漢文学習で辞書を引くということ―漢和辞典を最大限活用する―

安田です。
夏休みは受験生にとっては天王山ですが、1年生も2年生もまったく気が抜けない時期です。

高校受験を経験している高校生は、高校1年生の夏に中学3年生のとき以上の勉強をしたほうがいい、くらいの心構えは持っておいたほうがいいでしょう。
高校2年生ならもっと、です。

特に、国語や英語は早いうちからどんどん先に進めやすい教科ですし、進めておくべき教科でもあります。
特に漢文は3年生で学習する余裕が出ないことが多いので、なおさら1~2年生のうちにしっかり基礎を固めておきましょう。

漢文学習で「辞書を引く」ということ

英語の学習においては、辞書をよく引くと思います。
国語でも、現代文や古文では辞書をお供に読んだり考えたりしていると思います。

では漢文は? というと、あまり辞書を引くことはないのではないでしょうか。

実際、漢和辞典を開いたことがない、という生徒は多くいますし、それで受験を乗り越えてしまう人も多いでしょう。

漢文学習で辞書を活用することが、初見の文章への対応力にもつながる

ですが、漢文学習においてうまく使うと、理解が深まって初見の文章への対応力が高まりますし、なによりも語彙力強化に繋がります。

語彙力は現代文や小論文はもちろんのこと、英語も含めて全教科の下地になるものですから、漢文の学習で辞書を引くことを通して他の教科にも役立つ力を身につけていきましょう。

漢和辞典について――種類・内容

電子辞書を使っている人は、おそらく1~2種類は漢和辞典が内蔵されていると思いますからまずはそれで十分です。
電子辞書を持っていない人でも、紙の辞書は1冊持っておきたいですね。

学校で使うのはルール上難しいかもしれませんが、スマートフォンやタブレットの辞書アプリで購入するという手もあります(紙の辞書のように見やすくて私はアプリが好きです)。

基本的には、漢字の一字一字の成り立ち、読み、意味用法、熟語などが掲載されていて、付録として漢文の助字解説や中国の文化史年表などもあります。

漢字はその字が持つ意味をきちんと把握することが大切。
それができてくると、初めて見る熟語であっても漢字から意味が推測できるようになってきます。

漢文学習で出会う「名詞」に辞書を活用する

句形で学習する字は、句形学習の中である程度事足りることが多いでしょう。
高校生が辞書を活用してほしいのは、主に名詞で使われている字です。

「楼」「暁」「藍」「鼓」など、字を見たときに頭の中にイメージが湧きますか?

字を見るだけでイメージが作れる人と作れない人とでは、文章を読む際の理解度が大きく変わってきます。

そういうイメージ作りをする上で、その字が持つ根本的な意味をつかんでおくために、辞書を活用するのが非常に効果的です。

漢文の学習時に、イメージが湧かないな、と思うものがあれば積極的に辞書を引いてみましょう。

漢和辞典の引き方【3パターン+1】

目当ての字を引く際に、大きく3パターンの探し方があります。
ここでは、「楼」という字を紙の辞書で調べるのを例にして説明します。

漢和辞典の引き方
  1. 部首から引く
  2. 読み方から引く
  3. 総画数から引く
  4. (電子辞書)手書きで引く

部首から引く

漢字の部首から目当ての字を探します。

「楼」は「きへん」で、「きへん」は4画の部首なので、部首索引で4画の欄から「木」を探します。
そしてそこに書いてあるページに飛ぶと、今度は「きへん」以外の画数順に「きへん」の漢字が並んでいます。
「楼」は部首以外の部分は9画なので、「木部9画」のところを見ていくと発見できます。

読み方から引く

「楼」は音読みだと「ロウ」なので、音訓索引の【ろ】の欄、その中の「ロウ」のところを見ます。全部で13画の字なので、この欄の中で13という画数が書いてあるところを探して見ていくと発見できます。

総画数から引く

総画索引を使って、13画のところから「楼」を探します。

(電子辞書)手書きで引く

大変便利な検索方法として、調べたい字をタッチペンや指で直接書いて検索します。
ある程度丁寧に書けば、一発で求めている字に辿り着けます。

部首索引を最大限活用する

私は大学時代、「原則として部首で引け」と教わりました。

調べたい漢字が、なんとなくどういう意味で、日常的にどう使われているかというのを考えると、どのパーツが部首なのかはおのずと見えてきます。
部首さえ分かるのなら目的の字に辿り着きやすいです。

漢字の意味を考える、という意味で、「この字の部首はどのパーツだろうか?」と考えることは字に対する向き合い方を変えられます。
ぜひ部首索引を使って引いてみてください。

音訓や総画の場合、ありふれた読みや画数だと候補がたくさん出てくるため、その中から探すという手間がかかります。
部首が分からずとも「ロウ」と読めるなら音訓読みで、部首も読みも分からないとき総画で、と考えておくといいでしょう。

電子辞書やアプリの辞書では、手書きで直接検索できるのでたいへん便利ですね。
部首で引くのとは違うメリット(漢字を自分で「書く」)があるので、これもうまく活用するといいでしょう。

漢文学習のための「漢和辞典の見方」

「楼」を引くと、音読みの「ロウ」が示されていて、成り立ちと意味が並んでいます。

形声文字で、層の重なった建物の意であること、「つくり」の部分は省略形であることなどが分かるでしょう。
二階建て、高層の建物や物見櫓(ものみやぐら)、茶屋の意味もあるということが分かると思います。

総じて、「背丈の高い建物か」くらいのイメージをここでつかめればよいかな、という感じです。

「その漢字から始まる熟語の一覧」は必見

そして一番見てほしいのが、その漢字から始まる熟語の一覧です。

【楼閣】【楼上】【楼船】【楼櫓(ろうや)】など、漢文を読んでいく中で出てくる語が並んでいます。
さらに、辞書によってはイラストが載っていることも。

具体的なイメージを描く大きな手助けをしてくれるでしょう。
ここでこの熟語欄に目を向けることで、わずかな労力で多くの語彙力をつける下地が作れます。

辞書は分からない言葉(字)を調べる目的で使う人が多いとは思うのですが、そこから一歩進んで、そこに書かれている他の情報も読んでみましょう。

そういうささやかな寄り道が自分の語彙力や知識量に繋がり、1年後、2年後には大きな力となって、受験突破の礎になります。
これは漢文学習に限らず、です。

おわりに

今回、実はもっと辞書で見てほしいところはあえて省きました。

漢和辞典を「ほとんど使ったことがない」という人が多いと思うので、まずは「辞書を引く意義」と「基本的な引き方・見方」に絞って書いています。

辞書を引くという最初のステップに抵抗感少なく入ってくれれば嬉しいです。

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