[連載小説]像に溺れる #4「像」の世界——像に溺れる 自宅の最寄りの駅からは、よく手入れされた並木通りが南に向かってまっすぐに伸び、日中の街並みはいつも陽光に包まれている。四つの車線の端には、並木と花壇のスペースが... 2020年10月10日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #3「孤立」という状況——像に溺れる 孤立という状況は物理的な距離とは関係なく生じるもので、彼女とぼくたちの間には精神的な断層のようなものができていた。ヤナガワサンの席の位置は変わっていないのに。 ... 2020年10月3日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #2場違いなオレンジ——像に溺れる チャイムが鳴り、担任の岡本先生が入ってくる。一斉に伸びる背筋とともに、気怠さと緩慢さはしまいこまれて、起立、気を付け、礼の号令が、ひと息ごとに夏休みを飛び越して... 2020年9月26日 鹿間 羊市
[連載小説]像に溺れる #1「適応」の行方——像に溺れる 両岸の護岸ブロックによって窮屈な軌道を強いられたその川は、固有の名前を誰に意識されるでもなく、地面が生まれつき備えた宿命的な皺のように、物言うことなくその地を二... 2020年9月19日 鹿間 羊市