例題で確認!「漢文が読めない」悩みを克服するための2つのポイント

こんにちは。安田です。
今回は、「漢文が読めない」というお悩みを持つ人に向けて、どうやったら読めるようになるのかの取っ掛かりを提示できればと思います。

そりゃもちろん、句形を覚えて読解演習を積め、と言えばそれまでかもしれませんが、読む上で何を意識するのか、高校までに培ってきた能力をどう使うか、という点をお話しさせていただくので、参考にしてもらえればと思います。

漢文学習の進め方

漢文学習の進め方
1.漢文の基本構造を押さえる
2.漢字から意味を推測する意識を持つ
3.句形を学んで習得する

※返り点の基礎知識は身についている前提ですので、「レ点」や「一・二点」が怪しいという人は、教科書を開き、ドリルなどを使って練習して身につけておきましょう。

 

漢文の基本構造を押さえよう

高校で学習する漢文は、ほとんどが昔の中国および日本で書かれた作品群のことを指します。

日本では古くから中国の文化・文明を受容してきましたが、中でも文や詩などはその根っこのものとして長く愛され、学問の基礎とされてきました。
もはや日本の古典と言って差し支えなく、古文はもちろん、現代の日本語を扱う上でも重要な言葉と考えていいでしょう。

 

漢文を解釈する上で「文構造」が最重要

細かい句形を習得する前に、漢文を読む上でぜひ認識しておいてもらいたいことがあります。
漢文を解釈する上では「(現代の日本語や英語以上に)文構造が最重要だ」ということです。

漢文には、現代の日本語における付属語(助詞や助動詞)、英語における前置詞や語形変化がありません。
文や単語の意味を決定づけるこれらのパーツがない以上、漢文では「語順」と「単語同士のつながり」が意味・内容を決定づけます。

これらをキャッチすることが「読めない」から「読んで分かる」ようになるための第一歩です。

テキストによって、基本文型は5~7個と幅はありますが、基本的にはどのテキストも言いたいことは同じで、区分けの仕方が異なるだけです。
「主語+述語」を第1文型と呼ぶと、英語みたいですよね。
英語で5文型は必須でしょうから、それと照らし合わせて認識できるようにするといいと思います。

 

漢文の基本構造を学習する際の注意点

ですが、ちょっと違う部分もあります。特に大事な部分を挙げておきます。

・「動詞」ではなく「述語」。日本語と同じく、「述語」部分に形容詞がくる場合も多々ある。
・「主語」は日本語と同じく省略されることが多い。
・強調のために倒置していることがわりと多い。

この辺を意識して読みの練習をしていくのがいいですね。

 

漢字から意味を推測してみる

返り点というのは、「日本語と語順が違う文を、日本語の語順で読んじゃおう」という非常に画期的な発明です。
一部の設問部分以外では返り点と送りがなが振られていますから、内容をつかむ上で語順は分かりますね。

語順さえ分かっていれば、あとは漢字を見れば意味が分かります。
漢字は、文字そのものが意味を宿していますから、小学校から学んできている漢字の知識が大いに活躍してくれます。

漢字の意味を捉えるための技術として、「訓読みする」「その漢字が使われている熟語を考える」という2つを駆使できるといいでしょう。

漢字の読み書きを学習することは漢文学習の準備運動

ここで、漢字の読み書きが苦手、という人は漢文の学習においてもハンデを背負っていることに気づくと思います。
特に、読めない&意味がわからない漢字がたくさんあると厳しくなりますね。

大学入学共通テストの国語をはじめ、大学入試でも漢字の読み書きは大切です。
漢文の準備運動も兼ねて、しっかりと勉強しておくことをオススメします。

「訓読み」と「字の持つ意味」を確認しながら覚えていくのがポイントです。

 

漢文の文構造を意識した解釈を実践してみよう

ここでひとつ例文を使って、ここまでの話を実践的に見てみます。返り点・送りがなを付けず、白文で見てみましょう。

例題
項 梁 教 籍 兵 法。

 

「項梁教籍兵法」の読み方・解釈【解説】

文構造の基本は「主語+述語」で、述語の後ろにはいろいろな情報がくっつきます。

頭から読んでいくと、「教」というのが「教える」のように使いますから、動詞っぽいですよね。
そうすると、動詞の前は原則的には主語でしょうから、「項梁」という人が、くらいで受け取っておきます。

次に、「籍」を見ると、「戸籍」「入籍」などが現代語的には思い浮かびますが、いまいちよくわからないので、一旦飛ばしておいて「兵法」を見ます。

「兵法」は分かってほしい言葉。

「兵」は「兵士」「兵隊」などに使う漢字で、おもに軍隊や戦争のことを意味します。
「法」は「方法」「法律」あたりが出てくればいいでしょうか。
やり方であったり、決まりであったり、くらいの意味で認識できます。

「孫子の兵法」などで有名ですが、軍学や兵学のことで、中国においては単なる作戦・戦術だけでなく、深い思想性を持って人生一般に通じる学問でもあります。

ここまで見ると、「兵法」というのは学問的な要素があるので、「兵法を教える」みたいに返って読むのだろうと想像がつきます。

 

「文型」のイメージから当たりをつける

勘のいい人は、ここでSVOOの文型が出てくるかもしれません。「~に…をVする」という、アレです。
漢文にもこの形はあります(漢文のテキストでは、一般に「主語+述語+補語+目的語」と説明されていると思います)。

そこまで分かると、「籍」は誰だか知らないけど人かモノか何かだろう、と当たりをつけることができます。

まとめると、だいたいこんな解釈になります。

「項梁教籍兵法」の解釈
「項梁が、籍に、兵法を教える(教えた)。」

なお、人物を示す語はたいていそれと分かるように注釈が付いていることも多いので、ほぼほぼこれで意味は取れるわけです。

 

「漢文の基本構造」「漢字の意味」の実践で読める部分が増える

漢文の基本構造を知っておくこと、漢字を見て意味を考えること、この2点を実践するだけで、読める部分は増えてきます。

もちろん、これだけですべて読めるわけではありません。
解釈がズレることもありますし、文の基本構造を崩してくる特定の句形を知っていないと読めないものも多々あります。

今回紹介した読み方を基軸としつつ、テキスト1冊分の句形を学習し、「見て分かる」状態にすることが肝要です。

※なお、「籍」は「項籍」、項羽という人物を示しています。日本では『項羽と劉邦』で有名です。多くの教科書に『鴻門之会』が掲載されているので、高校生としては知っておきたいですね。ゲームなどでも過去の英雄としてよく出てきますよ。

 

おわりに

漢文は普段触れている日本語とは違うというイメージが強いと思います。

しかし、その内容の多くは今の日本語、日本の文化にも根付いています。
また、日本人が漢文を受容して受け継いできたことを思えば、日本の古典として考えて差し支えないと思います。

語順さえつかめれば、古文の漢字バージョンくらいで認識できます。

ちょっと意識を変えてみるだけで、読めないと嘆いていた文章が、少しは読みやすくなるはずです。
そこから句形学習に入ると習得しやすくなると思いますので、頑張って学んでみてください。

広告

※本記事はプロモーションを含む場合があります。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事