
池上先生といえばセンター試験現代文対策本の『センター試験 国語[現代文]の点数が面白いほどとれる本』(通称:黄色本)の著者としても有名ですが,そんな池上先生が2018年に出版された評論文読解の参考書が『池上の短文からはじめる現代文読解』。
『池上の短文からはじめる現代文読解』を手に取るべき人
この『池上の短文からはじめる現代文読解』ですが、手に取るべきだと私が考える対象は
・現代文を学習しているものの、なかなか安定しない人
・本文の読み方に不安を抱えている人
・現代文は割と得意だが,もう一度基礎を確認したい人
あたりかと思っています。
要は,幅広い対象に響く一冊ではないかと思います。
『池上の短文からはじめる現代文読解』4つの特徴
本書の特徴は
②練習問題が「HOP」「STEP」「JUMP」の3段階
③「指示語のルール」「限定条件のルール」
④一度扱ったルールが再登場する際に参照する章が書かれている
この辺りが「さすが…」と唸った部分です(上から目線のようで恐縮ですが)。
ネタバレにならない程度に少し詳細を書き連ねていきます。
評論文読解のルールが懇切丁寧に説明されている
これについては説明不要かもしれません。
場合によっては難しく思ってしまうような内容も噛み砕かれており、非常にわかりやすくなっております。
練習問題が「HOP」「STEP」「JUMP」の3段階
ここがみなさんにとって最大のポイントでしょう。
現代文の問題集や参考書(場合によっては授業も)で学習していくときのネックになるのが
「読み方を学んですぐに長文をやるといろいろな情報が出てきすぎて混乱してしまう」
「そもそも『長文を読む』ことに対する抵抗感が拭えない」
という点だったりすると以前から感じておりました。
この『池上の短文からはじめる現代文読解』では、難易度や分量から「HOP」「STEP」「JUMP」の3段階で練習問題が掲載されています。
②そのイメージを持ったまま「中文」の「STEP」に取り組む
→学んだルールを文章の中で生かす練習ができる、
③最後に「JUMP」の本格的な長文を通してしっかりと身につける。
そんな使い方が可能になった意義というのは非常に大きいと思います。
しかもこの構成の甲斐もあってか、このサイズの参考書の弱点でもある「演習量が少ない」という問題も解決できるのです。
良質な問題を適度な量の演習することで、身につけておきたい読解ルールを自分のものに。
「指示語のルール」「限定条件のルール」
たとえば、指示語の把握。
日常会話では意識しなくても理解できる。
それにも関わらず評論文の中ではなかなかできなくなってしまう。
間違いなく多くの受験生を救ってくれる章だと思います。
再登場したルールも参照しやすい
評論文に限らず,現代文読解で欠かせないのが「汎用性」と「反復」。
その点、一度身につけたルールをしっかりと意識し続けられているかどうか確認しながら先に進めるというのは非常に重要なポイントでしょう。
結論:『池上の短文からはじめる現代文読解』は幅広い対象におすすめです。
というわけで,現代文に不安を抱えるみなさん。
是非取り組んでみることをお勧めします。

首都圏の予備校を中心に出講。
誰よりも自身が文章と戯れることを楽しみつつ、受講生の誰もが理解でき、かつ汎用性の高い考え方を提供する授業に定評がある。
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