模擬試験の数学ⅠA分野で結果を出すための分野別ポイント

こんにちは。
数学講師の大塚志喜です。

今回の記事のテーマは,「模擬試験の数学ⅠA分野で結果を出すために」です。
前回の記事では全体を通して意識してほしいことをお話ししましたから,今回の記事ではもっと具体的な内容についてお話ししていこうと思います。
優先度の高い順に効率よく学習していくようにしましょう。

はじめに

各分野の話をする前に,まずは数学ⅠA全体の勉強の仕方についてお話ししていこうと思います。

 

数学ⅠAは教科書内容の技術が身についたら問題演習あるのみ

模擬試験の数学ⅠA分野での得点力を伸ばすためには,教科書内容の技術がしっかり身についたのであれば,問題演習あるのみです。
問題を解いていく中で教科書では得られなかった知識や解法を身につけていくことがかなり効率の良い勉強の仕方だと思います。

僕が学生の頃は,学校の進路指導室に模試の過去問題が山のように保管されていましたので,とにかくそこにある問題を解き漁りました。

そのような環境がまわりにあるようであればどんどん利用するべきですし,本屋に行けば各予備校が模試の過去問を本にして発売してくれていたり,定期テスト用だけではなく実際の大学入試対策レベルの問題集や参考書が山のようにあります。

 

実践的な問題にどんどん挑戦していきましょう。

 

問題演習における注意点

模擬試験の数学ⅠAで得点を伸ばす勉強をする際に,ちょっと注意しておいてほしいことがあります。
それは,

「目の前にある問題がとけるようになるためだけ」のための勉強はやめてほしい

 

ということです。

目の前にある問題が解けるようになることもたしかに重要ですが,結果を出すためにより重要になってくるのは,「その問題を通して何を得るか」です。

 

問題には必ず出題意図があります。

たとえば,「最大値や最小値を求めるために,放物線を左右に動かして場合分けを正確にすることができるか」,「一般の三角形で成り立つこの公式がなぜ成り立つのかしっかり説明できるか」,「場合の数を数えるときに,何をカウントしなさいと言われているのか正確に読み取れているか,さらにそれを抜け漏れなく数え上げることができるか」などです。

 

これらの積み重ねが,後の「初見の問題を解く能力」につながっていきます。
「その問題の答えを出す」だけではなく,「その問題から何を得るか」も大切にして勉強を進めていただければと思います。

そのためには,問題を解いて答え合わせをするよりも,「なぜその解き方でこの問題が解けたのか」や「そもそもどうしてそのように解こうと思ったか」などの検証が大切になってきます。
解き終わった後の研究により、、時間をかけて,その問題を友達にわかりやすく解説できるところまで理解を深めたいところです。

 

このことに注意して,以下各分野についてのお話をしていこうと思います。

 

数学ⅠAの内容を大きく分けると……

まずは全体を大きく分けてしまいたいと思います。数学ⅠAは大きく分けると,

・基礎計算
・2次関数
・幾何(図形)
・場合の数・確率
・整数
・データの分析

 

くらいに分類することができると思います。

基礎計算については前回の記事でうるさく(笑)言いましたから今回は割愛します。
その他各分野について話していくことにします。

 

2次関数

放物線
重要度でも優先度でもおそらくトップになるのが2次関数になるのではないかと僕は思っています。

数学ⅠAだけでなく,Ⅱ,Ⅲ,Bでもいろいろなところでガンガン出てきますから,「2次関数の問題が解けるようになる」というよりは,「2次関数の知識を自在に使えるようになる」を目指すことが大切になってきます。

 

2次関数ではグラフの概形が見えるかどうかが鍵

そのためにとにかく出来るようにならなければいけないのは,数式からグラフの概形がすぐ見えるようになることです。

2次関数はほとんどの場合グラフを考えていくことが重要になってきます。
まずグラフの形や位置など必要な情報がすぐ見えなければ問題を解くのに使えませんし,その情報を得ることに苦労しているようでは,その先の問題を解く前に疲弊してしまって,何をしたかったか忘れてしまったり自分で何をしているのか分からなくなってしまいます。

 

$x^2$の係数をみてどちらに凸な放物線なのか,平方完成をして頂点はどの辺にあるのか,程度のことは,特に悩むことなく自然にできるようになるまでまずはグラフを描く練習をしましょう。

グラフさえしっかり描ければ,少しくらい定義域が変化しても,少しくらい放物線が動き始めてもあまり困りません。
すらっとグラフが書けるようになる練習は必須です。

 

それを身につけた上で,いろいろな問題に挑戦していきましょう。
グラフがすんなり描ける状態になってから問題演習に入るだけでも得られるものの量が全然違ってきます。

 

