数学ⅠAの学習で模擬試験を効果的に活用する方法【偏差値よりも大切なもの】

こんにちは。数学講師の大塚志喜です。
今回の記事では,模擬試験を自分の学習にどう活かしていくかについてお話ししていきたいと思います。

模擬試験は普段の学習の成果を目に見える形にする場でもありますが,大切なのはその模試の結果ではなく先にある大学入試でしっかりと合格を勝ち取ることです。

先を見据えて早いうちから模擬試験後の学習については習慣を作っておくことをお勧めします。

偏差値よりも大切なものがある


模擬試験を受けると,まず皆さんの興味関心が向くのは結果の「偏差値」だと思います。

出てきた偏差値に一喜一憂するのがダメとは言いませんが,大切なのは大学入試時点での実力です。

大学入試までにしっかりと力をつけるためには,何よりも復習が大切になります。
模擬試験の問題は非常に良く作られていて,1問から実にたくさんの大事なことを吸収するチャンスです。

復習をしない受験生や,課題として出ているからとイヤイヤ答えを写しているだけの人は非常に多いです。
しっかりと復習をすることで他のやらない受験生にぐんと差をつけることができるようになります。

ではどのように復習していけば良いのか,具体的な方法をお話ししていこうと思います。

数学の学習では2つの「なぜ」を常に意識する

数学の分厚い問題集は「問題辞書」として利用しよう

模試の復習だけではないですが,数学の学習をするときは常に2つの「なぜ」を意識しましょう。

「なぜ自分はその問題が解けなかったのか」を確認する

1つめの「なぜ」は,「なぜ自分はその問題が解けなかったのか」です。

原因は個人個人で色々あると思います。
例えば,

  • そもそもその問題を解くための知識がなかった
  • 知識はあったのに解き方がその場で思いつかなかった
  • 解き方はわかっていたはずなのに計算ミスで最終的な答えが間違っていた
  • 時間が足りなくて手をつけられなかった

どのような理由でその問題が解けなかったのかによって当然対策の仕方が変わってきます。
そこでまずは,自分がその解答に辿り着けなかった原因を徹底的に洗い出します。

「初見の問題でも使えるようになる」ことを目指す

「次にその問題が出てきたら確実に解ける」だけではなく「その問題で使った考え方や知識を見たことのない問題でも使えるようになる」のが目標です。

ただ,1回分の模試を復習しただけでは当然そこまで完璧に能力を身につけることはなかなかできません。

同じ思いを次の模試や試験でも味わうことが大事です。

すると,二度目に解けなかったときは「知っていたのに解けなかった。悔しい」となるのではないでしょうか。
この悔しい気持ちが大事です。

悔しいという思いを何度も繰り返すことでどんどん自分のものになっていきます。

この悔しいという思いは,普段からコツコツ努力しているからこそ味わえる経験であり,「直前に詰め込めばいい」という人には決して味わえない思いです。

こういうところでどんどん差がついていきます。

「その問題を初めて解いた人はなぜそう解こうと思ったのか」を確認する

さて,このように復習するには,もう1つの「なぜ」も意識しなければいけません。
それは「その問題を初めて解いた人はなぜそう解こうと思ったのか」です。

「問題の解き方を覚える」学習法には限界がある

復習というと,「問題の解き方を覚えて,その解き方を同じ問題が出てきたときに再現できるようになること」と思っている人はいませんか?

たしかにその学習方法でも,結果に結びつく可能性はあります。
同じ問題が出てくれば万事解決です。

さて,今回の模試で出てきた問題と同じ問題は次いつ出てくるのでしょうか。
入試本番,自分が今まで覚えてきた問題のどれとも違う全く新しい問題が出てきたらどうしますか。

この学習方法で難関大学の入試を突破できてしまう人も存在します。
とにかくパターンを頭に詰め込み,膨大な解法をすぐに状況に応じて思い出して再現できてしまう人もいます。

しかし,それができない人の方が大多数です。

大切なのは,絶対にできないことに挑戦し続けることよりも,自分にできる最善を尽くして最終的な結果に結びつけることです。
そして,そのためには解法を無理に覚えるのではなく,「なぜそのように解こうと思うのか」という思考回路を自分の中で積み上げていくことです。

この思考回路が完成に近づけば近づくほど,解法を覚える必要がどんどんなくなっていきます。

解法を有機的にさまざまな問題や考え方につなげる

ここで勘違いして欲しくないのは,解法を覚えることは悪だなんて言っていないということです。
知っていることは,紛れもなく「いいこと」です。

大事なのは,その知っていることを単発の知識で終わらせるのではなく,有機的に様々な問題や考え方に繋げていくことなのです。

その繋がりを知っていたり,自分で繋げていける能力を鍛えていけばいくほど,その問題が初見であろうとなかろうと,取る態度に一貫性が生まれてきます。
一貫性があると,結果にブレがでにくくなり,安定して実力を発揮できるようになってきます。

この能力を鍛えるために,普段の学習を頑張ってほしいと思っています。

鉄は熱いうちに打て

最後に,復習はすぐにやりましょう。

理想は当日です。
遅くまで試験があったのであればせめて翌日が限度です。

早く復習に取り掛からなければ

  • その問題を解いていたときに自分がどう考えてその問題を解こうとしていたか
  •  解けなかった悔しさ

を忘れてしまうからです。
どちらも実力をつけていく上で非常に大切なことです。

間を開けてしまうとすぐに忘れてしまいますから,とにかく早く復習は終わらせるようにしましょうね。

おわりに

今回の記事はどうだったでしょうか。

いろいろと書きましたが,やはり一番大切なのは「当事者意識」です。

大学に行きたいのは誰ですか? そのための学力をつけなければいけないのは誰ですか? ということです。

何事も「やらされている」という気持ちが少しでもあると全然成長できません。
自分のためにできることをやるんだという「自主性」こそが自分を成長させる大きなモチベーションになるはずです。

自分の未来を変えられるのは今の自分だけです。
今できることを未来の自分を助けるためにがむしゃらに頑張ってみてはいかがでしょうか。

少し説教くさくなってしまいましたね(笑)。

では今回の記事はこの辺で失礼します。
また次の記事でお会いしましょう。

頑張ってくださいね。

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