生物学習は教科書マスターが鍵! 生物選択者が意識すべき学習の極意

新年度がスタートする時期は勉強を頑張ろうと意識も高くなり始める時期です。

でも、生物の具体的な勉強法は理解できていますか?
また、学習する上で重要な「心得」を理解していますか?

今回は、生物(生物基礎)を選択している方への勉強上の注意点とを紹介したいと思います。

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生物選択者がまず押さえておくべき重要な「心得」

生物選択者が最初に押さえておくべき「心得」は次の二つです。

生物選択者の心得
  • 生物選択者も夏までは他科目に力を注ぐ
  • 生物は暗記科目ではない

詳しくみていきましょう。

生物選択者も夏までは他科目に力を注ぐ

これは生物を教えている私の経験上の話ですが、生物選択者は基本的に数学を苦手とする受験生が多いです。
統計を記録したわけではありませんが、80%以上の生物選択者にあてはまるように感じます。

そもそも数学が苦手だから物理ではなく生物を選択したという方も多いのではないでしょうか。また、化学が苦手という方もそれなりにいるのではないでしょうか。

何が言いたいかというと、生物選択者は夏を迎えるまでに生物以外の科目を頑張ってほしいのです。

生物を勉強しないのではなく「勉強の優先順位を考える」

生物は、勉強法さえ間違えなければ、他の科目よりも短期間で仕上がります。
しかし、数学などはそう簡単に攻略できる科目ではありません。

生物を勉強しなくていいと言っているわけではなく、勉強の優先順位を考えましょうと言いたいのです。

まずは苦手な主要科目や化学に時間を割き、一刻も早く克服できるように努めてください。
目安として7月くらいまでは、生物の勉強を抑えて、その分の体力と時間を生物科目以外の苦手科目克服に費やしてください。

他の科目が生物の学習に生きる

実は、生物以外の科目に力を注ぐことが後になって生物の学習に生きてくるのです。

主要科目で鍛えられる文章読解、図表の処理、論理的な思考は考察問題を解く上でマストな能力です。
化学は、生物の単元でもある代謝(呼吸・光合成など)を理解する上では欠かすことができません。

よく苦手科目の勉強を避け、生物に逃げ込む(しかも間違ったやり方で勉強をしてしまう)受験生を見かけますが、生物だけ中途半端にできるようになっても第一志望の大学には受かりません。

数学・化学などの苦手科目を克服することが、生物を本当の意味で得意科目にするカギを握っています。
そして、それが何よりも志望大学合格へつながります。

生物は暗記科目ではない

生物は単なる暗記科目ととらえている受験生も少なからずいるようですが、そんな単純なものではありません。

教科書の太字を機械的に暗記するだけでは共通テストですら全くといっていいほど目標の点数には届かないでしょう(もっとも、共通テストの問題こそ丸暗記が通用しないのですが…)。

大学受験の生物では空欄補充だけでなく、定義なども含めて正確な知識を問う正誤問題、計算問題、考察問題などさまざまなことが問われます。

つまり、用語を覚えることは大前提で、身につけた基礎知識をいかに応用させられるかということになってくるのです。

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生物学習のはじめは教科書理解から

ここからは本格的な生物の学習法について、目指すレベルを問わずお話をしていきます。

生物学習の第一歩は「知識」を身につけること

やはり生物はなんといっても“知識”がないとお話になりません。

知識を身につけるというのは単に教科書の用語(太字)を暗記することではなく、概念や現象を理解することです。
もっと具体的に言うと、教科書に記載されている用語の定義や教科書に載っているを説明できるようにすることを目標に勉強してください。

つまり、教科書の理解こそがカギを握っているのです。

問題集を解くことよりも、教科書の学習を中心にする

生物を勉強するとき、何かと問題集を解くことばかりに意識が向いてしまいます。
ですが、そうなると表面的に問われている断片的な知識が記憶に残る程度で、一切の応用が利かない無意味な勉強となってしまいます。

まず教科書の学習を主眼に置きましょう。
教科書をもっていないなら教科書販売を取り扱っている書店で購入してください。

そこまでして教科書での勉強をしてほしいのです。

生物の入試問題はあくまでも教科書をベースにつくられており、特に難関大といわれる大学ほど教科書に対する深い理解が問われます。

教科書を軽視する受験生ほど生物では高得点を望めないのです。

教科書に抵抗があるなら副教材を参考にする

ただ、いきなり教科書を読むことに抵抗がある方もいるかもしれません。
そんな方は教科書を読み進めつつ、わからないところがあれば副教材を参考にして勉強するとよいでしょう。

副教材としては『大森徹の最強講義117講生物 生物基礎・生物』『生物合格77講【完全版】』などがオススメです。

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ただし、あくまでも主教材は教科書であることは決して忘れないようにしましょう。

生物の具体的な学習は「図・説明・実験の理解」から

具体的な学習は以下の流れです。

生物の学習の流れ
  1. 教科書に描かれている図を写しながら、各現象のしくみについて本文を読んで理解する
  2. 何度か図を描く練習をしたら、何もみずに描けるか確かめる
  3. 何も見ずに描けるようになったら、言葉で説明を加えられるようにする
  4. 細かな知識を覚える

教科書の図を写しながら理解する

最初は教科書に描かれている図をノートに写しながら、各現象のしくみについて本文を読んで確認する(理解する)という流れで勉強をしてみてください。

教科書に出ているを一通り理解するだけでも、しっかりとした生物学の土台が築かれるはずです。

何も見ずに図が描けるようになるまで練習する

何度か図を描く練習をしたら、何も見ずにそれが描けるか挑戦してみてください。
さらに、何も見ずに図を描けるようになったら、言葉でそこに説明を加えられるようにしてみましょう。

こういった訓練を重ねるうちに核となる知識がしっかりと定着してくるはずです。

図が描けるようになったら細かな知識に眼を向ける

また、図が描けるようになってきたら、その他の細かな知識(まだ記憶していない用語や表など)にも目を向けて覚えるようにしましょう。

図が頭に入っている状態であれば、細かな知識も頭に入ってきやすいはずです。

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教科書に載っている実験はしっかり押さえる

最後に、教科書に載っている実験はしっかりと押さえておきましょう。
その際、実験の目的・方法・結果・考察(結論)は必ず確認してください。

結果から考察に至るまでの過程はもちろんのこと、実験の意義や特定の操作の理由などさまざまなところが問われます。

こういったときにも先程(上記で)挙げた副教材が利用できますので、ただの丸暗記ではなくしっかりとした理解へとつなげていただけたらと思います。

まとめ――夏までは教科書のマスターを意識する

ここまでに説明したように、今は問題集を解くよりも、教科書を中心とした理解重視の学習を心がけてください。
もし問題を解かないと不安というようなら、学校で配られている問題集を使用するといいです。

ただし、問題集の使用はあくまでも教科書を理解しているかどうかの確認のために使いましょう。
目安としては夏ごろまで教科書:問題集=7:3~8:2くらいの力のかけ方が良いと思います。

他の科目に追われ時間がないという方は無理に問題集に時間を割く必要はなく、少し時間があるとき、身近な先生(学校の先生や塾・予備校の先生方)に口頭でテストしてもらうというのもアリですね。

また、余裕がある方は教科書と並行して資料集(図説)にも目を通す習慣が身につくと一層理想的な学習となります。

とにかく夏頃までは教科書をマスターすることを強く意識して勉強しましょう!

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