センター試験から見る、高1・2生の現代文学習のポイント

明けて昨日、2020年1月18日(土)から19日(日)にかけて、(恐らく)最後のセンター試験本試験が実施されました。


速報版の解説は上の記事で公開しています。
問題に取り組んでみた後で確認してみてください。

まずは今年度のセンター試験を解いてみる

今年度のセンター試験の問題をまだ解いていないという人は是非時間をつくって取り組んでみることをお勧めします。
「今年で終わりなんじゃないの?」と感じる人もいるかもしれませんし、「今年度のセンター試験(本試験)の問題を解けば新テストの傾向がどのようになるかがわかる!」などということはありませんが、現状把握の意味を込めて一度解いてみたいものです。

その上で、今回は本年度のセンター試験(本試験)の第1問を参考に、学習をしていく際に意識をしておきたいポイントを挙げていきたいと思います。

2020年 センター試験 評論文(第1問)で問われたこと

まずは設問の構成をざっと確認してみたいと思います。

第1問
問1 漢字
問2~問4 傍線部内容説明
問5 対話文内の空所補充(抽象的内容の具体化)
問6 表現理解・本文の構成

 

設問別学習ポイント

もちろん、現代文の問題は今回出題されたようなものだけが問われるわけではありません。したがって、この記事で紹介するポイントはあくまで一例にすぎませんが、役立つ部分はあるでしょうし、他の設問に対応していく学習をするうえでも応用していくきっかけにしてもらえればと思います。

設問別学習ポイント①――第1問・問1[漢字]

センター試験では、例年第1問の問1が漢字の問題でした。

そしてその形式は、本文中の傍線部に相当する漢字を含むものをそれぞれ5択の中から選択するものでした。この問題に正解するためには、文脈に沿って傍線部の漢字を書く力、そしてそれぞれの選択肢の文意に合う漢字を適切に考える力が必要です。つまり、漢字の「使い分け」ができなくてはなりません。

この「使い分け」はセンター試験だけでなく様々な入試において、あるいは自分で文章を書く際、非常に重要な観点です。ぜひとも使い分けを意識した学習をしていきたいものです。

「使い分け」を意識した学習をするためにも、ただひたすら漢字を何度も書いて覚えるという作業をするのではなく、以下のポイントを意識しながら漢字学習を進めていきましょう。

漢字学習のポイント
① その漢字、熟語の意味を意識する(わからなければ調べる)。
② 必ず例文・文章の中で確認する。

設問別学習ポイント②――第1問・問2~4[傍線部内容理解]

「傍線部説明問題」と言ってもよいかもしれません。

こうしたタイプの問題に解答していく力を養うために重要なのが次の3つのポイントです。

傍線部内容理解問題のポイント
① 本文の正確な理解
② 傍線部・傍線部を含む一文の正確な理解
③ 説明すべきポイントの特定

今回の設問で解答を導くために必要だったポイントを整理してみると、

問2――「そこ」の指示内容・「違い」の内容把握
問3――「ここ」の指示内容・「脆弱性」の内容把握
問4――「それ」の指示内容・「ミニマルな福祉」の内容把握

「指示表現」が何を指しているか把握できているかどうか、傍線部内の語句が文章の中でどのように扱われているかを把握できているかどうかということが問われています。
どうしてもこれらの問題が苦手だという人はまず初めに短い文章から、丁寧に文章の構造・内容を把握する練習を積んでいきたいところです。

イメージがわかない、どこに注目すればよいのかいまいちわからないという人は、短文から徐々に「HOP」「STEP」「JUMP」の形で読解の基本的な考え方を学んでいけるこちらに取り組んでみることをお勧めします。

設問別学習ポイント③――第1問・問5[対話文内の空所補充(抽象的内容の具体化)]

空所の直前の「生徒C」のセリフから、第5段落に注目し、その趣旨(「発展成長する動的過程」の内容)をとらえる問題でした。

このように「段落の内容」を把握するためにも、ポイント②と同様、短い文章の内容把握をする練習を積み上げていくことをお勧めします。

設問別学習ポイント④――第1問・問6(ⅱ)[本文の構成]

文章の構成に関する問題は、基本的に「意味段落」意識や「段落同士の関係性」を意識して読解できていれば容易に正解できることが多いものです。

ポイント③で触れたように、段落の内容を丁寧にとらえる練習をした上で、次に中程度の長さの文章を通して、「段落同士の関係性」「話題の移り変わり」に注目して読む練習を積み重ねていきたいものです。

最後に――「こなす」のではなく、丁寧な学習を。

早いもので、2020年もすでに3週間ほどが経過しました。
来年度、令和3年度の大学入学共通テストは2021年1月16日(土)、17日(日)に実施されることになっています。したがって、特に高2生のみなさんは、ここから1年弱と間近に迫りつつある入試がどのような形になるにしても、しっかりとした「読む力」「解く力」を身につけて、対応できるだけの力をつけていきたいものです。

そのためにも、日々の学習をただ「こなす」感覚で進めてしまうのではなく、意識すべきポイント、学習のテーマを意識しながら学習していく必要があります。先ほども書いたように、今回紹介したのは評論文の問題の中でも一例にすぎませんし、今回の文章を正確に捉えていく上で身につけておきたい力は他にもたくさんあります。

とはいえ一度にすべてを把握するのは難しいものですので、丁寧な学習を心掛けながら、一つひとつ身につけていってほしいと思います。

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