幾何(図形)——訓練の積み重ねが鍵


苦手な人が非常に多い分野です。
幾何は訓練の積み重ねが非常に大切になる分野ですから,一問一問からできるだけ多くを学びたいところです。

 

幾何(図形)は公式の証明を。

解き方がわからなかった問題では,まずは模範解答の真似をして自分で答えを出し,その後は「なぜその公式を使ったのか」,「なぜその公式を用いるとその問題を解くことができるのか」をしっかりと振り返りたいところです。

 

そのとき一番力になるのは,そこで用いた公式をちゃんと証明してみることです。

正弦定理や余弦定理など,無理やり覚えはしたけれどなぜその関係式が成り立つのかをしっかりと説明できる人はかなり少ないです。
そしてその証明の中に,便利な考え方や補助線の引き方がたくさん隠れていることが多いです。

学校の教科書でも良いですし,市販の参考書でも構いませんので,公式の証明がしっかり書かれたものを辞書のように手元に置いておくとすぐに確認することができるのでオススメです。

 

場合の数・確率


ここも苦手な人が非常に多い分野です。

苦手な人ほとんどに当てはまるのが,「出てきた数字が何を表しているのかわからない」ということです。
何を表しているのかわからないのですから,そもそも自分が問題を解けているのかどうかも分かるわけがありません。というより,それは問題が解けているのではなくて,答えの数字がたまたま偶然出てきているだけです。
これでは絶対に安定した得点をとることができません。

 

場合の数・確率が苦手な人は「書き出す」練習をする

苦手な人にまずやってもらいたいのは,「数えなさい」と言われているものを具体的にちゃんと書き出す練習をすることです。

たとえば,「A,B,C,D,Eの5文字の中から2文字選ぶ組み合わせは全部で何通りあるか」という問題に対して,5C2=10でおわってほしくないのです。
そうではなく、(A,B),(A,C),(A,D),(A,E),(B,C),(B,D),(B,E),(C,D),(C,E),(D,E)の合計10通り,としっかりわかってほしいのです。

 

これが各問題で見えているのと見えていないのとではもう世界が変わってきます。

問題を解き始めるときに,「どう計算しようかな」と考えるのではなく,

今どんなものを数えろと言われているのかな。こういうのとか,こういうのとか,……。なるほど,こういうのが全部で何種類あるのか数えろと言われているのか。じゃあどうしようかな

という思考回路でいてください。
解ける問題が格段に増えますし,計算なんてしなくても書き出すだけで答えがわかってしまう場合も多々あります。

センター試験では具体的に数えているものを書き出すだけで満点を取れてしまう年が何年もありました。
共通テストではどうなるか楽しみです。

 

整数


整数は非常に独特な分野になります。
普段やらないような変形や考え方がどんどん出てきてなかなか自分のものにできない人が多いように感じます。

しかし,なぜそのようなことが起こっているのかを考えてみましょう。
少し考えると当たり前だと分かると思います。

そもそも整数問題というのは,「実数ではなく整数の世界で問題を解きなさい」と言われているのですから,「実数ではできなかったけれども整数ならできること」や「実数だったらできたのに整数だとできない」ことに着目するわけです。

 

ここに着目すると,整数問題の主な解法というのは結局

・掛け算の利用
・割り算における余りの利用
・不等式での区間限定

 

の3つくらいなのです。

問題を解き終わってからの復習では,その解法が上の3つの解法のどれに当てはまるのかを分類してみてください。
復習だけでなく普段の整数問題の勉強でも解法の分類を意識して勉強してみてください。

かなり頭の中が整理されて使いやすくなると思いますよ。

 

データの分析


データの分析で大事になってくるのは,定義,計算力,数値やグラフの分析,の3点です。

とにかくこれに尽きます。

まずはしっかりと教科書に登場するものの定義をしっかりと覚えて,あとはガンガン問題に挑戦していきましょう。
センター試験の過去問題くらいがちょうど良いと思います。

 

ただ数字を出して終わるのではなく,より簡単に早く解く計算の仕方はなにのかや,間違いの選択肢がなぜ間違いなのか説明できるようになるまで復習しましょう。

センター試験の過去問題がしっかり解けるようになればもうそれだけでかなり力がついたと言えるのではないかと思います。
あとは計算ミスとの戦いですね。

 

おわりに

以上,模擬試験での得点力をつけるための勉強の仕方や各分野の注意点についてお話ししてみました。

もちろん人によって伸びない原因は様々ですから,上のようにやれば確実になんとかなるというわけではありません。

しかし,自分のやり方が全然見つからない人や,伸び悩んでいる人でこれまでのお話と真逆のことをやってしまっている人はぜひ参考にしてみてください。

 

それでは今回はこれくらいにしておこうと思います。
また次の記事でお会いしましょう。

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