世界史用語集を使った効果的な世界史学習とは

「世界史用語集・辞典の収録語数比較」では、各用語集の収録語数にこれほど違いがあることに驚いた方もいるかもしれません。

そしてまた、受験生のバイブルとされる山川出版社『世界史用語集』の収録語数が他と比較すると少し頼りなく感じたかもしれませんね。

ただし注意したいのは、難関大入試において、細かすぎる用語を追いかけすぎるのは考えものだということです。

世界史用語集では標準的な用語の習得を目指す

確かに早慶をはじめとする難関私大では、一部の用語集や図説にしか載っていないような用語が出題されることもあります。

例えば2018年の早稲田大学文化構想学部の入試問題では、語句記述問題として「アール=ヌーヴォー」が出題されました。
この用語は、2014年以前に流通していた山川出版社『世界史B用語集』には頻度①で掲載されていましたが、今の受験生が使用する新版『世界史用語集』には掲載されていません。

 

現在、この用語が見出し語として掲載されている用語集は実教出版『五訂 必携世界史用語』だけです。

とはいえ、このような微細な用語を問う問題の出題数は全体からすればわずかであり、対策を立てにくいこともあって他の受験生との差も付きにくいものです。

もちろん、世界史がもともと得意で、早慶入試では確実に9割を越えたいという目標を持つのであれば、収録語数の多い用語集を活用して、未知の用語を極限まで減らしていくのも一つのやり方ですが、多くの普通の受験生にとってより効果的なのは、標準的な用語の周辺知識を増やす学習です。

 

いわゆる難しめの入試問題では、単に細かい用語を問うているから難しいということは少なく、「標準的な用語に関してどれだけ正確な理解をしているか」を問うことが多いのです。

 

例題で考える標準的な世界史用語の習得

例を挙げましょう。慶應義塾大学で出題された問題です。
ぜひチャレンジしてみてください。

例題

以下の中から誤った記述を選び、その番号をマークしなさい。

 フランス革命やナポレオン戦争に際して、アメリカ合衆国は中立の立場をとり貿易で大きな利益をあげていた。

 アメリカ合衆国は、自国の客船ルシタニア号がドイツの潜水艦に撃沈されたのをきっかけに、第一次世界大戦への参戦を決めた。

 第二次世界大戦においても、アメリカ合衆国はヨーロッパで戦争が始まってから2年あまり後に参戦したが、参戦前から連合国を支持する姿勢をとっていた。

 アメリカ合衆国は、1949年に北大西洋条約機構の発足に参画し、集団的防衛体制を築いた。

いかがでしょうか。
正解はイです。

鈴木悠介による問題解説


 アメリカ合衆国は、自国の客船ルシタニア号がドイツの潜水艦に撃沈されたのをきっかけに、第一次世界大戦への参戦を決めた。

誤っている点はアンダーラインを引いた箇所です。

①ルシタニア号は「自国」ではなく「イギリス」の客船である
②アメリカはルシタニア号事件の後に即、参戦を決めた訳ではない

 

以上からイが正解となる訳ですが、この問題は「第一次世界大戦」の単元で必ずと言っていいほど学習する「ルシタニア号事件」についての正確な理解が問われていたと言えるでしょう。

決して微細な用語を追求したからできるようになる問題ではありません。
むしろ問われるのは、用語集の見出し語のインプット数ではなく、標準的な用語の「用語説明」をどれだけしっかりと読み込んでいたかどうかです。

 

正誤問題を得意にするには、標準的な用語を、その説明文も含めて深いレベルで習得することです。

 

世界史正誤問題を得意にするには一問一答の逆アウトプットが効果的


そのための発想として、通常の「一問一答の逆」のアウトプットを心がけましょう。

普通、「一問一答」を使った世界史学習では、用語そのものを答える場合がほとんどですが、「用語をみて説明文を言える」のが次の段階です。

 

もちろんこれはかなりハードですが、世界史の実力は飛躍的に向上することは間違いありません。
とくに多くの受験生が苦手とする正誤・論述問題への効果的な対策にもなります。

「説明文」をアウトプットするのが難しい場合は、用語を説明するキーワードの箇条書きをしてみるだけでも違います。

 

世界史講師がオススメする一問一答問題集

実は、以前紹介した『世界史単語の10秒暗記ENGRAM2250』(学研プラス)には、上記の考え方が設計思想の根本にあります。

本書の紙面を見てもらえばわかる通り、すべての見出し語のすぐ横には「出題キーワード」と称した、その用語を説明するためのキーワード集が掲載されています。

そこで、「出題キーワード」から見出し語を連想できるようになったら、ぜひ見出し語から「出題キーワード」をアウトプットできるか試してみましょう。

 

こうした使い方ができるのも、「ENGRAM世界史」の特長の1つです。

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