安田です。
勉強というのは、「今自分は何をしているのか」「何をしたいのか」を常に考えながら取り組みたいものです。
そういう意味で、国語は特に意識を強く持っていたいですね。
少し気を抜くと、漠然と文章を読んで設問に答えるだけ、になりがちです。
どこまで言葉にこだわれるか、というのが成績向上の秘訣です。
今回は、漢文の効果的な復習法について書きますので、参考にしてください。
目次
漢文復習の基本方針
解釈が取れない部分がないようにする
漢文の復習をするとき、「読めない」「意味が分からない」という部分はすべて解決できるようにしましょう。
特に漢文のメインとなる昔の中国の話は、日本の感覚と異なる部分もあります。
そうした背景知識も押さえておきたいです。
選択問題は選択肢全てを吟味する
選択問題では、正答の選択肢の根拠がどこなのかを求めるのはもちろんのこと、誤答の選択肢のどこがどう違うのか、というのを丁寧に吟味しましょう。
学校の漢文の授業(教科書)を復習するときのポイント
学校の漢文の授業で扱った文章は、定期考査でも出題されるでしょうから勉強は必須です。
そうでなくとも、教科書掲載の文章は漢文学習に最適な素材であることは間違いありません。
2. 教科書を見ながら書き下し文にする
3. 教科書を見ながら現代語訳する
4. 白文(訓点が付いていない漢字だけの文章)に自分で返り点・送りがなを振る
復習したい文章を開き、最初から音読していく
漢文の教科書で復習したい文章を開き、最初から音読していきます。
返り点に注意しながら、何度も繰り返し読みます。
この際大切なのは、必ず漢文そのものを見て読むということです。
漢文は日本語とは語順が違いますが、この「スラスラ読めるように音読する」訓練を繰り返すことで、文構造のルールや返読文字など主要な知識が身についていきます。
教科書を見ながら書き下し文にしていく
歴史的仮名遣いや、日本語の付属語(助詞・助動詞)に当たるものをひらがなに直しているか等に気をつけながら進めます。
授業で扱った漢文であれば、ノート(プリント)を見ると模範解答があると思います。
必ず照らし合わせて確認をしましょう。
教科書を見ながら現代語訳する
最初は、教科書に載っている注釈や授業ノート(プリント)に書かれている解説等を参考にしても構いません。
本文やヒントを見て自力で訳を作ってみます。
これも授業で扱っていれば模範解答はありますから、必ず照らし合わせて確認します。
解釈がズレてしまったところは、漢和辞典を使ってその漢字の意味を確認する、学校の先生に質問する等して必ず理解しておきましょう。
白文に自分で返り点・送りがなを振る
自分で教科書の本文をノート等に書き写しておきます。
その際、本文と句読点だけを書き写し、返り点・送りがなは書きません。
それを原本としていくらかコピーを取って使えば何度でも練習できます。
スキャンしたりスマホの無料アプリを使ったりしてPDFにしておいてもいいですね。
パソコンが使える人は、Wordなどで作ってもいいでしょう。
※漢文をWordで打つとき、返り点などの入力は面倒ですが、白文は漢字を並べるだけなので、比較的簡単に作れます。
予習の段階でノートに本文を書き写す場合はコピーを取っておくだけで復習にも使えるので、一石二鳥です。
模試、実戦問題集の復習は授業の復習と同様に
基本的には教科書を用いた授業の復習と同じです。
自分の音読(読み方)、書き下し文、現代語訳が正しいかどうかは、解説を見ればすべてわかるようになっています。
書き下し文にすべて読みも振ってありますから、それを参考にするといいでしょう。
過去問は最上の漢文学習素材
漢文の受験対策において、共通テスト、志望校の過去問は最上の学習素材です。
共通テスト漢文はセンター試験の過去問を使いましょう。
基本的には教科書の復習と同じで大丈夫です。
書き下し文や現代語訳が手に入らない場合は自力で復習してみた後に相談をする
漢文は共通テスト(センター試験)の過去問の場合、十分な解説が容易に入手できます。
しかし、各大学の過去問では書き下し文や現代語訳などを含めた綿密な解説が手に入らない可能性もあります。
※書き下し文や現代語訳などの解説が赤本に掲載されているかは大学によります。
その場合、まず自力でできる限り読み、書いてみる。
その上で、学校の先生など専門にしている人に質問・相談してみるといいでしょう。
特に漢文が得意な先生がいれば最高ですね。
何もやらない状態で全部教えてくれと持ってこられても大変なのですが、自分でやれるだけやった上で分からないものを確認、という形であれば、先生も即応しやすくなると思います。
おわりに
せっかく時間をかけて取り組んだ文章を読みっぱなし、解いた問題を解きっぱなしにしていては、実力はなかなかついてきません。
どれだけ丁寧に復習し、自分ができないものを攻略しておくか。
特に漢文は学習に割ける時間が限られる科目です。
下手な鉄砲を数撃つよりも、一度でも触れたものを味わい尽くすように復習する、そんな気持ちで臨んでもらいたいと思います。
個別学習塾寺子屋はじめ塾長。
漢文を専門としつつも受験勉強のトータルプロデュースを行い、大学進学後を見据えた指導を行っている。
全国の大学受験生向けに国語のオンライン個別指導も行っており、難関国公立大の国語や医療系小論文の添削指導には特に定評がある。