どうも, みなさんこんにちは。高橋佳佑です。
今回は新課程の数学ⅡBの単元とそれらの関係性についてお話しします。
勉強するときの目標設定の例として参考にしていただけたら幸いです。
目次
数学ⅡBの単元と数学IA, ⅢCとの関係性
数学ⅡBの単元は数学ⅠA, ⅢCの単元とつながりがあるのでそれをまとめてみます。
数学Ⅰで学習する「数と式」, 「二次関数」はどの単元でも重要になるので今回は省略しています。
次に, 各単元の内容を具体的に見てみましょう。
数学ⅢCの各単元の内容
【数学Ⅱ】「いろいろな式」の学習内容
中学校, 数学Iで学習した展開, 因数分解では2乗の公式を学習しましたがこの単元では3乗あるいは, 一般の\(n\)乗の展開公式となる二項定理を学びます。
さらに多項式の分数の計算や整数で行っていた割り算を多項式で考えたり, それを利用して式の値を求めたりすることを学習します。また, 数学の問題を解く上で重要となる等式や不等式の証明法などを学習します。
高次の方程式にアプローチできるようになる
現在扱っている数は2乗すると必ず0以上になる実数ですが, ここからは2乗して負になる数である虚数を導入し, 扱える数を複素数と呼ばれる数まで拡張します。
また, 3次以上の多項式を因数分解するのに役に立つ因数定理というものを学習し, 高次の方程式にもアプローチできるようになります。
【数学Ⅱ】「図形と方程式」の学習内容
序盤は数学Cの「ベクトル」でも登場する内分点や外分点に関する公式や三角形の重心の座標の公式が登場します。
中学校で, 1次関数のグラフが直線になることを学習していますが, ここで再び直線について学び, さらに新たに\(xy\)平面内で円の方程式を考えたり, 点と直線の距離の公式を利用する問題を考えます。どの問題も入試に直結します。
数学C「複素数平面」にもつながる「軌跡」「領域」
このあと, 条件を満たす点がどのような図形を描くかを考察する「軌跡」というものを学習したり, 不等式を満たす点\((x, y)\)の集合を考察する「領域」というものを学習します。
【数学Ⅱ】「三角関数」の学習内容
数学Iで学習した\(sin\), \(cos\), \(tan\)がここで再び登場します。
つまりこの単元の目標は次の3つです。
- 三角関数のグラフが書けるようになる
- 方程式や不等式を解けるようになる
- 最大値, 最小値を求められるようになる
三角関数の加法定理
いろいろな方程式や不等式の解, 関数の最大値や最小値を求めるために, ここでは様々な公式が出てきます。高校数学の中では最も有名な定理の1つ, 三角関数の加法定理です。この加法定理から倍角の公式, 半角の公式, 合成などが導けるようになります。
【数学Ⅱ】「指数関数, 対数関数」の学習内容
中学校で学習した累乗の指数の計算方法に関してここで再び学習します。
これまでは\(2^3\)や\(x^2\)のように正の整数乗を考えていましたが, ここでは実数乗を考え, これまでの指数法則と同様の法則で計算できることを学びます。このあと\(2^x=3\)となる\(x\)がただ1つ存在することを学習し, この\(x\)はいったいどんな数なのかを考えます。これが対数の始まりです。
「指数関数,対数関数」の学習目標は3つ
ここでは指数関数と対数関数についての学習なので, 目標は次の3つになります。
- グラフの概形と特徴を理解する
- 方程式や不等式を解けるようになる
- 最大値, 最小値を求められるようになる
さらに対数では常用対数を利用して累乗の指数で表された数の桁数などを求めることが可能になります。
【数学Ⅱ】「微分積分」の学習内容
この単元の序盤では, 微分という新しい計算方法を学習し, 多項式で表される関数のグラフの接線を考えたり, 3次以上の関数のグラフが書けるようになります。さらに積分を学習すると, 曲線で囲まれた図形の面積を計算できるようになります。
新しい計算方法なので, 計算演習を通して素早く正確に答えが出せるようにしましょう。また, 面積を計算するときにグラフの概形が必要になったりするので, 直線や2次関数, 3次関数のグラフの概形はさっと書けるようにしましょう。
「微分積分」5つの学習目標
ここでの目標は
- 接線の方程式を求められるようになる
- 最大値, 最小値を求められるようになる
- 方程式や不等式への応用を理解する
- 積分計算ができるようになる
- 面積を求められるようになる
この他にも微分の定義の式など, 意味を考えながら覚えるべきものがあります。特に数学Ⅲの微分積分の土台になる式がたくさんでてくるので, ここできちんと習得しておきたいです。
【数学B】「数列」の学習内容
\(1, 4, 9, 16, 25, \cdots\cdots\)のように数が並んだものを数列といいます。この数列の\(n\)番目の数は\(n^2\)と推測できるでしょう。数列の\(n\)番目の数を第\(n\)項や一般項と呼びます。
そのための公式やテクニックを学習します。上の例では, 一般項が\(n^2\)であったとき, 第\(n\)項までの和, すなわち\(1+4+\cdots\cdots+n^2\)は\(\frac{1}{6}n(n+1)(2n-1)\)となることを証明したり, これを公式として覚えることになります。
入試でも頻出テーマの「漸化式」
数列の単元でとても重要なのは, 漸化式という数列の項同士の関係式から一般項を求める問題です。例えば, 一般項を\(a_n\)と表すとき, $$a_1=1, a_{n+1}=2a_n+1 (n=1, 2, \cdots\cdots)$$という条件から一般項を\(a_n=2^n-1\)と求めるような問題です。
漸化式は入試でも頻出テーマで, 条件から漸化式を自分で立式して解くような応用問題も出題されています。
【数学B】「統計的な推測」の学習内容
この分野は数学Iデータの分析, 数学A場合の数と確率の知識が必要になります。
現状の入試問題では公式で処理できる問題が多く, 公式の正しい使い方と意味が分かっていれば得点できます。実際, 公式の中には高校数学では証明できず, こうなることが知られているというような言葉で認めている部分もあります。
そのためこの分野では
中学校で学習する「標本調査」をより詳しく学習する
さらに中学校で学習する標本調査について, より詳しく学習することになります。
教科書の範囲内ではできることが限られていて, それ以上深く考えようとすると高校数学の知識では足りないことが多いので, 一番実践的な分野ではありますが, 出題内容はある程度決まったものになっています。
【数学B】「数学と社会生活」の学習内容
この単元は入試範囲に含まれていないため学習する人は少ないと思います。
資料, データの読み取り方を実践的に紹介されています。内容は日常に沿ったものなので, 読んでみても楽しめるかもしれません。
おわりに
今回は新課程数学ⅡBの単元とそれらの関係性についてお話ししました。
それぞれの単元の目標や他の単元との関係性などを意識して学習を進めてください。
それでは,今回はこの辺で!