「自己分析」をもとに自分に合った現代文の学習方法を見つける方法

こんにちは、羽場です。

みなさんは「自分に合った現代文の学習方針」を見つけたいと思っていますか?

すでに自分に合った学習法・学習計画を確立できている人もいるかもしれませんが、特に現代文は学習法がわかりづらいと言われる科目ですし、学習法に正解はないともよく言われます。

この「自分に合った学習方針」問題とどのように向き合っていくか、今回はその点を掘り下げて考えていきたいと思います。

自己分析フローチャート

拙著『スマートステップ現代文』第1章の第2節は「学習モデルを『見える』化する」というタイトルで、簡単な自己分析フローチャートを掲載しました。


ここでは現状分析をもとに大きく8つの学習モデルに分類しています。
このフローチャートを活用しながら自分なりのアレンジを加えていくことで「自分にあった学習法」を確立していってください。

「自分に合った現代文の学習方針」を見つける2つの指標

「自分に合った現代文の学習方針」を考えていくにあたって、まずは軸に考えておきたいのが次の2つです。

  1. 志望校が決まっているかどうか
  2. 計画を立てることに慣れているかどうか

それぞれもう少し詳しく見ていきましょう。

志望校が決まっているかどうか

「『スマートステップ 現代文』執筆に至った背景」

の中でも書いたように、現場でも書籍でも、志望校があるのを前提とした語り口は多いものです。

もちろんこれは、目標への最短ルートを歩むために必要なことでしょう。
でも、「受験生なら必ず目標が決まっている」とは限らない。

むしろ、受験生の段階で「やりたいことが見えない」状況の方が多いかもしれません。

志望校の有無によってルートは変わる

ところで、なぜ志望校が決まっているかどうかが1つの軸になるのでしょうか。
それは、目指すべき目標に応じて「ルート」に多少なりとも違いが出るからです。

はっきりと目指したいものがある人は、そこに向けて努力を重ねていくべきですし、「まだ目標が見つからない」という人は、いつか目標と出会ったときのために、今やれることを着実に積み重ねていくことが必要でしょう。

それぞれのパターンをもう少し掘り下げてみます。

志望校が決まっている人

現時点で志望校が決まっている人が最初に取り組むべきことは過去問でしょう。

志望校に向けて着実に進んでいくためには自分の立ち位置や志望校との距離、目標の姿をしっかりとイメージすることが不可欠です。

解くのは手に入る最新年度1年分で構いませんし、解けたかどうかもさほど重要ではありません。

次の手順で取り組んでみてください。

学習指針を立てるための過去問演習の手順
  1. まずは実際の試験時間通りに時間を計って解いてみる
  2. 解き終わらなかったら、時間を延長して全問解いてみる
    (印をつけるなどして、時間内に解き切れた箇所と区別しておく)
  3. 答え合わせをしてみる
  4. ざっくりとで構わないので、どのような問題が出ていたか、どれくらいできたかを確認する

志望校のレベル、出題分野、志望校と現在地の距離を掴むイメージで取り組みましょう。

あくまで優先順位や網羅性を把握するだけ

過去問をもとに学習指針を立てる場合、気をつけなければいけないことが2点あります。

  • 過去問はあくまで「過去」に出題された問題に過ぎない
    →変わる可能性は十分にある
  • 1校(学部・方式)だけ受験するわけではない

そのとき自分が解いた問題では出題されていなかったからといって、「この分野の学習は必要ない」と考えることがないようにしてください。

過去問を解いて「どのような問題が出ていたか」を確認するのはあくまで優先順位を決めたり「漏れ」がないようにしたりするためであって、「捨てる」分野を決めるためではありません。

志望校が決まっていない人は共通テストを参考にしてみる

志望校が決まっていない人は、満遍なく学習していくことが必要ではありますが、まずは共通テストの問題を参考にして学習指針を考えてみましょう。

多くの人が共通テストは受験するでしょうし、基本的な問題も数多く出題されています。
より基本的な力を確認したい場合は、センター試験の過去問に取り組んでみるのも良いかもしれません。

こちらも次の手順で取り組んでみてください。

学習指針を立てるための過去問演習の手順
  1. まずは実際の試験時間通りに時間を計って解いてみる
  2. 解き終わらなかったら、時間を延長して全問解いてみる
    (印をつけるなどして、時間内に解き切れた箇所と区別しておく)
  3. 答え合わせをしてみる
  4. ざっくりとで構わないので、どのような問題が出ていたか、どれくらいできたかを確認する

これらを元に学習計画を立てていくことになります。

計画を立てることに慣れているかどうか

次に、「計画を立てることに慣れているかどうか」という点を見ていきましょう。

忙しい中で漏れなく進めるためには計画が不可欠

「国語」と表現されるものの、冷静に考えてみれば少なくとも「現代文」「古文」「漢文」に分かれるように、一言で「現代文」といっても、細かくみていけば取り組まなければならないことは沢山あります。

やらなければならないことが多い時は、意識していなければどうしても「漏れ」が生まれてしまうもの。

ビジネスの現場では「MECE」という語がありますが、現代文学習では「ダブっても構わないので漏れなく取り組む」姿勢が重要でしょう。

「ダブっても構わない」どころか、それぞれの学習項目に重なりがあることを意識しておくことが必要かもしれません。

MECE

「漏れなく、ダブりなく」を意味する、ロジカルシンキング(=論理的思考)の基本的な考え方。
Mutually(互いに)・Exclusive(ダブることなく)・Collectively(全体で)・Exhaustive(網羅的に)の頭文字をとったもの。

いずれにせよ、やらなければならないことを漏れなくやるために、ある程度の計画を立てていくことは欠かせないでしょう。

学習計画の立て方を学ぶ

現代文の学習項目の全体像と学習計画の立て方については、拙著『スマートステップ現代文』第1章の第3節・第5節で詳細に解説しています。

また、Educational Lounge上で公開している「補講」でも、こちらの記事で実例とともに紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

自分にあった進め方を模索し続ける

ここまで紹介してきた2つの軸を参考にしつつ、常に「自分に合った学習法」を考え続ける姿勢も大切です。

生活スタイルもスタートラインも人によって異なります。
自分の生活リズムやパターン、得意不得意などに合わせて、常に「より良い学習の仕方」を考えながら学習計画をアップデートしていくことが欠かせません。

Educational Loungeでは現代文をはじめとした様々な科目で、いろいろな分野の「学習指針」を示しています。
ぜひ、拙著『スマートステップ現代文』やEducational Loungeの記事を参考にしながら、自分なりの学習指針を確立していってください。

『スマートステップ 現代文』書籍情報

  • 書名:『スマートステップ現代文』
  • 出版社:Z会
  • 著者:羽場雅希[著]・Z会編集部[編]
  • 発売日:2023年3月10日
  • 定価:1,100円(税込:1,210円)

第1章「学習法編」補講
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※本記事はプロモーションを含む場合があります。

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