズ、2016年に「完全版」として古代から1945年までを1冊にまとめたバージョンが発売されているのです。
ちなみに帯は元AKB48の渡辺麻友さんでした。

定価800円、総ページ数540ページで『読むだけですっきりわかる世界史』の古代編から現代編までの4冊が再編集されて収録されています。一気に読みたい方はこちらをまずチェックしてみましょう。

 

 

 

『読むだけですっきりわかる世界史』紹介動画

以上が本書のおすすめポイントです。
YouTube「すずゆうチャンネル」では、本書の特長を実物を見せながら解説しています。
よろしければ併せて参考にしてください。

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※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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