日本史受験生が苦手意識を持ちがちな「経済史」を攻略する方法

こんにちは。日本史の河原です。
今回は多くの受験生が苦手意識を持つ「経済史」の勉強法を解説します。

「なぜ経済史に苦手意識を持ってしまうのか」と同時に経済史の対策法やおすすめの参考書・問題集も紹介しますので、ぜひ最後までご覧いただき、苦手を克服するイメージを持っていただければと思います。

なお、日本史における社会経済史は、農業史や土地制度史、貨幣史なども入りますが、恐らく一般的な受験生の経済史のイメージは「近代金融・財政史」だと思いますので、今回は近代金融・財政史に絞って紹介します。

土地制度史の勉強法については、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。

▼参考:「日本史の鬼門『荘園』の流れをおさえる3ステップの学習法」


それでは早速見ていきましょう!

経済史も「理解→暗記→演習」の3ステップ

Educational Loungeで繰り返し言及していますが、日本史学習の基本は「理解→暗記→演習」の3ステップが重要です。
どれが欠けてもいけません。

経済史学習でもこの3ステップの順で取り組みましょう。
ただし、他の単元と異なり経済史は「理解」と「演習」が特に重要です。

経済史は理解がカギ――経済史が苦手になる2つのパターン

特に私立大学の入試は今でもある程度用語を覚えていれば、解けてしまう問題が多々あります。

ところが、経済史の場合は、経済の仕組みを理解していないと解答できない問題が存在します。
そのため、暗記だけで対処してきた受験生が躓くのが経済史なのです。

経済史の理解に苦戦している受験生は、以下の2パターンに区分できると思います。

経済史を苦手にする2つのパターン
  1. 高校日本史の経済史が理解できない
  2. 中学社会の経済の内容が理解できていない

順番に解説しましょう。

高校日本史の経済史が理解できない

例えば、金本位制など高校日本史で本格的に扱う内容が理解できないパターンです。

高校日本史で本格的に扱う内容が理解できない受験生は、まず講義形式の参考書を何度も読み、それでも分からなければ学校や予備校の先生に質問しましょう。

講義形式の参考書であれば、『ナビゲーター』シリーズがおすすめです。

明治時代が3、大正・昭和時代が4なので、とりあえず3から読んでみましょう。

中学社会の経済の内容が理解できていない

経済史が理解できない受験生の2つめのパターンが

中学社会の経済の内容が理解できていない

です。
これは本人も自覚していない場合も多いのでより厄介です。

自分が1と2どちらのパターンに当てはまるか分からない方は以下の質問に答えてみてください。

確認問題
  1. インフレーションとは物価が( 上昇し続ける状態 ・ 下落し続ける状態 )を指す。
  2. 為替相場が1ドル=100円から1ドル=150円になった場合、( 円高 ・ 円安 )といえる。

解答:①上昇し続ける状態 ②円安

両方の問に自信を持って答えられなかった方はパターン2の可能性が高いです。
(②で「ドルの値段が高くなったら、円安」みたいな小手先のテクニックで覚えている方もパターン2です)

高校日本史は中学社会の公民分野で扱った経済の仕組みは理解している前提で進むことが多いでしょう。
そのため、経済の仕組みを理解していない受験生はおいていかれてしまうのです。

勇気を持って中学社会まで戻ろう

中学で扱った経済に自信がない方は、思い切って中学社会に戻ってください。

以下の参考書がオススメです。とりあえず、経済分野だけでいいのでしっかり読み込んで経済の仕組みを理解しましょう。

中学社会の経済史が理解できたら、1で紹介した高校日本史の経済史に取り組んでみてください。
かなり内容を理解しやすくなっているはずです。

演習量が足りない場合は?


上記方法で理解につとめ、基本事項の暗記をしたら、演習に取り組みましょう。

まずは日常学習で使用している問題集で該当範囲の問題を解いてください。
演習をすることで「理解したつもり」の箇所が明らかになります。

問題演習の復習法は以下の記事が参考になると思います。

▼参考:「日本史の成績を上げるために取り組むべき授業・問題演習の効果的な復習法」

『攻略日本史 テーマ・文化史 整理と入試実戦』(Z会)

経済史は苦手だからもう少し問題を解きたいという方はこちらがオススメです。

Educational Loungeでも何度か紹介しているテーマ史のまとめと演習が掲載されています。

特に難関私大を目指している方はテーマ史が非常に重要です。
テーマ史も勉強したいと考えている方は購入しておくと良いでしょう。

おわりに


今回は経済史の勉強法を紹介しました。

中学社会まで戻るという一見非効率なやり方を紹介しましたが、できないところまで戻るのはどのような勉強でも重要です。

経済史はわかると非常に面白いので、1人でも多くの方が経済史を克服して、その面白さに気づいていただければと願っています。

広告

※本記事はプロモーションを含む場合があります。

この記事が気に入ったら
フォローしよう

最新情報をお届けします

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事