受験生のための現代文学習ロードマップ

こんにちは、羽場です。

いきなりですが、「現代文の学習はただ問題を解いていくしかない」と考えている人はいませんか?
「現代文は勉強してもしなくても変わらない」と思っている人もいるかもしれません。

大学入試の現代文は他科目と同様、きちんと勉強していくことで成績も伸びていく科目です。
今回は、特に現代文が苦手な人に向けて、大学入試現代文の学習をしていく上で目安となる時期別の学習イメージを紹介します。

現代文に苦手意識を抱いている人も、現代文学習が順調に進んでいる人も、1年間の学習イメージを持って勉強を進めていきましょう。

現代文学習で重要なポイント

先日、受験生になる皆さんに向けて、3月までに取り組んでおくべきポイントを解説したこんな記事を書きました。

この記事の中で解説したポイントは以下の4つです。

・現代文の学習イメージをつかむ
・語彙力の拡充

・本文読解の基本を確認
・知識の獲得

これらのことを意識したり学習したりするのが重要なのは3月だけではありません。
現代文の学習をする際には常に意識をしておいてください。

その上で、これからお話しする1年間の現代文学習イメージを参考に、学習を進めてください。

時期別の現代文学習イメージ


現代文の勉強をしていくにあたり、1年間(実質10ヶ月程度)を5つに分けて考えましょう。

① 3〜5月……現代文と向き合う
② 6月……長文を読む力を養う
③ 夏期講習期……2学期の現代文学習への橋渡し
④ 9・10月……現代文の実戦力を養う
⑤ 11月〜……過去問演習/形式に慣れる

詳しく見ていきましょう。

 

[3〜5月]現代文と向き合う

先ほど紹介した、3月までに取り組んでおくべきポイントを解説したこちらの記事でも触れていますが、現代文学習の一番大切なポイントは「現代文という科目ときちんと向き合い、適切な学習をしていく」ことです。

そこで、現代文に苦手意識を持っている人や現代文の学習イメージがつかめていないと感じている人は、まずは安達雄大先生の『安達雄大のゼロから始める現代文』に取り組んでみることをお勧めします。
特に、第1章「現代文開始の前に……」は必読です。

その上で、この時期に取り組むべきポイントは次の二つです。

①漢字・語彙の習得(1年間通じて)
②短めの文章を通して基本的な読解技術を学ぶ

 

漢字・語彙の習得

大学入試現代文では、設問で漢字の読み/書き取りが求められることがよくあります。
また、現代文で出題される文章の中には、「言葉が難しくてわからない」と感じそうなものも少なくありません。

こうした「語彙力」に関わる問題をクリアするためにも、この時期からコツコツと漢字や語彙の学習を進めていきましょう。

以前、語彙力に焦点を当てたこんな記事も書きました。


この記事の中でも詳しく解説したように、参考書や辞書を活用しながら語彙や前提知識を補強していきたいところです。

現代文の頻出語彙を習得するのにおすすめの参考書は、『イラストとネットワーキングで覚える現代文単語 げんたん』です。


※『げんたん』を詳しく紹介した記事はこちら。

隙間時間でも構わないので、こまめに触れ続けることが重要です。

 

短めの文章を通して基本的な現代文読解を学ぶ

現代文はとにかく多くの文章問題に取り組めば良いのではありません。

特に、現代文が苦手な人はいきなり長文から始めるよりも、短めの文章を通していわゆる「読み方」を学ぶところから始めていきましょう。

ゼロからきちんと積み上げていきたい人は『船口のゼロから読み解く最強の現代文』『安達雄大のゼロから始める現代文』を活用しましょう。


少し学習が進んでいる人には『池上の短文からはじめる現代文読解』がおすすめです。

『池上の短文からはじめる現代文読解』(学研プラス)のレビューはこちら

これらの参考書を通して入試現代文の「読み方」のイメージを掴み、問題集で練習を積んでください。



さらに学習が進んでいる人は『無敵の現代文記述攻略メソッド』に取り組んでみると良いでしょう。

 

[6月]長文を読む力を養う

5月までの学習を通して、入試現代文を「読む」イメージがつかめてきたら、少しずつ長めの文章に触れていきます。

ここでも重要なのは、現代文はとにかく多くの文章問題に取り組めば良いわけではないと意識すること。
丁寧に文章を読み、丁寧に問題を解き、丁寧に復習をし、次の問題を解く際に生かす意識を持ちましょう。

 

