
こんにちは。数学講師の大塚志喜です。
今回の記事では、数学IAの公式を覚える・使う際に意識しておくべきポイントについてお話ししていこうと思います。
何を覚えて,何を覚えないかの取捨選択は非常に重要です。
公式の学習の仕方について,しっかりと考えていきましょう。
目次
「公式を覚える」ことから学習を始めない
まず一番初めに注意しておかなければならないことがあります。
それは,「公式を覚える」ことから学習を始めないことです。
「とにかく覚えた公式に数値を代入して答えを出す」のは一番やってはいけない数学学習法
公式の勉強と聞くと,「とにかく覚えて,その公式に数値を代入して答えを出す勉強をすること」だと考える人も多いのですが,そのような勉強法はまず数学学習で一番やってはいけない勉強だと私は思っています。
もし今そのような勉強をしているのなら,すぐにやめましょう。
少なくともあなたは今最も効率の悪い方法で勉強しています。
公式を勉強する際の基本姿勢は「面倒だから覚える」
では公式をどのように勉強していけば良いのでしょうか。
そもそも公式を覚えるというのは,「結果を丸暗記する」ことなのです。
公式は「途中計算を飛ばした”計算結果”をただ覚えている」に過ぎない
例えば$$(x+y)(x-y)=x^2 -y^2$$という展開の公式は覚えていますよね?
ものすごい回数出会う計算ですし,出会うたびにこの途中式を書いていてはやはり面倒ですよね。
なので「公式(結果)を覚えてしまって,途中計算を省略して楽しよう!」ということなのです。
「この公式を作った人は何が面倒でこの結果を公式と呼んでいるか」理解する
このように,「そもそもこういうことをやらないといけないのが面倒だ」と思うことが大切になってきます。
するとうまい具合に次につながっていきます。
一番大事な”公式の使いどころ”を学ぶ
最後に一番大事な,”公式の使いどころ”についてお話していきます。
ではどのように公式の使い方を学べば良いのでしょうか。
「面倒」に直面したときこそ公式の使いどころ
そもそも公式は「毎回同じ計算をするのが面倒だから,結果を覚えてしまえ」というものでした。
まさにその「面倒」に直面したときです。
「この問題はこの公式に代入すれば解ける!」ではなく,
となってほしいわけです。
"面倒→公式の利用"の積み重ねこそ、遠回りに見えて実は覚える量が一番少なく済む学習法
そういう思考回路で色々な問題に挑戦する経験を積めば積むほど,どの場面でどの公式を用いると効率が良くなるかの感覚が掴めてきます。
そこから初めてスピードが上がってきて,実践で使えるようなレベルまで持っていくことができます。
また、自分で考えて問題を解いているのですから段々と数学が楽しくなってくるのではないでしょうか。
覚え方や運用の仕方を少し変えるだけで学習成果が大きく変化する
今回の記事はいかがだったでしょうか。
覚え方や運用の仕方を少し変えるだけで,その後の学習成果は大きく変化します。
もちろん,「公式を丸暗記することは悪である」というつもりは全くありません。
いつも授業でも生徒に伝えているのですが,「知識があることは悪いことではありません」。
せっかく大切な時間を使って勉強するのですから,楽しくしっかりと成果の出る勉強にできるように,そしてせっかく頑張るのですから,その頑張りがほぼ無駄になってしまわないように,数学の学習を進めていってください。
それではまた次の記事でお会いしましょう。