[夏期講習期]2学期への橋渡し

夏期講習期にあたる時期の現代文学習については、以前詳しく解説しています。
こちらの記事もご覧ください。

この時期は予備校の夏期講習を受講するかどうかにかかわらず、まずは前期の復習に励んでください。

 

現代文の復習[1] 本文解説・ノート・プリント等を見直しながら文章を読み直す

現代文の授業や参考書で解説されていた「考え方」を意識しながら文章を読み直します。

入試現代文の文章を読むときにどのようなところに注目しろと言われていたか、どのような考え方をしながら現代文を読んでいたか、現代文読解プロセスを丁寧に辿ってください。

時間は気にしなくて大丈夫です。

 

現代文の復習[2]解き直し

[1]の作業を通して理解した文章内容をもとに、もう一度設問に解答してみます。

現代文の問題を解くときは、選択問題だろうと抜き出し問題だろうと、記述的な思考回路が辿れるかどうかが勝負です。
解答のイメージをつかみ,それに一番近い選択肢を選ぶ。
自分の思い浮かべた解答のイメージと正解選択肢の内容が一致していればOKです。

 

現代文の復習[3]語彙・知識の確認

読み直した際に再び自分が引っかかりを覚えた語彙や文法、前提知識について調べてみましょう。

 

現代文の問題演習

前期や(受講している人は)夏期講習の授業内容を徹底的に復習しつつ、現代文も問題演習に励みましょう。

前期から夏にかけて学んだ読み方や考え方を定着させ、二学期以降により実戦的な問題に進んでいく準備を整えます。



 

[9・10月]現代文の実戦力を養う

これまでに身につけた力をもとに、より実戦的な力を養っていきます。

ここでも、「解くだけ」「こなすだけ」にならないように注意してください。
丁寧に文章を読み、丁寧に問題を解き、丁寧に復習をし、次の問題を解く際に生かす意識を持ちましょう。



本文内容についての理解にもこだわってください。

現代文では「苦手なテーマの文章」というのがそれぞれにあるものですが、そうしたテーマにも慣れていくことが必要です。

 

[11月〜]過去問演習/形式になれる

この時期からは、それぞれの志望大に合わせて過去問演習をしていきます。
最大の目的は、大学が要求する現代文の水準の確認と、形式に慣れることです。

大方の予想と異なり、令和3年度の共通テスト現代文では実用文の出題や韻文の出題等が見られませんでしたが、今後も出ないとは限りません。
また、問われ方が新しくなった問題も見られました。

これらの問題についてはある程度の「形式慣れ」も必要です。
過去問や問題集を通して形式に慣れていきましょう。

 

知識事項の確認も忘れずに

この時期も、漢字・語彙・さらには文学史等の知識事項の確認は忘れずに行いましょう。


これらの対策は手薄になりがちですが、短時間の学習でも構わないので毎日継続して行うことが重要です。

他科目の学習から現代文に切り替える際、漢字に取り組んでから読解演習を行う、朝起きた直後に漢字の問題に取り組んでみるなど、隙間になるであろう時間を有効活用しましょう。

 

おわりに


現代文という科目を扱っていて、たまに聞かれることがあります。
曰く、

筆者までも間違える問題に何の意味があるのか

曰く、

解釈は自由だ

たしかにそうかもしれません。
でも、誤解を恐れずに言えば、私にはそれだけが真実だとは思えません。

文章には適切な書き方があり、適切な読み方がある。
あるいは、文章には妥当な書き方があり、妥当な読み方がある。

それを私たちは一生かけて学び取っていくものなのではないかと思っています。
今の自分に「妥当な」読み方ができているのかを自問自答しながら文章と向き合い続けるのではないかと。

その一つの指針というか、補助線になるのが大学入試現代文の設問なのではないかとも。

そういえば以前、友人がこんなことを言っていました。

今の課題はプリセットの知識量もそうだけど、いかに目の前の課題を把握して、知らない知識の調べ方が分かっていて、資料を読み込んで理解する能力だと思うんだよなぁ…
※プリセット――ここでは「あらかじめ持っている」の意

この友人は教育業界にいるわけではないのですが、様々な企業と関わる中でこう感じたそうです。

文章は言葉を用いている以上、「唯一絶対の解釈」というのはなかなか決まらないものではありますが、「適切な理解」「妥当な解釈」というのは重要です。

大学入試に向けた現代文の学習がその土台を築いていくことにもつながるのかもしれません。
もちろん、大学での学びの基礎になるのが「文献を適切に読み、適切に理解する力」であるのは言うまでもないことですが。

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